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事業承継の基礎知識 平成29年度税制改正 相続・事業承継に及ぼす影響

平成29年度税制改正においては、取引相場のない株式の評価の見直し、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の延長、国外財産に対する納税義務の見直し、物納財産の範囲と順位の変更など、オーナーの相続・事業承継に係る改正が数多く盛り込まれています。 取引相場のない株式の評価については、中小企業の株価が市況の影響で著しく変動しないよう、等の観点からの見直しとなっています。 医業を継続しやすくするために、特例の認定を受けた「新認定医療法人」の出資者が出資持分を放棄し、認定移行計画に記載された移行期限までに持分のない医療法人へ移行をした場合には、医療法人が放棄により受けた経済的利益については、医療法人に対して贈与税は課されないものとされました。 国外財産については、租税回避行為を抑制すると同時に、高度外国人材等が日本で働きやすいように、在留資格により一時的に日本に住所を有する外国人同士の相続・贈与については、国外財産を相続税・贈与税の課税対象とされないこととなりました。 その他、物納、広大地の評価、タワーマンション節税、役員給与に係る改正がされています。

6-3. 平成29年度税制改正 相続税・贈与税の国外財産に対する納税義務の見直し

 
高度外国人材等が日本で働きやすいように、在留資格により一時的に日本に住所を有する外国人同士の相続・贈与については、国外財産を相続税・贈与税の課税対象としないこととする改正がされた。
一方で、日本に住所を有しないことにより相続税・贈与税の課税を免れる租税回避行為が問題視されているため、その抑制を図る。

改正の具体的な内容は以下の通り。
①日本に住所のある外国人につき、在留資格をもって一時的滞在をしている場合等には、相続税・贈与税の課税対象を改正前の「国内及び国外双方の財産」から「国内財産のみ」に限定し、課税範囲を縮小する。
②被相続人(贈与者)・相続人(受贈者)のいずれもが、5年超日本に住所を有していない場合、国内財産のみが課税対象であったが、このルールが10年超に改正される。
③相続人(受贈者)が日本に住所を有せず、日本国籍を有しない場合でも、被相続人(贈与者)が10年以内に日本に住所を有していたときは、国内及び国外双方の財産が相続税・贈与税の課税対象になる。

平成29年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用するものとしている。

国外財産1

国外財産2

(注)具体的には、現在日本に住所のある外国人については、出入国管理及び難民認定法別表第一の在留資格の者で過去15年以内に日本に住所を有していた期間の合計が10年以下である場合は、日本に住所を有したことがない者と同様の扱いとする。
現在日本に住所を有していないが過去10年以内に住所があった外国人である被相続人等については、過去15年以内において国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者である場合は、日本に住所を有したことがない者と同様の扱いとする。

改正前は、外国人がたまたま日本に住所を有する時に死亡すると、国外に住む親族が国外の財産を相続する場合であっても、その国外財産は日本の相続税の課税対象であった。
改正後は、日本に赴任している外国人が日本で亡くなった場合、被相続人等及び相続人等が在留資格をもって一時的滞在をしているケースならば「国内財産のみ」を相続税の課税対象とする。つまり、外国企業の外国人駐在員が日本に駐在しているケースでは、日本に滞在している間に駐在員が亡くなった場合、日本国内の財産についてだけ日本の相続税の課税対象となり、海外の財産については課税対象とならない。
また、日本に住所を有する外国人駐在員の親(海外居住)が死亡し、その外国人駐在員が親から相続する国外財産についても、改正前は日本の相続税の課税対象であったが、改正後は、日本の相続税の課税対象外となる。
なお、贈与税の納税義務についても同様としている。

 
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