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M&Aの基礎知識 3. アドバイザーによるDD(デューデリジェンス、デューディリジェンス)の手続き

デューデリジェンス(デューディリジェンス)とは、Due(当然行うべき)、Diligence(勤勉、努力)という意味で、DD(ディーディー)と略されます。M&A取引においては、買収対象会社の事業内容、経営の実態、経営環境を詳細に調査することで、売手と買手の“情報の非対称性”を解消します。デューデリジェンスは、その調査の視点・切り口によって、事業(ビジネス)デューデリジェンス、財務デューデリジェンス、税務デューデリジェンス、法務デューデリジェンス、人事デューデリジェンス、ITデューデリジェンス、環境デューデリジェンスなどの種類があります。これらのデューデリジェンスを全て実施する義務や必要性はなく、M&A取引の状況に鑑み、必要なデューデリジェンスを選択することになります。 複数のデューデリジェンスを実施した場合は、それぞれの調査結果を有機的に関連づけて、総合的に評価することが重要です。対象企業のありのままの財務状況や収益力を知るだけでなく、統合後にいかにしてシナジー効果を発揮させるかをイメージすることも重要な目的の一つになります。

3-3. 法務デューデリジェンスの重要ポイント

法務デューデリジェンスとは

法務デューデリジェンスとは、対象会社や対象事業について、当該M&A取引に影響を与える法務上の問題点の有無を調査する手続きを指す。
会社組織・株式、関係会社、許認可、契約、資産・負債、知的財産権、人事・労務、訴訟・紛争、環境など、対象となる範囲は幅広い。

法務デューデリジェンスにおいて、特に注意するべきは許認可である。
対象会社が事業に関して取得している許認可、届出、それに関する書類などが調査対象となる。M&A取引の実行に際して、事前または事後に関係当局への相談、届出等が必要か、現在取得している許認可の承継が認められるか、新たに許認可を取得する必要性があるか等について法務上の調査が行われる。
許認可の引き継ぎや新規取得に時間がかかれば、M&A全体のスケジュールにも影響することになる。

法務デューデリジェンスの手段と検出事項

法務デューデリジェンスによって、会社の登記簿謄本、株主総会および取締役会議事録、主要契約書、保有許認可、人事規程などの社内規程の閲覧などが行われ、その結果を受けて、事業の移転に際して障害となる法的事項、M&A契約書における記載事項などを検討する。
社外のステークホルダーとの契約関係、許認可、ライセンス(知的財産権)、違法行為、重要な訴訟・紛争の存在などは、法務デューデリジェンスによって検出されることになる。

法務デューデリジェンスと事業デューデリジェンス

法務デューデリジェンスから事業デューデリジェンスに反映させなければならない情報は、主に以下の2つが挙げられる。

Change of control条項とは、M&A取引などによって会社の実質的所有者である株主の構成が大きく変更になった場合に契約を解除することができる条項のことである。

その契約があることによる法務上の取扱いにより、対象会社の事業の前提となる条件が大きく揺らぐおそれすらある。
また、許認可については、合併、会社分割、事業譲渡などの組織再編のスキームを採用する場合、業法上の許認可やライセンスについて、承継手続や新規取得手続が必要となり、その際に問題が生ずることがあるので、法務デューデリジェンスにおいて精査しなければならない。

対象会社がビジネスを営む上で、特許権や商標権のような知的財産権の使用が重要な要素となっている場合もあり、その知的財産権が法務上では誰の保有となっているのか、M&A取引実行後にも継続して使用するためには、法務上どのような手続きが必要になるのかも法務デューデリジェンスにおける重要な調査事項である。

法務デューデリジェンスと財務・税務デューデリジェンス

法務デューデリジェンスにおいては、財務・税務デューデリジェンスで調査対象とする取引が法務上の問題を有していないかを確認することになる。
重要な契約においてChange of control条項が付されていれば、買収する対象としての企業価値は調整しなければならない。
また、法務デューデリジェンスで検出された偶発債務・簿外債務などについては、財務・税務デューデリジェンスにおいてその影響を検討する。

 
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