事業承継の基礎知識 相続・事業承継における不動産と税金

相続・事業承継の対策において、不動産の取り扱いは重要なポイントです。不動産の購入、保有、売却にかかわる税金について解説します。

(9) 借地権の取り扱い

◆借地権設定時

オーナー個人が法人に対して建物所有を目的とする土地の賃貸を行った場合や、オーナー所有の土地建物のうち、建物のみを法人に譲渡した場合等は、借地権の設定があったものとみなされる。

この場合において、その地域に権利金を収受する取引慣行があるにもかかわらず借地権相当額の権利金の授受が行われないときは、税務上、オーナーから法人に対し権利金に相当する利益供与があったものとして認定課税が行われる。

ただし、相当の地代を収受している場合(※1)や、無償返還の届出書を提出している場合(※2)には、権利金の授受が行われなくとも、権利金の認定課税はない。
なお、実務上は、無償返還の届出書を所轄の税務署に提出し、オーナーと法人との間で賃貸借契約を締結するケースが一般的である。

(※1) 相当の地代を収受している埸合とは、権利金の収受に代え、毎年土地の時価(権利金を一部収受しているときはその権利金を控除した金額)の概ね6%相当額の地代を収受している場合をいう。

(※2) 無償返還の届出書を提出している場合とは、土地を使用させる場合において将来借地人がその土地を無償で返還することを明らかにし、その旨を記載した「土地の無償返還に関する届出書」を所有者と借地人との連名により所轄税務署長に届け出た場合をいう。

◆相続発生時

土地所有者であるオーナーに相続が発生した場合には、その土地の相続税評価額は貸宅地として評価する。
ただし、無償返還の届出書を提出している土地(使用貸惜の場合を除く)については、自用地評価額の80%相当額により評価する。
この場合において、借地人が同族会社であるときには、当該法人の株式評価上、借地権として評価した価額(自用地評価額の20%相当額)を純資産価額に算入して計算しなければならない。

なお、無償返還の届出書を提出している場合であっても、その貸借が使用貸借(通常の地代の収受なし)であるときは、オーナー所有の土地は、オーナー側で自用地評価額により評価されるため、法人側では株式評価上、自用地評価額の20%相当額を純資産価額に箅入する必要はない。

◆借地権解除(返還)時

法人がオーナー個人から借り受けた土地の賃貸借を解除した場合には、借地権の返還があったものとみなされる。
従って、法人において収受した立退料の金額は益金に算入されるとともに、借地権の帳簿価額は損金に算入され、その差額が所得として認識される。

一方、地主であるオーナー個人において支払った立退料の金額は、借地権が設定された土地の取得価額に加算する。
なお、無償返還の届出書を提出している場合には、立退料の授受が行われなくとも課税関係は生じない。

【借地権の課税関係】
【借地権の課税関係】

【無償返還の届出書を提出している場合(通常の地代の授受がある場合)の評価イメージ】
【無償返還の届出書を提出している場合(通常の地代の授受がある場合)の評価イメージ】

 
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