事業承継の基礎知識 贈与税とは

贈与税とは、個人間の贈与により財産を取得した者に対して課せられる税金です。贈与税の課税方法は、「暦年課税」と「相続時精算課税制度」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に、相続時精算課税制度を選択することができます。

(5) 結婚・子育て資金贈与における1,000万円の非課税

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◆直系尊属からの結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税非課税制度

父母や祖父母から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合、贈与金額1,000万円まで贈与税を非課税とする制度である。

□概要

直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合において一定の要件を満たすときは、贈与を受けた金銭等のうち最大1,000万円まで、贈与税を非課税とする制度である。
なお、扶養義務者から行われる贈与で、生活費(治療費や養育費を含む)として通常必要と認められる金額を、必要な都度直接これらに充てる場合は、これまでも今後も、贈与税は非課税となる。

□結婚・子育て資金の一括贈与の適用要件

【結婚・子育て資金の一括贈与の適用要件】
贈与税とは【結婚・子育て資金の一括贈与の適用要件】

□結婚・子育て資金の範囲

・結婚に際して支出する次のような金銭(300万円を限度)
贈与税とは【結婚・子育て資金の範囲】1

・妊娠、出産または育児に要する次のような金銭
贈与税とは【結婚・子育て資金の範囲】2

□教育資金の一括贈与との併用

「直系尊属からの教育資金の一括贈与にかかる贈与税非課税制度」との併用が可能。

◆相続税・贈与税の取扱い

□受贈者が50歳になる前に贈与者が亡くなった場合

受贈者が50歳になる前に贈与者が亡くなった場合において、その時点で結婚・子育て資金に使わなかった残額があるとき(金融機関に提出した結婚・子育て資金の領収書の金額の合計額が贈与金額に満たなかったとき)は、その残額は受贈者が贈与者から相続により取得したものとみなされ相続税の対象となる。
その場合における相続税の計算上、受贈者が2割加算の対象となる孫等であっても、その残額に対応する相続税については2割加算の対象外となる。

この相続税の取扱いについては、「直系尊属からの教育資金の一括贈与にかかる贈与税非課税制度」とは取扱いが異なるので注意が必要である。

□受贈者が50歳になった場合

受贈者が50歳になった場合において、結婚・子育て資金に使わなかった残額があるとき、50歳になった時点で、その残額が贈与者から受贈者に贈与されたものとして贈与税が課される。

□受贈者が50歳になる前に亡くなった場合

受贈者が50歳になる前に亡くなった場合には、その時点で結婚・子育て資金に使わなかった残額について贈与税が課税されることはないが、その残額は、その受贈者が残した相続財産となる。

◆生活費・教育費等の資金負担(贈与)と贈与税

□基本的考え方

「生活費」とはその人が通常の日常生活を送るために必要な費用(教育費を除く)をいい、治療費や養育費等(保険金等で補填される金額を除く)も生活費に含まれる。
また、「教育費」は、被扶養者(子や孫)の教育上通常必要と認められる学資・教材費・文具費等をいい、義務教育費に限られない。

なお、「通常必要と認められるもの」については、贈与を受けた人の需要と贈与をした人の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産とされており、個々人の事情によって異なる。

□生活費や教育費であっても、数年分まとめると、贈与税の対象

生活費や教育費として必要な場合であっても、数年分まとめて渡した場合は贈与税の対象となる。
贈与税の対象とならない生活費や教育費は、「必要な金額を必要な都度直接これらに充てる場合」である。
数年分まとめて渡し、その財産が預貯金や株式、家屋の購入資金等に充てられた場合は、贈与税の対象となる。

ただし、教育費については、「直系尊属からの教育資金の一括贈与にかかる贈与税非課税制度」が設けられている。

□結婚費用

結婚式の費用について、その費用を誰が負担するか(子(新郎・新婦)なのか、親(両家)なのか)は、その結婚式の内容、招待客との関係、地域の慣習等の事情に応じて、本来費用負担すべき人が負担していれば、そもそも贈与には当たらない。

また、新婚生活のために、親が家具などを贈与(購入資金を贈与)した場合、それらが結婚後の通常の日常生活のために必要な家具等である場合には贈与税の対象とならない。

ただし、贈与を受けた金銭が預貯金や株式、家屋の購入資金などに充てられた場合は、贈与税の対象となる。
なお、結婚費用については、「直系尊属からの結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税非課税制度」が設けられている。

□出産費用

前述のように、贈与税の対象とならない「生活費」には、「治療費」も含まれるため、子の出産に要する費用で、検査・検診・分娩・入院などの費用を親が負担した場合も贈与税の対象とはならない。
ただし、保険金等で補填される金額を除く。

また、新生児のための寝具・ベビー用品などの購入資金も、新生児の通常の日常生活のために必要なものについては、贈与税の対象外である。

なお、出産費用については、「直系尊属からの結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税非課税制度」が設けられている。

□家賃負担

家賃については、子が自らの資力によって居住する賃貸住宅の家賃を負担し得ないなどの事情を勘案して、社会通念上適当と認められる範囲の家賃を親が負担している場合は贈与税の対象とはならない。

よって、大学生の子が下宿するアパートの家賃を親が払っている場合には贈与税の対象とはならない。
ただし、例えば、資産家の子で高額収入を得ている人が、豪華マンションの高額家賃を親に払ってもらっている場合には、社会通念上適当と認められず、贈与税の対象となる可能性もある。

 
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