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事業承継の基礎知識 相続税とは 押さえておくべき基礎知識(2019年執筆)

相続税とは、被相続人(亡くなった人)の遺産を相続で受け継いだ場合や、遺言によって遺産を受け継いだ場合に、遺産総額となる金額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合にかかる税金である。

(2) 配偶者や子ども・孫の法定相続分

相続人の範囲と法定相続分

相続人の範囲と法定相続分は民法により定められており、配偶者は常に相続人になる。
配偶者以外の相続人の順位と法定相続分は次のとおり。

【相続人の順位と法定相続分】

家族の状況 相続人 法定相続分 代襲相続
第一順位 子ども等(子どもや孫等の直系卑属)がいる場合 配偶者 1/2
1/2 孫、ひ孫等
第二順位 子ども等はいないが親等(父母等の直系尊属)がいる場合 配偶者 2/3
直系尊属 1/3
第三順位 子ども等も親等もいない場合 配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4 甥、姪まで

相続人が存在しない場合には、一定の手続により特別縁故者への財産分与を経て、残余財産は国庫帰属となる。

相続税における非嫡出子の取り扱い

なお、婚姻外で生まれた子どもである「非嫡出子」も相続人になる。
ただし、女親の場合は、認知の手続きを経ることなく非嫡出子として相続できるが、男親の場合は、認知を受けなければ非嫡出子として相続できない。
法定相続分については、以前は嫡出子の2分の1とされていたが、この規定を違憲とした最高裁の判決を受けた民法改正により平成25年9月5日以後の相続から「嫡出子と同じ」に変更された。

代襲相続とは 被相続人の子どもが死亡している場合

代襲相続とは、被相続人が亡くなる前に相続人となるはずの子ども(もしくは兄弟姉妹)が死亡している場合、その孫(兄弟姉妹の場合は甥、姪)など下の世代へ相続権が引き継がれる相続のことをいう。
【子どもが死亡している場合における代襲相続の例】

<法定相続分>
配偶者:1/2
子A:1/2×1/2=1/4
孫C:1/2×1/2×1/2=1/8
孫D:1/2×1/2×1/2=1/8

孫を養子にしており、その親にあたる子が既に死亡している場合、その孫は「養子」と「代襲相続人」の両方の権利を持つことになり、相続分は「養子」としての相続分と「代襲相続人」としての相続分を合計して算定する。

【孫養子が代襲相続人である場合】

<法定相続分>
配偶者:1/2
子A:1/2×1/3=1/6
孫C:1/2×1/3×1/2=1/12
孫D:1/2×1/3×1/2
    + 1/2×1/3=1/4

なお、法定相続分どおりに遺産分割しなければならないという取決めはなく、どのような遺産分割を行うかは、相続人全員の合意の下、決めることができる。

相続財産の遺留分

遺言の内容は、本人が自由に決めることができる。
そのため、相続人のうち1人だけに全ての財産を相続させることや、相続人以外の人に全ての財産を相続させることも可能である。
しかし、それでは排除された相続人にとって不利益な事態となってしまうため、相続財産の一定割合については相続人に留保するという「遺留分」の制度が民法で定められている。

【法定相続分と遺留分】

相続人 配偶者 配偶者以外
法定相続分 遺留分 法定相続分 遺留分
第一順位 配偶者および子 1/2 1/4 1/2 1/4
子のみ 全額 1/2
第二順位 配偶者および直系尊属 2/3 1/3 1/3 1/6
直系尊属のみ 全額 1/3
第三順位 配偶者および兄弟姉妹 3/4 1/2 1/4 なし
兄弟姉妹のみ 全額 なし
その他 配偶者のみ 全額 1/2

※配偶者以外の者が複数いる場合には人数に応じて按分する。

自分の遺留分を侵害する遺言に関しては、受遺者や受贈者に対して遺留分の権利を主張でき、これを「遺留分侵害額請求権」という。
一般的には、内容証明郵便によって請求し、相手が遺留分侵害額請求に応じない場合、家庭裁判所に調停(話し合い)の申立てができる。
遺留分侵害額請求ができる期間は、相続開始および遺留分を侵害している遺贈・贈与があることを知ったときから1年、または相続開始から10年である。

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