出典:日本惣菜協会「業態別惣菜市場規模推移」
下図は2015年を基準とした、2010年から2019年の品目別の物価指数である。すべての小売商品が対象である総合指数(グラフ黒色)は2010年以降ほぼ横ばいで推移してきた。2014年には3%前後上昇しているが、そのうち約2%が増税分の影響であり安倍内閣や日銀が掲げるインフレ誘導は苦戦していることが伺える。 一方で主要食品群は近年そろって物価上昇の傾向を見せており、2019年は米類が114%、小麦粉が109%、生鮮魚介が118%と、総合指数を大幅に上回っている。世界的な食品原料の需要増加が背景にあり、今後も上昇傾向は続くことが予想される。仕入れコストの増加分をいかに価格転嫁できるかが飲食業界の重要な課題となっている。
飲食サービス業における短時間労働者(パート・アルバイトなど)の平均時給は2013年以降で上昇傾向にある。外食業や中食業における人材確保の環境は厳しくなる一方であり、販売価格への転嫁だけでなく、従業員が働きやすい環境を整備することで人材の採用コストや人件費を抑えようとする動きも見直されている。
出典:日本フードサービス協会「外食産業市場調査動向」
業態・業種が多様化する傾向にある中食市場では、様々な種類のM&Aが行われている。同業間における規模拡大やエリア拡大を目的とした水平的M&Aだけでなく、生産工場や販売機能の確保といった前後の商流を統合する垂直的M&Aが他業界よりも多く行われている。
また、レストランや小売といった周辺の異業界から、中食業へ参入するためのM&Aが多いことも特徴的である。消費者ニーズやトレンドの変化が著しい業界であり、環境に適応するために業態・業種を超えたM&Aが行われる傾向は今後も続くことが予想される。
売り手のメリット
買い手のメリット
販売環境
製品・サービスの品質、管理体制
製造機能