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インタビュー

海外現地法人を持つ数少ない国内コンサルファーム
山田コンサルが重視する海外戦略のポイント

山田コンサルは、海外に4つの現地法人を含め7つの拠点を持つ。
その中で米国現地法人と国内の海外事業本部双方を率いるのが、船山竜典だ。その軌跡はユニークで、常に逆境に強いマインドを発揮し自らの道を切り開いてきた。ユーモアあふれる語り口調の中に、仕事に向き合う厳しさと情熱を秘めた船山に、企業の海外戦略上重要なポイントや、自身のコンサルへの想いを聞いた。

自身の成長がお客様の役に立ち、会社の成長になる、経営コンサルの道へ

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新卒での就職活動では、幅広い分野の企業に接することができる、銀行やコンサルティングファームに足を運びました。ある日本のコンサルティング会社では空気感が肌に合わず、外資系コンサル企業の説明会ではフレームワークを見ても現実味が感じられず…。そんな活動中に出会ったのが、山田コンサルの前身でもある山田ビジネスコンサルでした。「戦略系コンサル」の美しいプレゼンテーションと、「部分的、作業的な仕事ではなく、総合的に何でもできる会社だ」という強い説得に、「まさに自分が求めていた仕事だ」と心が弾みました。

そんな希望を胸に入社した当初の仕事は、税金計算のシミュレーションばかりで、実はガックリ来ていました(笑)。でもここで徹底的に税金関連の仕事を叩き込まれたことが、後々自分の強みになるのですから、経験は大切です。半年くらい経つと、やりがいが生まれてきました。マンパワーが足りずに四苦八苦する再生中の会社をサポートすることで評価され、頼りにされました。それを励みに支援行動を繰り返しながら、会社経営に関する様々なことを、実務で吸収していきました。

山田コンサルは、自分でやろうと思えば何でもできる環境です。顧客が評価し、評価が上がればできることが増え、さらに顧客に喜んでいただけて、これがやりがいになります。社長の、「社員の自己成長こそが、会社の成長だ」という言葉のもと、私を指導してくれた尊敬する先輩社員をベンチマークに、自分を成長させる場として選んでよかったと思っています。

海外マーケットに進出するために重要なのは、現地情報の鮮度と確度

現在、私は海外事業本部長兼米国現地法人のManaging Directorとして、主に、企業の海外進出に関わる支援を行っています。海外進出と一言でいっても、業種や企業規模、計画の度合い、単独進出か他社との連携かといった進出方法によって、行うべきことは全く異なります。相手国の事情やルール、企業の目的が複雑に絡み合いますから、一筋縄ではいきません。

特に、今までは製造拠点としての海外進出を考えていた会社でさえも、国内市場の縮小をにらみ、海外にマーケットを獲得する動きが始まっており、そうしたご相談も増えています。海外のマーケットでは、自社で一から販路を広げることは、そう簡単なことではありません。現地でパートナーを見つけ、アライアンスを組む、投資をしていくことがとても重要です。そのため、現在はクロスボーダーでのM&Aニーズが、非常に高まっています。

山田コンサルの海外事業本部は、企業がしっかりと海外進出の“果実”を得られるよう、各国の制度などの側面から支援することはもちろん、方向性や目的、設定する目標を一緒に協議し、戦略を練るところから支え、海外進出の目的を果たせるようサポートします。

海外案件に携わるきっかけとなった、リーマンショック

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私が海外の事業に関わることになったきっかけは、リーマンショックでした。その前後で、仕事の内容が大きく変わったのです。リーマンショック以前の案件は、主にバブル時代の後始末、つまり本業以外に手を出して負った大ケガの修復といった意味合いの再生支援がほとんどでした。ところがリーマンショック後は、企業の本業そのものが傷んでしまった。しかも当時は中国が台頭していました。事業再生にあたり、中国を無視した成長戦略はあり得ないという認識はあるものの、日本からは中国の状況がわからず不透明でした。そこで、現地でリアルな情報を得られるよう中国事業部を立ち上げ、再生支援企業の中国への進出や撤退案件に関わることになりました。

その後、2011年7月にはシンガポール拠点を開設し、2016年にはアジア市場のリサーチファームであるSPIRE Research and Consulting Pte Ltd.(スパイアリサーチアンドコンサルティング)を子会社化するプロジェクトの責任者を務めるなど、東南アジアを中心に活動拠点を広げました。そして、日米間・日欧間のM&Aの第一人者でもあるインベストメントバンカー、竹中征夫氏率いる「竹中パートナーズ」に出向し、米国に渡ってクロスボーダーM&Aに携わることになりました。2018年5月には、米国現地法人 YAMADA Consulting Group USA Inc.を立ち上げ、Managing Directorに就任、現在に至ります。

クロスボーダーM&Aは、中堅・中小企業にも波及する

活況だった海外の動きに、コロナ騒動で急ブレーキがかかりました。現地法人や支店など7つの海外拠点も、一時的にロックダウンで身動きが取れない時期がありました。コロナ禍に今後を見据えて、自社の経営戦略を見直す企業も少なくないでしょう。とはいえ、多くの企業の成長戦略に海外進出は欠かせないファクターであり、動きは緩やかでも計画が止まるケースはほとんどないとみています。

今は、大企業を中心に進んでいるクロスボーダーM&Aですが、今後は中堅・中小企業でも始まるでしょう。山田コンサルは、海外に現地法人を持つ数少ない日本のコンサルティングファームです。現地法人を持つのはコスト的な負担が少なくないのですが、その分、現地でビジネスができ、自分たちが必要とする情報を直接得られるため、お客様へのサポートを手厚くできるという大きなメリットがあります。現地法人がキャッチした情報は、すぐに本社と共有されます。私自身、米国に赴任した経験からも、現地で情報を得る重要性は強く感じてきました。情報の価値は鮮度と確度(信頼性)から成り立っていると思います。情報と経験を蓄積していくことで、企業が「海外に出たい」と思った時に、最善を尽くせるパートナーでありたいと強く意識しています。

コンサルに必要なのは、カッコつけないこと、正直であること

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様々な舞台で経験を積ませてもらって思うのは、コンサルに必要なのは「正直さ」だということ。相手との知識差によっては、噓や虚勢でごまかそうと思えばできる世界です。カッコつけずに正直であり続けるには、結果にこだわり、地味でも必要性の高いことをしっかりやりきる、あきらめずにやりきることです。私が先輩の背中を見て学んできたことが、後輩にも伝わっていくことを願っています。

企業再生からスタートして、事業承継や戦略的M&Aに関する様々なソリューションを確立し、いち早く海外に現地法人を置くなど、他のコンサルファームとはちょっと違う動き方をするのが、山田コンサルの特長かもしれません。派手にPRすることはありませんが、地に足のついたコンサル実績で、まじめにコツコツ、地力をつけながら成長しているところが、クライアントから大きな信頼を得る山田コンサルの良さだと思っています。

(2020年10月 インタビュー)

執行役員 海外事業本部長

船山竜典

船山 竜典  (ふなやま りょうすけ)

船山 竜典  (ふなやま りょうすけ)

執行役員 海外事業本部長

早稲田大学法学部卒業後、2006年に山田ビジネスコンサルティング株式会社(現・山田コンサルティンググループ株式会社 以下、山田コンサル)に入社し、戦略策定・M&A・海外進出・PMI・事業承継・IPO・HRM・マーケティング・セールスチーム改革など様々なコンサルティングに従事。2008年、キャピタルソリューション株式会社設立にあたり、プライベートエクイティファンドを立ち上げ、運営責任者を務める。経営コンサルティング事業本部では、中国への進出・撤退案件に従事。後に山田コンサルの子会社となるSPIREの買収プロジェクトの責任者となり、アジア進出支援の役務に注力する。その後、米国に本拠を置く、M&Aのプロフェッショナルファーム「竹中パートナーズ」に出向。2018年には、米国現地法人YAMADA Consulting Group USA Inc. を設立し、現地法人役員ならびにManaging Directorに就任(現任)するなど、クライアントの海外戦略を支援する。

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