事業承継の基礎知識 上場株式等の売却

上場株式等の取得価額は、「取得単価×取得株数+取得に要した費用」により計算し、売却損益(譲渡所得等)は、「売却収入-取得価額-売却費用-売却年の借入金利子」により計算します。上場株式等の売却益は、申告分離課税の対象として、20.315%の税率で課税されます。

(5) エンジェル税制の概要

個人投資家が、一定要件を満たしたベンチャー企業(特定中小会社)に出資した場合の税制優遇措置をエンジェル税制という。
入口(出資時点)での優遇制度と、出口(その出資が不成功に終わったケース)での優遇制度がある。

対象となる出資先は、特定中小会社(中小企業のうち、設立年数・研究者等の比率、営業活動におけるキャッシュフロー・試験研究費等の割合等に関する一定の要件を満たす株式会社)である。
税務上の取扱いは以下の通り。

入口版一特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等

入口(出資時点)では次の2つの優遇制度がある。同一年中に取得をした同一銘柄の株式については、いずれか1つの選択適用となる。

同一年の株式等の売却益等からの控除

株式発行の際の払込みにより特定中小会社の株式を取得した場合は、その取得価額相当額を、まず同一年の一般株式等グループの売却益等から控除することができる。
控除しきれない場合は、その年の上場株式等グループの売却益等から控除することができる。

同一年の所得からの寄附金控除

特定新規中小会社に出資した金額は、1,000万円を限度として寄附金控除の対象とすることができる。

出口版一特定中小会社が発行した株式に係る売却損の繰越控除等

出口(その出資が不成功に終わったケース)では次の2つの優遇制度がある。

売却損の3年間繰越控除

一定要件を満たす特定中小会社の株式を公開前に売却して損失が生じた場合において、同一年の一般株式等グループの売却益等と通算しきれなかった売却損は、同一年の上場株式等グループの売却益等と通算できる。さらに通算後に残った売却損は、翌年以降3年間繰越し、翌年以降3年間に生じる一般株式等グループの売却益等および上場株式等グループの売却益等と通算することができる。

株式価値喪失損失

一定要件を満たす特定中小会社が株式公開前に解散し清算結了等に至り株式の価値が喪失した場合、その株式価値喪失損失を売却損とみなし、同一年の一般株式等グループの売却益等と通算する。
通算しきれなかった売却損は、同一年の上場株式等グループの売却益等と通算できる。さらに通算後に残った売却損は、翌年以降3年間繰越し、翌年以降3年間に生じる一般株式等グループの売却益等および上場株式等グループの売却益等と通算することができる。

※平成27年以前の各年に生じた売却損で平成28年以後に繰越されるものについても、平成28年以後の各年分の一般株式等の売却益等および上場株式等の売却益等と通算することができる。

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