用語集 デューデリジェンス・企業価値評価
M&Aの意思決定をする上で重要な情報を引き出すデューデリジェンスと企業価値評価に関わる用語についてまとめました。
コングロマリット・ディスカウント (こんぐろまりっとでぃすかうんと / Conglomerate Discount)
コングロマリット・ディスカウントとは、積極的なM&Aなどを通じて事業を多角化している企業において、単体でそれぞれの事業を営む場合と比較したとき、市場からの評価が低下し、株価が下落している状況をいう。
コングロマリット(巨大複合企業グループ)を形成するメリットとしては、リスクに対して強いという点が挙げられる。
一方で、シナジー効果を生まない事業を同時に展開していることで、経営資源が分散する上に、経営の複雑化によって非効率な内部資源の移動も発生しやすいため、個々の事業では競争力が低下するというデメリットがある。
また、対外的には十分な情報開示やコーポレート・ガバナンスを実践することが難しくなり、多くの証券アナリストの評価は保守的になる。
投資家の立場としても、通常は、自らの意思で様々な業種に投資をして、リスク分散を図っているため、企業自身がリスクを分散するのではなく、最も強みを生かせる分野に特化することが望ましいと考える。
これらの理由から、市場の評価も厳しくなる傾向がある。
コングロマリット・ディスカウントの回避策としては、会社分割などによるスピンオフやカーブアウト、トラッキング・ストック、LBOが考えられる。
◆関連ワード
⇒スタンド・アローン問題
この用語の同カテゴリーの用語
- APV法
- CAPM
- DCF法
- DD
- EBITDA
- EPS
- EV
- EV/EBITDA倍率
- EVA
- IRR
- ITデューデリジェンス
- MM理論
- PBR
- PER
- PER倍率法
- Qレシオ
- ROA
- ROE
- ROI
- SWOT分析
- WACC
- アーニング・マルチプル・レシオ
- イベント・リスク
- インカムアプローチ
- コストアプローチ
- コングロマリット・ディスカウント
- コントロール・プレミアム
- シナジー
- シナジー効果
- スタンド・アローン・バリュー
- スタンド・アローン問題(スタンド・アローン・イシュー)
- セラーズデューデリジェンス
- セラーズバリュー
- ターミナルバリュー
- デューデリジェンス
- ネットアセットアプローチ
- バイヤーズバリュー
- バリュードライバー
- バリュエーション
- ビジネスデューデリジェンス
- フェアネスオピニオン
- ブラックショールズモデル
- フリーキャッシュフロー
- マーケットアプローチ
- マイノリティ・ディスカウント
- 二項モデル
- 人事デューデリジェンス
- 偶発債務
- 再調達原価法
- 建設業
- 法務デューデリジェンス
- 流通業
- 現在価値
- 環境デューデリジェンス
- 税務デューデリジェンス
- 簿外債務
- 経営指導念書
- 製造業
- 財務デューデリジェンス
- 買収監査
- 金融業
- 非流動性ディスカウント
- 類似企業評価法
- 類似会社比準法