事業承継の基礎知識 5. 非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予(事業承継税制)

「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」(事業承継税制)を利用すれば、後継者が現経営者から自社株式を贈与あるいは相続・遺贈によって取得した場合、一定の条件を満たして所定の手続きを行うと、贈与税・相続税の納税が猶予されます。中小企業のオーナーにとって、換金性のない自社株式に対して多額の相続税が課されることは死活問題です。会社に負担をかけず、円滑な事業承継ができるようにするために設けられたのが、この「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」なのです。

5-6. 「贈与税の納税猶予」の税金計算

 
「贈与税の納税猶予」を適用したときに納税猶予の対象となる贈与税額は、贈与税の納税猶予の適用に係る株式等の価額を、受贈者に係るその年分の贈与税の課税価格とみなして、通常の贈与税の基礎控除及び贈与税の税率を適用して計算した金額である。

【計算例】
前提:
・現経営者は発行済議決権株式総数の全てを保有している。
・発行済議決権株式総数に係る課税価格は4億5,000万円
・現経営者は保有する株式のすべてを後継者(丙)に贈与
・贈与税の税率は、平成27年1月1日以降に適用されるものを使用

<1>納税猶予制度を適用しなかった場合の贈与税額の計算

(4億5,000万円-110万円)×55%-640万円≒2億4,050万円

<2>納税猶予額の計算

納税猶予対象株式に係る課税価格:4億5,000万円×2/3=3億円

※納税猶予額を計算する際の、算定の基礎となる納税猶予対象株式の価額は、対象会社が保有する一定の外国会社株式等を有していなかったものとして計算する。また、資産保有型会社又は資産運用型会社が上場会社株式の発行済株式総数の3%以上を保有する場合には、当該上場株式等を有していなかったものとされる株式の範囲に追加する。

納税猶予分の贈与税額:(3億円-110万円)×55%-640万円≒1億5,800万円

納税猶予適用後の納税額の計算

<1>-<2>=8,250万円

贈与税 計算

 
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⇒平成30年度税制改正で納税猶予はどう変わる?
 
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