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事業承継の基礎知識 贈与税とは 押さえておくべき全知識 (2019年執筆)

贈与税とは、個人間の贈与により財産を取得した者に対して課せられる税金である。贈与税の課税方法は、「暦年課税」と「相続時精算課税制度」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に、相続時精算課税制度を選択することができる。

(3) 不動産(土地・住宅)にかかる贈与税の控除

目次


  1. ◆不動産(土地・住宅)の贈与税の留意点

  2. ◆夫婦間で住宅(取得資金)の贈与があった場合の配偶者控除

  3.   □ 配偶者控除の適用要件

  4.   □ 配偶者控除の特例の計算

  5. ◆親、祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の控除

  6.   □ 直系尊属からの住宅取得等資金の贈与税非課税制度

  7.   □ 非課税制度の適用要件

  8.   □ 非課税限度額

  9.   □ 非課税制度の適用を受ける場合の贈与税の申告

  10.   □ 生前贈与加算との関係

  11.   □ 他の控除額との併用

不動産(土地・住宅)の贈与税の留意点

不動産を贈与する場合、不動産取得税、登録免許税等の移転コストが相続の場合よりも多くかかる。
それらを考慮したうえで贈与するかどうかを決めることが大切である。

夫婦間で住宅(取得資金)の贈与があった場合の配偶者控除

婚姻期間20年以上の配偶者から、住宅(または住宅取得資金)の贈与を受けた場合に、贈与税の課税価格から2,000万円を控除できる制度である。

配偶者控除の適用要件

【贈与税の配偶者控除の適用要件】

婚姻期間 20年以上
贈与財産 国内の居住用不動産または居住用不動産の購入資金
居住期間 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその居住用不動産に居住し、かつその後も引き続き居住する見込みであること
再適用 同じ配偶者からの贈与について過去にこの規定の適用を受けていないこと
申告 税額がゼロでも贈与税申告が必要
生前贈与加算(※) この規定により候補された金額は生前贈与加算(※)の対象外

※相続開始前3年以内の贈与財産について贈与時の価額で相続税の課税価格に加算する制度。

配偶者控除の特例の計算

例:夫が自宅の土地・建物の持分3分の1を妻に贈与した場合(同じ年に他の贈与なし)
贈与した金額から、配偶者控除の2,000万円を控除し、さらに基礎控除110万円を差引いた残額に贈与税の税率を適用した、贈与税を計算する。

【ケースの概要】

① 贈与額:(6,300万円+1,800万円)×持分1/3=2,700万円
② 課税財産額:2,700万円-2,000万円(配偶者控除)-110万円(基礎控除)=590万円
③ 贈与税額:590万円×30%-65万円=112万円

親、祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の控除

直系尊属からの住宅取得等資金の贈与税非課税制度

令和3年12月31日までに20歳以上の人が、その父母や祖父母から住宅取得等資金として現金贈与を受けて、自宅不動産の新築や購入や増改築等を行い、一定の要件を満たす場合には、贈与金額のうち最大3,000万円まで贈与税が非課税となる。

非課税制度の適用要件

【住宅取得等資金の贈与税非課税制度の適用要件】

贈与者 父母、祖父母等の直系尊属
受贈者 下記を満たす子、孫等の直系卑属
・20歳以上(贈与を受けた年の1月1日時点)
・贈与年の合計所得金額が2,000万円以下
・日本に住所があること
(日本に住所がない場合でも、一定の場合には適用可)
贈与財産 次の用途に充てるための資金
・新築住宅の取得 ・中古住宅の取得 ・一定の増改築等
居住時期 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または、遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること
住宅 ・日本国内にある家屋であること
・家屋の床面積が50m2以上240m2以下であること

非課税限度額

非課税限度額は、「契約日」と「消費税率10%が適用されるかどうか」により、次の通り区分される。
【住宅取得等資金の贈与税非課税制度の非課税限度額】

契約日 消費税率10%が適用される場合 左記以外の場合(※)
省エネ・耐震・バリアフリー住宅 一般住宅 省エネ・耐震・バリアフリー住宅 一般住宅
~平成27年12月31日 1,500万円 1,000万円
平成28年1月1日
~令和2年3月31日
1,200万円 700万円
平成31年4月1日
~令和3年3月31日
3,000万円 2,500万円
令和2年4月1日
~令和3年3月31日
1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円
令和3年4月1日
~令和3年12月31日
1,200万円 700万円 800万円 300万円

※ 消費税率8%の適用を受けて住宅を取得等した場合のほか、個人間売買により中古住宅を取得等した場合

非課税制度の適用を受ける場合の贈与税の申告

この非課税制度の適用を受ける場合には、税額がゼロでも、贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与税の申告が必要である。

生前贈与加算との関係

この非課税制度により非課税とされた贈与金額は、たとえ相続開始前3年以内の贈与であっても、生前贈与加算の対象とはならない。

他の控除額との併用

この非課税制度は、暦年課税の基礎控除額(110万円)、または相続時精算課税制度の特別控除額(2,500万円)と併用できる。
よって、暦年課税の場合には最高3,110万円まで、相続時精算課税制度の場合には、最高5,500万円までの贈与について贈与税をゼロとすることができる。

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