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事業承継の基礎知識 相続税とは 押さえておくべき基礎知識(2019年執筆)

相続税とは、被相続人(亡くなった人)の遺産を相続で受け継いだ場合や、遺言によって遺産を受け継いだ場合に、遺産総額となる金額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合にかかる税金である。

(1) 相続税はいくらからかかる? 課税対象の評価額と基礎控除額

相続税の課税価格

相続税の計算における資産は「本来の相続財産(現預金・不動産・有価証券など)」に「みなし相続財産(死亡保険金・死亡退職金等)」と、一定の生前贈与金額(3年以内贈与財産・相続時精算課税による贈与財産)を加えた合計額である。
ここから、「非課税財産(死亡保険金のうち一定額など)」と「債務(借入金など)」、「葬式費用」を差し引いたものが課税財産の合計額であり、課税価格といわれる。

相続税の基礎控除額

3,000万円+600万円×法定相続人の数が基礎控除額となる。
相続税の課税価格の合計額が相続税の基礎控除を超える場合、遺産を取得した各相続人等は相続税の申告義務を負う。
なお、申告の要否を判断する相続税の課税価格は「小規模宅地等の相続税の課税価格の計算特例」を適用する前の価格である。
課税価格から相続税の基礎控除額を差し引いたもの(課税遺産総額)が、税額計算の基礎となる。

相続財産の評価額

相続税、贈与税の税額を算出する場合、相続財産・贈与財産の価値を算定しなければならない。
相続財産の評価額は原則「時価」によることとされており、相続であれば相続発生日の時価、贈与であれば贈与日の時価となる。
この時価を求めるにあたり、国税庁は財産評価基本通達において財産の種類ごとの評価方法を定め、財務行政の取扱いを統一し、公開している。

国税庁 > 法令等 > 法令解釈通達財産 > 評価
▶ 国税庁 財産評価ページ

実際の財産評価では、この財産評価基本通達に基づき評価を行うが、「課税の公平性」が損なわれるようなケースでは、別の方法で算出された「時価」により評価することになる。

未上場株式(取引相場のない株式・出資持分)の相続税評価

オーナー経営者一族(同族株主)にとっての1株と従業員・取引先等の少数株主(同族株主以外)にとっての1株では、未上場株式の価値(時価)は異なる。

【株式の持分で違う評価方式】

株主 株式の価値 評価方式
同族株主 会社支配権 原則的評価方式(類似業種比準方式・純資産価額方式、併用方式)
同族株主以外 配当期待権 特例的評価方式(配当還元方式)

同族株主にとっての株価

・会社規模と評価方式
同族株主にとっての未上場株式(自社株式)の評価額は、「会社規模(業種・従業員数・売上高・簿価総資産価額により決定)」により異なる。

同族株主以外の株主にとっての株価(配当還元方式)

同族株主以外の株主にとっての株価は、会社の直前期末以前2年間の配当実績に基づいて株価を計算する配当還元方式もしくは、原則的評価方式で計算する。

上場株式等の相続税(贈与税)評価額

上場株式は、その株式が上場されている取引所が公表する課税時期の終値(取引価格)と、課税時期の属する月以前3ヶ月の各月ごとの終値(取引価格)平均額のうち、最も低い価額で評価する。

(例)課税時期が7月8日の場合
下記①~④うち最も低い価額
①7月8日の終値(※休日等で終値がない場合には、その前後で最も近い日の終値とし、その終値が2つある場合にはそれらの平均額とする)
②7月の毎日の終値平均額
➂6月の毎日の終値平均額
④5月の毎日の終値平均額

気配相場のある株式の相続税(贈与税)評価

日本証券業協会の登録銘柄や店頭管理銘柄あるいは公開途上にある株式を気配相場等のある株式と呼ぶ。

<登録銘柄や店頭管理銘柄の評価>
登録銘柄および店頭管理銘柄の株式は、日本証券業協会が公表する課税時期(相続又は遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の取引価格と、課税時期の属する月以前3ヶ月の各月ごとの取引価格平均額のうち、最も低い価額で評価する。
ただし負担付贈与や個人間の対価を伴う取引により取得した登録銘柄や店頭管理銘柄は、取得した日の取引価格で評価する。

(例)課税時期が7月8日の場合
下記①~④うち最も低い価額
①7月8日の取引価格(※取引価額が高値と安値の双方について公表されている場合には、それらの平均額とする)
②7月の毎日の取引価格平均額
➂6月の毎日の取引価格平均額
④5月の毎日の取引価格平均額

<公開途上にある株式>
株式の公開に際して公募や売出しが行われる場合には、その株式の公開価格によって公開途上にある株式の価額を評価する。公募や売出しが行われない場合には、課税時期以前の取引価格等を勘案して評価する。

事業承継税制の特例 納税猶予

後継者が現経営者から自社株式を取得したとき、一定の条件を満たせば、贈与税・相続税の納税が猶予される。この非上場株式等についての相続税および贈与税の納税猶予及び免除の特例の平成30年度に可決・成立した税制改正法案の詳細は下記より資料がダウンロードできる。

事業承継税制の特例創設」の解説
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