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事業承継の基礎知識 個人所得の確定申告

所得税の確定申告とは、個人が1年間(1月1日から12月31日まで)に得た「所得金額(=収入-経費等)」から「所得控除額」を差し引いた金額に対して所得税を計算し、申告・納税する制度です。また、その際に住民税の申告も行いますが、納税方法には普通徴収と特別徴収があります。

(4) 財産債務調書・国外財産調書

◆財産債務調書

その年の所得が2,000万円を超える人で、その年12月31日において「3億円以上の財産」または「1億円以上の国外転出時課税の対象となる有価証券等」を有する人は、当該財産の種類、数量および価額その他必要な事項を記載した「財産債務調書」を税務署に提出しなければならない。
なお有価証券等については取得価額も併記する。

□提出期限

その年12月31日の財産債務について記載した財産債務調書を、翌年の3月15日までに税務署長に提出しなければならない。

□財産債務調書の提出を促進するための措置

・財産債務調書を提出期限内に提出した場合には、財産債務調書に記載がある財産債務に関して所得税・相続税等の申告漏れが生じた場合であっても、過少申告加算税等が5%減額される。
・財産債務調書の提出期限内の提出がない場合または記載すべき財産債務の記載がない場合に、その財産債務に関して所得税の申告漏れ(死亡した方に係るものを除く)が生じたときは、過少申告加算税等が5%加重される。

□その他の留意点

・国外財産調書に記載した国外財産は、「財産債務調書」に記載する必要はない。
・平成29年1月1日以後に提出する財産債務調書には、個人番号(マイナンバー)を記載する必要がある。

【財産債務調書の例】
平成29年12月31日分財産債務調書
【財産債務調書の例】

※上記の例は平成29年1月1日以降に提出する財産債務調書の様式を想定して作成している。実際の様式・記載要領については国税庁のホームページ等を参照。

◆財産債務調書の提出制度の留意点

□所得2,000万円超の判定について
Q:所得2,000万円超はどのように判定するのか。確定申告の必要のない源泉徴収ありの特定口座内の取引も対象となるのか。

A:確定申告の対象となる総所得金額、山林所得金額、退職所得金額以外の申告分離課税の所得金額の合計金額で判定する。
源泉徴収ありの特定口座内の取引は、その取弓Iに係る所得について確定申告をしない場合は所得の判定に含めない。

Q:所得の判定の際に、損失の繰越控除や特別控除は所得から控除できるのか。

A:各種繰越控除や、申告分離課税に係る特別控除については、それらを所得から控除した金額で判定を行う。

□有価証券関連について
Q:財産価額が3億円以上であるかどうかの判定を行うにあたり含み損のある信用取引があった場合、どのようにして金額の判定を行うのか。

A:3億円の判定は、年末に決済したとみなして算出した額をもとに行います。その価額がマイナスの場合は、他の財産の価額と通算して判定を行います。

Q:特定口座内に保有する上場株式等の記載方法はどのようにすればよいのか。

A:証券会社ごとに株式、公社債、投資信託等の別に一括して価額及び取得価額を記載する。
投資一任契約による取引で取得した有価証券も、特定口座内に保有しているものは、例えば投資信託であれば、証券会社ごとに各銘柄を一括して価額及び取得価額を記載する。

Q:証券会社に預けているもの以外で有価証券等に入るものにはどのようなものがあるのか。

A:例えば未上場の株式、非上場法人の出資、医療法人の持分、匿名組合出貧の持分などがある。

□その他の記載方法について
Q:不動産の見積価額はどのように算定すればよいのか。

A:土地・家屋はその年の固定資産税評価額により評価する。
書画骨とう及び美術工芸品はどのように算定すればよいのか。
その年の年末における売買実例価額、それがない場合で翌年において調書の提出時までに譲渡した場合その価額、それもない場合は取得価額により算定する。

◆国外財産調書

その年の12月31日において、5,000万円を超える国外財産を有する居住者(非永住者を除く)は、当該財産の種類・数量および価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を税務署に提出しなければならない。

□提出期限

その年の12月31日の国外財産について記載した国外財産調書を、翌年の3月15日までに税務署長に提出しなければならない。

□国外財産の判定

財産の所在が国外かどうかにより判定する。

【財産の所在の判定】

財産の種類
所在の判定
動産 その動産の所在
不動産 その不動産の所在
船舶または航空機 船籍または航空機の登録をした機関の所在
金融機関に対する預金、貯金、積金または寄託金 その受入れをした営業所または事業所の所在
保険金(保険の契約に関する権利を含む。) その保険の契約に係る保険会社等の本店等または主たる事務所の所在
有価証券等 貸付金債権 その債務者の住所または本店もしくは主たる事務所の所在※
社債、株式、法人に対する出資または外国預託証券 その社債もしくは株式の発行法人、その出資のされている法人または外国預託証券に係る株式の発行法人の本店または主たる事務所の所在※
集団投資信託または法人課税信託に関する権利 これらの信託の引受けをした営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在※
国債または地方債 この法律の施行地(国内)※
外国または外国の地方公共団体その他これに準ずるものの発行する公債 その外国※
抵当証券またはオプションを表示する証券もしくは証書 左記の有価証券の発行者の本店または主たる事務所の所在※
組合契約等に基づく出資 左記の組合契約等に基づいて事業を行う主たる事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在※
信託に関する権利 その信託の引受けをした営業所、事務所その他これに準ずるものの所在※

※証券会社等に預託・保管の委託をしているものは、当該証券会社等の口座が開設されている営業所等の所在となる。
なお、国外にある金融機関の営業所等に開設された口座において管理されている国内有価証券等(本店または主たる事務所が国内に所在する法人が発行する有価証券)は、国外財産調書の対象となるが、国内にある金融機関の営業所等に開設された口座において管理されている国外有価証券等(本店または主たる事務所が国外に所在する法人が発行する有価証券)は、国外財産調書の対象外となる。

□国外財産調書の提出を促進するための措置

・国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、国外財産調書に記載がある国外財産に関して所得税・相続税等の申告漏れが生じたときであっても、過少申告加算税等が5%減額される。

・国外財産調書の提出期限内の提出がない場合または記載すべき国外財産の記載がない場合に、その国外財産に関して所得税の申告漏れ(死亡した者に係るものを除く)が生じたときは、過少申告加算税等が5%加重される。

・国外財産調書に虚偽記載があった場合または正当な理由なく提出期限内に提出しなかった場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることがある。

□その他の留意点

平成29年1月1日以後に提出する国外財産調書には、個人番号(マイナンバー)を記載する必要がある。

【国外財産調書の例】
平成29年12月31日分国外財産調書
【国外財産調書の例】
※上記の例は平成29年1月1日以後に提出する国外財産調書の様式を想定して作成している。
実際の様式.記載要領については、国税庁のホームページ等を参照。

 
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