What’s M&A? 中小企業の事業承継における現状
M&Aの重要ポイントと事例

中小企業の事業承継ニーズに応えるM&Aの現状とタイミング

経営者にとって、事業承継は重大なテーマの一つです。しかし、後継者不在の中小企業は76%以上にものぼり(帝国データバンク調査調べ)、事業承継は多くの企業で大きな課題となっています。
そこで現在、注目を集めているのが「M&A」です。親族や役員に事業を承継することが困難な場合、M&Aで第三者に承継することで事業を継続・発展させ、株式譲渡によって創業者利益を確保する経営者が増加しています。
ここからは、事業承継のためのM&Aの理解を深めていただくために、中小企業がM&Aに失敗しないための重要なポイントを分かりやすく解説し、事例とケーススタディを3つご紹介いたします。
 
◆関連記事
⇛事業承継での後継者選びのポイントとは?
⇒中小企業のM&A戦略
⇒株式譲渡による事業承継・M&Aのポイント
 

 

目次

◆中小企業のM&Aとは
□中小企業におけるM&Aの現状は人口減少の背景から増加傾向
□中小企業におけるM&Aの事業承継目的の種類・方法は株式譲渡、事業譲渡が中心
 
◆M&Aで失敗しないために重要なポイント
□売手が事業承継のM&Aで失敗しないポイントは情報開示・決断・許容
□買手が事業承継のM&Aで失敗しないポイントは目的の明確化・適材適所・アフターM&A
□M&Aの専門家(アドバイザー、コンサルタント)を適切に選ぶ
 
◆中小企業のM&Aにおける仲介・アドバイザリーサービスとは
□中小企業のM&Aにおける流れ
□中小企業のM&Aを支援するサービスの種類
 
◆M&Aにおける事例とケーススタディ
□事例1 地元有力企業の支援を受けて旅館事業を抜本再生
□事例2 資金繰り危機の和菓子屋を完全異業種の会社が救済
□事例3 株式取得により訪問マッサージの新規事業を迅速に立ち上げ
 
◆まとめ

 


◆中小企業のM&Aとは

M&Aとは、Mergers(合併)and Acquisitions(買収)の略語です。企業もしくは事業の移転を伴う取引のことを指し、その手法には合併株式譲渡事業譲渡などがあります。一方、広義のM&Aとしては、業務提携などで経営面での協力関係を築くことによって、シナジー効果を生み出すことを目的としたものを指します。
 
⇒M&Aとは?企業買収の方法と必須となる基礎知識
 


□中小企業におけるM&Aの現状は人口減少の背景から増加傾向

M&Aというと、大手企業や海外企業が行うものというイメージがありますが、最近では業種を問わず中小企業がM&A事業承継を目的に行う事例が増加しています。
 
その背景にあるのは、日本国内の人口減少問題です。少子高齢化による人口減少は加速度的に進行しており、これは消費者の減少を意味するため、その分だけ市場は縮小していくことになります。
事業の大半を国内市場に依存している中小企業は大打撃を受ける可能性が高く、今後はますます業界再編と企業の選択と集中の動きが進行するでしょう。
また、近年は社員や後継者の人材不足も経営活動にダメージを与えており、中小企業にとって厳しい環境が続いています。
 
親族内や社内に後継者がいた場合でも、自社株式の承継に伴う税負担は重く、企業の借り入れに際しての経営者の個人保証・担保の引き継ぎなどにも莫大なコストがかかってしまいます。
これらの金銭的・精神的負担を考えて、M&Aの実行をためらう経営者も少なくありません。
 
このような市場縮小と後継者難による事業承継の課題を解決する手段として、M&Aのニーズが高まっています。事実、事業承継を実施した中小企業の約3分の1はM&Aの手段を選択しているのです。
 
国内におけるM&Aの実施件数は、2012年から2017年の間に1.65倍も増加しており、大半が国内企業同士の取引によるものです。企業規模別の件数においても、1,000億円以上の契約金額はわずか1%に対して、100億円未満の規模の小さい取引は45%と大半を占めています。また、製造業から卸売業、小売業、建設業、運輸業、医療福祉関係まで特定の業種に限らずM&Aは行われています。
 
経営者のリタイアに伴い廃業してしまうと、今までに築き上げた技術やノウハウ、取引先や顧客との関係性をすべて失うことになってしまいます。
また、廃業すれば、従業員の雇用問題についても考慮しなければなりません。身近な後継者ではなく、第三者に事業承継するM&Aを前向きに活用するケースは、今後ますます増加していくことが予想されます。
 


□中小企業におけるM&Aの事業承継目的の種類・方法は株式譲渡、事業譲渡が中心

M&Aには幾つかの手法があり、事業再生や資金獲得などといった目的に適する手法を選択する必要があります。通常、M&Aは「合併」と「買収」を指しますが、中小企業の事業承継を目的とした場合は「買収」が中心となります。
 
買収の手法は「株式取得」「事業譲渡」「会社分割」の3種があり、さらに株式取得は「株式譲渡」「株式交換」「第三者割当増資」の3種類に分類されます。中小企業の事業承継を目的としたM&Aでは、主に「株式譲渡」と「事業譲渡」の2つの手法が用いられます。
 

・株式譲渡

「株式譲渡」とは、保有する株を相手先企業に売却し、子会社化させる手法です。株主が切り替わるだけなので、資産や知的財産、従業員などは企業に残すことができ、現状の事業を継続していくことになります。株主は株の売却代金を得られるため、リタイア後の生活資金として活用することもできます。
 

・事業譲渡

「事業譲渡」とは、事業の一部またはすべてを売却する手法です。株式譲渡とは異なり、事業を運営する会社が相手先企業に切り替わるため、事務所の賃貸契約や従業員の雇用契約など、契約が必要なものはすべて相手先企業が再締結する必要があります。
 
その他の選択肢としては、自社の株式と相手先企業の株式を交換して企業を譲り渡す「株式交換」、新たに株式を発行して相手先企業が50%超を保有し経営権を握らせる「第三者割当増資」、企業の権利義務の一部を相手先企業に承継させる「会社分割」などがあります。
 
中でも事業承継のM&Aでは「株式譲渡」が中心となっていますが、目的に合わせてベストな手法を選択しましょう。
 
⇒中小企業のM&A戦略
 
⇒中小企業におけるM&Aのポイント
 
⇒株式譲渡による事業承継・M&Aのポイント
 


◆M&Aで失敗しないために重要なポイント

中小企業の事業承継としてニーズが高まるM&Aですが、売手・買手ともに重要なポイントを押さえていなければうまくいきません。ここからは、売手と買手がM&Aで失敗しないためのポイントを解説していきます。
 


□売手が事業承継のM&Aで失敗しないポイントは情報開示・決断・許容

まず、売手が事業承継のM&Aで失敗しないためのポイントは、買手やコンサルタントへの情報開示、決断する勇気、企業文化など価値観の違いの許容です。また、社長の「折れない精神力」も必要になるでしょう。
 

・買手やコンサルタントへの情報開示

M&Aアドバイザー・コンサルタントに買手企業候補を探してもらう場合、売手企業が特定されないように一部の情報を伏せた企業概要をノンネームシートとしてまとめます。
このノンネームシートにある企業に興味を持った買手とは秘密保持契約を結び、さらに詳細な内容がまとめられた企業概要書(IM)を開示します。その際、「儲かっている仕組み」を適切かつ根拠を元に説明しなければなりません。客観的に判断できる情報を提供することで、初めて高い企業評価につなげることができるのです。
 
昨今は株主に対する説明責任が重要になってきているので、買手がきちんとした調査をせずにM&Aを実行するということはあり得ません。そのため、M&Aの際には売手が経理・財務や法律関係の手続きを正しく実施しているかを確認する「デューデリジェンス」を行っています。
デューデリジェンスの段階になって初めてマイナス情報が明らかになった場合は、大きく信用を失うことになるため、従業員間のトラブルなどといった不都合な事情や不名誉な事実というマイナス情報がある場合でも、適切な時期に情報開示しておく必要があります。一般的に、売手がデューデリジェンスを受け入れるタイミングは、M&Aの基本合意書を締結した後になります。その際、売手企業は社内の経理部門や顧問税理士に事情を説明して、協力体制を作らなければなりません。なお、一般社員には情報を漏らさず、漏洩すべきでない情報は適切に対処するよう注意してください。一般社員に無用な心配を与えないためにも、デューデリジェンスは売手企業の休日に行われることが一般的です。
 
⇒M&Aを成功させるデューデリジェンスとは

 

・決断する勇気

M&Aが一般化してきた昨今では、最適な買手企業と交渉・契約できる「勝ち組」とできない「負け組」がはっきりと分かれるようになってきています。負け組となる企業に共通して言えることは、「社長の性格がM&Aに向いていないこと」が挙げられます。「気が小さくて決断できない」「優柔不断で時間がかかる」「秘密が守れない」「前言撤回する」といった社長の性格は、M&Aを成功させる上で大きな阻害要因となってしまうでしょう。
 
また、M&Aを実施する時期によって売手の企業価値が変動するので、タイミングを逃すと売却価格が下落してしまう可能性もあります。景気が良い時や業界再編の潮流にあるとき、業績が下がってしまう前は買手企業が現れやすいものです。M&Aではタイミングを逃さず決断する勇気が極めて重要です。

 

・企業文化など価値観の違いを許容する

企業文化など、価値観の違いを許容することも大切です。M&Aの交渉で、企業文化や物事の優先順位、判断基準などの価値観の相違で相手企業と摩擦が生じることがあります。
しかし、相手企業は別の企業であるため、価値観が異なるのは当たり前です。交渉相手を批判するのではなく、相手の結論を許容できるかを焦点にして交渉しなければなりません。相手の価値基準を許容する度量を持たなくてはならないため、強い精神力も必要となってきます。
 


□買手が事業承継のM&Aで失敗しないポイントは目的の明確化・適材適所・アフターM&A

買手が事業承継のM&Aで失敗しないためのポイントは、目的の明確化、事業を引き継げる人材の存在、人材流出のリスクを抑えるアフターM&Aです。M&A後に軌道に乗せて成功させるためには、売手企業の事業を受け入れる環境と人材を育成しなければなりません。
 

・目的の明確化

売手企業は、事業を承継して成長させてもらうためにも信頼できる買手企業との取引を求めています。
そのため、M&Aの目的が不明瞭な買手企業はマッチングが成功しない確率が高いのです。経営多角化を推し進める「コングロマリット型」の買手は、既存分野との親和性が高ければ問題ありませんが、新規分野に進出する場合に売手の社長が当面残らなくてはならなくなるリスクを敬遠されがちです。
親族や役員などを後継者として育てるため、経営できそうな企業を探したいという「後継者OJT型」の買手も、売手としては自社を練習台に使われることになるので心象を悪くします。
M&Aを純投資と考えている「ファンド型」の買手は、儲かるかどうかだけを優先されて、都合が悪くなれば再売却されるのではないかという不安を売手に与えるため、不人気です。売手が納得して安心できる目的を説明することが、M&Aを成功させるためには重要といえるでしょう。
 

・事業を引き継げる人材の存在

買手がM&A後に新社長として出せる人材がいなければ、売手にとってメリットはありません。社長兼務が可能か、事業を引き継げる有能な人材を新社長に据えることができるかが、成功を左右する大きな要素となります。また、トップダウンの決定に慣れておらず決断スピードが遅くなる場合もM&Aが失敗してしまう傾向があります。M&Aにはスピーディかつ大胆な決断が必要になるため、秘密保持の観点からも、トップダウンで行うべきです。
 

・人材流出のリスクを抑えるアフターM&A

M&A後は、売手企業の社員は買手企業の下で働くことになります。買手側の企業文化や社風が悪いと、M&A後に人材が流出してしまう可能性があります。大きな混乱を生じさせず、円滑に経営を軌道に乗せるためにも、M&A後は企業統合を急ぎ過ぎずに人心掌握に努める必要があります。
 


□M&Aの専門家(アドバイザー、コンサルタント)を適切に選ぶ

M&Aを実行する際は、条件交渉や契約、法務・税務・労務の手続きが必要になるため、弁護士や税理士など各専門家による協力が必要不可欠です。
 
また、M&Aに特化した支援会社をうまく活用することで、納得のいく条件でのM&Aが実現する可能性が高まります。M&A支援会社の種類は、売手と買手のマッチングを支援する「仲介会社」と売手・買手のどちらか一方につく「アドバイザリー会社」があります。

 
⇛M&Aにおけるフィナンシャルアドバイザー(FA)・銀行・投資ファンドの役割とは
 

こちらについては、次章で詳しく解説していきます。
 


◆中小企業のM&Aにおける仲介・アドバイザリーサービスとは

では、中小企業のM&Aにおける仲介・支援サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。中小企業のM&Aの流れを押さえた上で、仲介・支援サービスの種類を見ていきましょう。
 


□中小企業のM&Aにおける流れ

M&Aを実行する場合、手順を踏んで進めていく必要があります。
まずはM&Aの方針を決定し、交渉を有利に進めるために、自社や外部環境の現状を把握して入念な準備を行います。M&Aの手続きには専門家の協力が必要不可欠なため、支援会社を選定します。
そして、支援会社と経営者の希望価格をすり合わせて売却価格を試算。買手候補をリストアップし、さらに条件を絞り込んでいきます。
候補が決まれば、案件概要書を買手企業へ提出し、詳細な情報が求められれば経営者同士のトップ面談を行います。合意を確認したら基本合意書を作成し、買手はデューデリジェンスを実施します。
大きな問題がなければ売却価格などの条件交渉に入り、同意がなされたら最終契約を結び、従業員や取引先への説明を行います。
 
M&Aの検討・準備段階から契約締結に至るまで、情報管理は徹底しなければなりません。進行段階で噂が立つとM&Aが破談になることもあるからです。そのため、一部の関係者を除くすべての役員・社員には絶対に情報を漏らさないようにするなど、徹底した情報管理の下で行いましょう。
 
また、事業承継の手段としてM&Aがベストだと経営者が判断できるまで、他の選択肢も徹底的に比較してください。経営者の納得感がなければ、手続きに時間がかかったり迷ってしまったりして、交渉がうまく進まなくなってしまいます。
M&Aの交渉では、思い通りにいかないことに直面しても、相手企業に敬意を示して粘り強く誠実に交渉を続けて信頼関係を構築しましょう。
また、経営者の利益だけを優先するのではなく、従業員の理解を得られるかどうかも考慮しなければなりません。雇用や待遇が守られるよう十分に配慮し、経営者も従業員も納得のいくM&Aを実現しましょう。
 
これらの交渉を進めるにあたり、経営者一人ですべてを判断することは不可能に近く、M&Aの落とし穴に落ちてしまい、かえって遠回りになってしまうでしょう。適切な専門家に依頼することが、良い結果を生む鍵となります。
 


□中小企業のM&Aを支援するサービスの種類

M&A支援会社は、大きく分けて「仲介会社」と「アドバイザリー会社」に分類されます。
 
「仲介会社」はM&Aを希望する売手企業と買手企業の情報を集め、双方をマッチングさせるための仲介・斡旋を中心に行います。情報量も経験も豊富なため、適切な企業とのマッチング成功率も高くなります。報酬は、売手と買手双方から受け取ります。
 
「アドバイザリー会社」は、売手もしくは買手どちらか一方の企業について、税務・法務・条件交渉など多角的なアドバイスを行い、相手企業を探します。事業承継など、M&Aありきではない相談にも応じるのが特徴で、報酬は当事者企業のみから受け取ります。
 
M&A支援会社によって強みはさまざまなので、専門性や情報量といった各社独自の強みと実績、契約期間やサポート内容、契約内容は必ずチェックするようにしましょう。
 
アドバイザリー契約(M&A仲介会社と締結する仲介依頼契約)には、「一般契約」と「専任契約」の2種類があります。
 

・一般契約

同時に複数のM&A支援会社に依頼することができ、譲渡取引を進められる相手先企業を紹介してくれた支援会社に対して報酬を支払います。
複数社に依頼するため紹介ルートは増えますが、同じ情報を各社に何度も説明しなければならず、スケジュール管理やコントロールが難しくなるのがデメリットです。
 

・専任契約

1つの支援会社だけに依頼し、じっくりと相談しながらM&Aを進めていきます。情報開示や連絡窓口が一本化できるためコントロールしやすく、負担を軽減することができます。
 
M&A支援会社が期待していた働きをしてくれなかったり、良い結果につながらなかったりする場合があるため、契約の有効期間と解除条項は必ず確認するようにしましょう。
途中解約できるのか、その場合はいつまでに申し出る必要があるのかなどのポイントを押さえておく必要があります。
 
報酬体系はM&A支援会社によって大きく異なるので、必ずチェックしてください。基本的には、業務委託契約締結時に「着手金」、買手企業との基本合意がなされたときに「中間金」、契約成立時に「成功報酬」を支払うことになります。
支援会社の中には月額報酬(リティナーフィー)が必要なところもあり、逆に成功報酬のみという会社も存在するので、支援会社の強みや契約内容と合わせて報酬体系もよく確認するようにしましょう。
 
⇒M&Aコンサルティング会社のサービスを紹介
 


◆M&Aにおける事例とケーススタディ

ここからは、中小企業の事業承継や事業立て直しを目的としたM&Aの事例とケーススタディを3つ紹介いたします。事例を参考にして、M&Aのイメージを掴んでいただければ幸いです。
 


□事例1 地元有力企業の支援を受けて旅館事業を抜本再生

北陸地方の旅館を営業するX社。バブル崩壊後は長年赤字が続いていましたが、北陸新幹線の開通により黒字化に成功しました。しかし、大幅な債務超過があるため、抜本的に事業を再生させるためには、債務整理とスポンサー企業の協力によるM&Aの実施が必要不可欠だったわけです。
 
そこで、社会的信用の高い地元の有力企業のA社に買収してもらう形でM&Aを実行し、旧会社の債務整理を完了します。
それにより、オーナーの息子夫婦に負の遺産を残すことなく、無事事業承継を行うことができました。旅館の経営権はA社に移ったものの、基本的な運営は息子夫婦を中心に行い、全従業員の雇用を継続。地元にも受け入れられやすい形で新体制に移行できたのです。
 

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地元有力企業の支援を受けて旅館事業を抜本再生したM&A事例
 


□事例2 資金繰り危機の和菓子屋を完全異業種の会社が救済

味と品質の高さから、業界内でも大きな存在感を示す老舗和菓子製造会社のX社。大口取引先とは全取引高の半数以上のシェアを占めるまで成長していたものの、取引打ち切りにより売上高が約4分の1まで激減します。
そして、資金繰りの悪化から、取引先への支払いや従業員への給料遅配などが発生し、信用不安が発生しました。不動産などの資産も売却して返済の努力をしましたが、依然として支払困難な状況が続いたため、再建に協力してもらえるスポンサーとM&Aを行うことに決定したのです。
 
近年、同業種の企業を買収した実績のあるA社は、潤沢な資金を持っており、迅速な経営判断でX社の再建のために最大限の協力姿勢を貫きました。
A社の資本参加によりX社は設備投資と販路拡大を実施し、売上高が増加。信用も回復し、従来通りの取引を再開することができました。
 

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資金繰り危機の和菓子屋を完全異業種の会社が救済したM&A事例
 


□事例3 株式取得により訪問マッサージの新規事業を迅速に立ち上げ

女性社長が切り盛りする訪問マッサージ事業会社のX社。60歳を超えて肉体的・精神的な限界を感じる中、親族にも社内にも経営を任せられる後継者がいない状況でした。
そこで、社員を継続的に雇用できることを条件にM&Aで事業承継することを決断します。
 
役員や管理職同士のつながりがあったA社とのM&Aを交渉していましたが、金額面で交渉が難航。コンサルティング会社を仲介することで不安点を一つずつ解消し、条件交渉の着地点を見つけることができました。
そして、X社は後継者問題を解決することができ、A社は短期間で新規事業を立ち上げることに成功したのです。
 

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株式取得により訪問マッサージの新規事業を迅速に立ち上げたM&A事例
 


◆まとめ

人口減少による市場縮小や人手不足から、中小企業の事業承継の選択肢としてニーズが高まっているM&A。一般的に事業承継では、保有する株を相手先企業に売却し、子会社化させる「株式譲渡」が用いられますが、M&Aの目的に合わせて適切な手法を選択する必要があります。
 
売手がM&Aを成功させるためには、儲け方から不安要素まで適切に情報を開示することや、スピーディかつ勇気ある決断力を持つこと、そして価値観の違いを許容する心を持つことが重要になります。一方買手は、売手が納得できるM&Aの目的を説明し、事業を引き継ぐ能力のある適切な人材を配置し、売手企業の人材が流出してしまわないよう、アフターフォローにも注力することが大切です。
 
M&Aには、法務や財務、交渉といった専門知識が必要になるため、各種専門家やM&Aに特化した支援会社の協力を得ることが必要不可欠です。経営者も従業員も相手先企業も、皆が納得できる条件で交渉を進めなければなりません。支援会社には「仲介会社」と「アドバイザリー会社」の2種類があるので、自社の課題に適した会社を選定してください。その際、会社独自の強みや契約内容、報酬体系をしっかり確認し、ベストな支援会社に協力を依頼しましょう。

 
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