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企業経営の基礎知識 新型コロナウイルス感染症の影響による役員報酬の減額


役員報酬の減額事例

【図1_各業種区分別の公表企業数】 新型コロナウィルスの感染拡大が世界経済の停滞をもたらし、多くの企業の業績が悪化している。 それに伴い役員報酬の減額を行った企業も増えており、6月末までにコロナウィルスの影響による役員報酬の減額を公表した上場企業は169社にのぼる。(弊社調べ)

公表企業を業種別にみると、特に業績への影響度合いが大きかった外食・アパレル等が含まれる小売業やホテル・レジャー・スポーツジム等が含まれるサービス業において、多く企業が役員報酬の減額を公表していることが読み取れる。(図1) またコロナウィルスによる業績への影響度合いが大きい企業ほど早いタイミングで公表していたことも分かった。

役員報酬の減額割合については2008年のリーマンショック時と同様に20~30%が多いが、中には100%とした企業もあった。(図2)
その他、役位が高い役員ほど削減割合を高めた事例や執行役員や子会社役員も対象とした事例も見られた。

【図2:役員報酬の減額割合】 報酬削減の狙いとして、今後の影響を見込んだ固定費の抑制や投資家・顧客・取引先との損害の共有が挙げられている。 削減理由には記載されていないが、従業員に対する給与の昇給縮小や減額、賞与の減額・見送りについて、納得感をもって進めるための布石としての意味合いも含まれるものと考えられる。
一方で役員報酬は役員にとって企業価値の向上や戦略達成のインセンティブでもあるため、役員報酬を多く削減すれば良いという単純な話でもない。




報酬委員会による役員報酬の客観性の確保

【図3:報酬委員会の導入状況(市場第一部:報酬委員会設置会社の比率推移)】 役員報酬は株主にとって経営を委託するコストと捉えるコーポレートガバナンスの視点に立てば、役員報酬の削減や期中における報酬制度の変更にあたっては、代表取締役一任により恣意的に決定するのではなく、社外取締役を含めた報酬委員会で十分な議論を経たうえで決定することが望ましい。

2015年のコーポレートガバナンス・コードの適用以降、上場会社において報酬委員会の設置が進んでおり、市場第一部ではすでに52.4%(法定の委員会も含む)の会社で設置されている。(図3:出典「東京証券取引所『東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況』」)

今後はコーポレートガバナンスの強化のもと、役員報酬決定プロセスの客観性や透明性が問われる時代になってくるため、今まで以上に報酬委員会の重要性が増してくるものと考えられる。





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