M&Aの基礎知識 グループ法人税制とは

グループ法人税制とは、100%の資本関係がある企業グループに適用される制度です。「連結納税制度」と「グループ法人単体課税制度」があります。 連結納税制度は任意選択による適用になりますが、グループ法人単体課税制度は、100%の資本関係がある企業グループが連結納税制度を選択していない場合に強制適用されます。

(4) グループ法人間の寄附

法人による完全支配関係がある内国法人間で寄附が行われた場合には、寄附をした法人では寄附金が全額損金不算入、寄附を受けた法人では受贈益が全額益金不算入となる。

◆制度の内容

完全支配関係がある内国法人間における寄附金について、寄附をした法人(子法人A)の寄附金は全額損金不算入、寄附を受けた法人(子法人B)の受贈益は全額益金不算入となる。
ただし、「法人による完全支配関係」がある場合に限られる。

【グループ法人間の寄附】

【グループ法人間の寄付】
【グループ法人間の寄付】

◆法人による完全支配関係

「法人による完全支配関係」があるか否かはグループの頂点が法人か個人かで判断するのではなく、各々の法人間に完全支配関係があるか否かで判断される。

従って、下図のようにグループの頂点が個人で、個人による完全支配関係がある場合でも、法人による完全支配関係が個別に成立している場合には、グループ法人間の寄附について寄附金の損金不算入・受贈益の益金不算入制度の適用がある。

【法人による完全支配関係のイメージ】

【法人による完全支配関係のイメージ】
【法人による完全支配関係のイメージ】

◆「法人による完全支配関係」に限られる理由

完全支配関係を定義する「一の者」には個人株主とその同族関係者が含まれている。

仮に個人による完全支配関係のある法人間で行われた寄附について本制度が適用されると、例えば、親の所有する会社から子の所有する会社へ、資産移転を無税で行うことが可能となり、相続税対策の一手段となるおそれがある。

そのため、「個人による完全支配関係」のある法人間の寄附は対象外、つまり下図のように、寄附をした法人(A社)は通常の寄附金課税、寄附を受けた法人(B社)は受贈益が全額益金算入となる。

【「個人による完全支配関係」のある法人間の寄付は対象外】

【「個人による完全支配関係」のある法人間の寄付は対象外】
【「個人による完全支配関係」のある法人間の寄付は対象外】

◆子会社株式の帳簿価額の修正

グループ法人間での寄附が課税所得の増減を伴わないで行われたとしても、寄附をした法人の株式価値(純資産価額)は減少し、寄附を受けた法人の株式価値は増加する。

仮に親法人が、子法人が寄附を行った際の子会社株式の価値の減少を帳簿価額に反映させないままで、その子会社株式を譲渡した場合、通常取引される価額(譲渡対価)は寄附を行う前に比べて低くなるが、帳簿価額については寄附を行う前と変わらないことから、株式の譲渡益が小さく(あるいは譲渡損が大きく)なってしまう。

そのため、完全支配関係にある内国法人間で寄附が行われた場合には、寄附によって増減する純資産価額を株式の帳簿価額に反映させた上で株式譲渡損益を計算することとし、意図的に株式譲渡益を小さく(あるいは譲渡損を大きく)することを防止している。なお、株式の帳簿価額の修正を行う必要のある法人は株式を直接保有する法人に限定される。

【子会社株式の帳簿価額の修正】

【子会社株式の帳簿価額の修正】1
【子会社株式の帳簿価額の修正】2

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