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2020/08/20

テーマ: 03.海外

タイの宅配サービス

目次

概要

タイの宅配サービスについて

宅配サービスは多くのビジネス活動に不可欠なものである。タイの宅配サービスは着実に成長しており、年々大きな役割を果たすようになっている。

タイの宅配サービス市場は、2018年から2年連続で前年比で40%成長した。SCB EIC(サイアム商業銀行傘下の調査センター)は、オンラインショッピングの増加を主な要因として、2020年には市場が前年比で約35%成長し、1日当たりの宅配便の取扱個数が400万個に達するだろうと予測している。

2020年に新型コロナウイルス感染症が流行し、その対策としてソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を保つことが習慣化しつつある。この状況は、Eコマース(電子商取引)を後押しする見込みで、宅配サービス市場の成長についての予測は現在の数値から上方修正される可能性が高い。

Eコマースが宅配サービス業界に与える影響

電子商取引開発局(ETDA)のレポートによると、タイのEコマース(電子商取引)市場の2014年から2018年にかけての年平均成長率は12%で、2014年の2.03兆バーツから2018年には約3.15兆バーツに成長した。タイの主要な価格比較プラットフォームであるPricezaは、2019年から2022年にかけてEコマース市場は年平均成長率22%で拡大すると予測している。

市場の主要プレーヤー

タイの主要な宅配サービス事業者

宅配サービス市場は、Thailand Post (41%)とKerry Express(39%)の2社が席捲しており、2社のみを併せたシェアで市場全体の約80%を占めている。

Best Logistics、J&T Express、CJ JWD Logistics、ヤマトホールディングスなど外資大手が、数年前からタイ宅配サービス市場への出資を開始した。

さらに、現在タイで人気のあるGrab Express、Lineman、Lalamoveなどのオンラインアプリを介したオンデマンド配送サービスを提供する事業者も存在する。

タイで提供されるサービス

タイの配送会社が提供するサービスは、主に、即日、翌日、週末対応、ドア・ツー・ドアサービス、および現在需要の高いオンデマンド配送で構成されている。一部の事業者は、国内に加え国際配送サービスも提供している。

宅配サービス事業者の競争戦略

競争戦略

宅配サービス事業者は、競争の激しい市場で生き残り、成功するためにいくつかの戦略を駆使している。主要な戦略としては、ビジネスパートナーシップの 構築、サービス拠点の拡大、サービスの差別化、配送精度の向上、システム開発などがある。

トレンドと機会

関連規制

外国人事業法(1999年)
外国人事業法により、外資が過半の企業が物流や宅配を含むサービス事業を行うことには制限が課されている。

従って、外国企業がタイで宅配サービス事業を行う場合は、商務省から外国事業免許(FBL)を取得するか、タイ企業と提携して、タイ資本が過半の合弁会社を設立する必要がある。 (外国企業持株比率の上限は49%)

宅配サービス事業に関する規制
現在、タイには宅配サービス事業を規制する特定の法律はない。最も関連性の高い法律は、1979年の陸上運送法と1979年の車両法である。しかし、これらの法律は実際には宅配事業に適用されていない。

タイでの宅配サービス事業の急速な拡大により、政府は同事業を規制するための法律制定の必要に迫られる可能性がある。宅配サービス事業の成長が続けば、今後検討されることになるだろう。

宅配サービス事業を管理するための措置
2019年、陸運省が宅配サービス事業者を管理するための措置を発表した。主な目的は、違法な荷物、特に麻薬の密輸を防ぐことである

宅配事業者はサービスを提供する場所に監視カメラを設置し、調査プロセスが問題なく進められるよう顧客の情報、名前、国民番号を180日以上記録し保管する必要がある

適切な検査・スクリーニングの措置がとられなかったこと、または麻薬が密輸されてしまったことが判明した場合、当該事業者は最大5万バーツの罰金および/または最長5年の懲役などの重い罰則が課される可能性がある

まとめ

タイの宅配サービス市場は現在たった2社による独占状態である。具体的には、業歴の長い国営企業のThailand Post と急成長中の香港発の民間企業であるKerry Expressである。一方、 市場が過去数年間で急速な成長を遂げたため、新規プレーヤーの市場参入が相次いでいる。

新型コロナウイルス感染症の流行とソーシャル・ディスタンス(社会的距離)維持の習慣化によって、 Eコマース市場の継続的な成長はさらに加速しつつあり、これにより今後宅配サービスおよびその関連事業にさらに大きな成長余地をもたらすものと予想される。

市場に新規参入する場合には、参入前に、資本力、国際ネットワーク、技術的優位性をすでに備えている必要がある。加えて、外資規制があるため、タイ国内での会社の設立を支援してくれる現地パートナーを見つける必要もある。

さらに、顧客ニーズの変化、技術進化、規制の変更など、その他の重要な変化に迅速に対応する必要もある。

執筆:YAMADA Consulting & Spire (Thailand) Co., Ltd.
YC Capital Co., Ltd.
(山田コンサルティンググループ株式会社 タイ現地法人)

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