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インタビュー

設計から実装まで一気通貫の
コーポレートガバナンス支援。
“企業のあるべき姿”を共に追求

上場企業で近年更に関心が高まっているコーポレート・ガバナンス(CG)をテーマに、幅広いサービスを展開する山田コンサル。入社以来、数多くの企業の案件に携わってきた石野猛士が、山田コンサルの目指すCGコンサルティングを語る。

「役員報酬制度の設計」から「同意なき買収」まで幅広く支援

ishinoコーポレートガバナンス(以下CG)コンサルティングとは、企業が持続的成長や中長期的な企業価値向上のために、株主をはじめとするステークホルダーの視点も踏まえながら、“企業のあるべき姿”を追求する際の伴走者の役割だと考えています。ここで「追求」という言葉を使ったのはCGの在り方は各社各様のはずで、自分たちにもっとも合うものを愚直に求め続けるものだからです。

山田コンサルでは2006年からCGコンサルティングを行っています。役職員向けストックオプションの公正価値算定を皮切りに、役員報酬制度全体の設計支援、サクセッションプランの策定支援、取締役会の実効性評価などに対応メニューを広げていきました。近年は同意なき買収、サステナビリティ経営、アクティビスト対応、事業ポートフォリオ管理、東証の資本コストや株価を意識した経営など、お客様からのご要望にお応えする形でメニューを拡充させています。

ステークホルダーといっても株主、経営陣、従業員、顧客、仕入先、債権者、公的機関と様々です。また、CGという大きいテーマを扱っている以上、サービス内容も幅広くなるわけですが、山田コンサルはとりわけ上場企業のCGに注力しており、東証のCGコードで触れられていることを支援領域の中心に据えています。

‟オール山田コンサル”でお客様と向き合うのが強み

山田コンサルにはCGコンサルティング専業の部門はなく、プロジェクトに合わせて各部署から最適なメンバーが結集しチームを組んで案件に臨みます。当社には様々なバックボーンを持つコンサルタントが多数在籍しており、経験・知見や得意とするテーマもバラエティに富んでいます。得意領域を活かしながらプロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャー、そして京セラ・AGC・日産自動車・オリンパス・旭化成などの事業会社出身の経験豊富な元経営者、案件をしっかり支える成長意欲の高い若手コンサルタントなど、案件に合わせてチームを編成することで、どんなお悩みにも柔軟に対応できるのが当社の強みでしょう。

ishino私たちが大切にしているのは、CGに関する設計から実装まで一気通貫で対応することです。お客様のニーズは「何をすべきか半歩先を照らして一緒に考えてほしい(≒設計)」「考えたことを現実に落とし込むために実務をサポートしてほしい(≒実装)」の2つに集約されます。実際、お客様のCG担当部署は経営企画部門であることが多いのですが、極めて多忙、かつ守備範囲が広過ぎるために何をすべきか頭の整理が追いついていない、対応するスタッフやスキルが足りない、という理由で我々を必要としてくださっていると感じています。

ここで、スタンダード市場上場のあるサービス業A社の事例をご紹介します。はじめは中期経営計画と上場維持に向けた適合計画の策定支援でお付き合いが始まり、お話を進めるうちに役員の報酬制度の見直しのニーズが発生。それならば事業ポートフォリオ管理もセットで考えるべきだと提案して、上場企業の報酬体系に詳しいチームと協力しながら新しい制度を一緒に作り上げました。その後、次世代の役員候補たる幹部の育成について相談をいただき、今度は組織人事や研修を得意とするチームのメンバーが中心となって幹部候補の研修の講師やファシリテーターをしています。このように計画の策定という設計に加え、幹部候補の研修という実装まで、様々な形でご支援をしているのです。

1つの案件をきっかけにお客様企業と長期にわたる関係を構築できているのは、専門性をもったメンバーが多数在籍しワンチームで対応しているからです。別のプライム市場上場の製造業B社の事例ですが、サステナビリティ開示と創業家持分対応を含む資本政策の2つのテーマでの提案コンペがありました。我々はテーマ別の2チームではなく、適切なトップコンサルを揃えたワンチームで対応する提案をしたところ、「ワンチームで対応するのは山田コンサルだけでした」と評価をいただき受注に至ったことがあります。お客様はワンストップの方が何かと有難い、便利だという当たり前の発想です。

CGコンサルティングを通じて誰よりもお客様企業を知ることで、お客様に合わせたテーラーメイド型のコンサルティングを提供する。それが次にお悩みが出た場合に、まず山田コンサルに相談しよう、というお声がけにつながります。リピート率が高いのも当社の大きな特徴です。そのために部門間・組織間の壁が低いというよりも、まったく無いのが、山田コンサルの良さだとも思っています。

企業とステークホルダーのより良い関係構築を支援

ishino企業は株主のためだけにあるのではなく、様々なステークホルダーの存在があってこそ、事業を継続することができます。「株主か従業員か」という二者択一を迫るような人もいますが、「株主も従業員も」の黄金比率を追求することが経営の本質。企業とステークホルダーのより良い関係を構築するのがCGだと考えています。また、CGといえばコンプライアンスの話になりがちですが、本来は企業統治全般のことを指します。“企業のあるべき姿”を方向づけ、管理するための基本的な考えやルール、プロセスなどを決めることもCGの範囲に含まれています。山田コンサルでは、そんな“企業のあるべき姿”を形づくるお手伝いをしたいと思っています。

また、我々は中長期的な企業価値、換言すれば将来キャッシュフロー(CF)の極大化の観点を重視しています。仮に従業員の給与を減らせば瞬間的には利益が改善するかもしれませんが、優秀な人材は獲得しづらくなり、中長期的に競争力を失う可能性もあるでしょう。多くの給与を払える状態を作った上でPLやCFを良くするほうが生産性は高くなりますし、企業価値も上がっていく。お客様には、そんな組織になってほしいと考えています。

ご参考までに、前段でご紹介したサービス業A社の役員報酬制度の見直しの例について説明します。 A社は純粋持株会社体制で、資本効率、すなわち求められる資本コストが異なるそれぞれの事業子会社の特性に応じて目標とするROEの水準と純利益の額を設定しました。事業子会社がすべて同じROE目標という「平等」ではなく、資本収益性に合わせた「公平」な制度を設計したことがポイントです。そして、それらの目標を超えた場合に、事業子会社の役職員に特別賞与が支給される形としました。持株会社の役職員は連結ベースで目標をクリアできた場合に特別賞与が支給されます。こうすることで、全社にバランスシートの効率的活用の意識が芽生えるようになりました。その他に監督と執行の役割分担の整理、評価のプロセス設計、持株会社と事業子会社の経営管理料の在り方など、その時に必要だと思ったことはすべてお客様と真剣に協議し、詰めていきました。“企業のあるべき姿”に焦点を合わせることが私たちのCGコンサルティングの本質。泥臭いかもしれませんが、お客様に伴走し課題解決に向け考え抜くのが山田コンサルのスピリットだと考えています。

ただし、CGの主役はあくまでもお客様であり、私たちは触媒にすぎません。もちろんよりよい姿を一緒に考えますが、お客様が「自ら決めた」と思えることが何よりも重要です。納得のいく結論を目指して私たちは壁打ちの相手になり、お客様の気づきに合わせて実装までのスピードと確度を高めていきます。

CGで悩んだら“山田コンサル”を想起していただける存在へ

ishino現在、CGを取り巻く環境として大きく3つの変化を感じています。1つは、指名・報酬委員会関連。役員報酬の内訳を見ると固定報酬の割合は下がる傾向にあり、株主と目線を合わせた報酬体系が求められてきています。サクセッションプランについてもよくご相談を受けます。2つ目は開示関連です。新たなサステナビリティ開示基準(SSBJ)では、サステナビリティに関連するリスクと機会をどう捉えるか示さなくてはなりません。その際、全体最適のために東証が要請する資本コスト経営とも十分に整合性のとれた一気通貫のストーリーで開示すべきと考えています。3つ目は同意なき買収やアクティビストへの対応です。2023年8月に「企業買収における行動指針」が策定され、実際に同意なき買収の成功事例も出てきました。また、アクティビストの活動も益々活発になってきています。これら3つは最近の旬なテーマですが、世の中は移ろいやすいものです。私たちは環境の変化を敏感に察知し、試行錯誤を繰り返しながら、お客様が求めることを徹底的に考え抜いた上でご提案します。

目指しているのは、CG関係で悩んだら我々をすぐさま思い出していただけるような存在になることです。企業が全体最適に向かい、組織が機能している状態になるよう貢献するCGコンサルティングを提供したい。ひいては、お客様を知り尽くし、「いつも横にいてほしい」と言われるパートナーになることが理想の姿です。

(2024年7月 インタビュー)

当社のコーポレート・ガバナンスコンサルティングサービス >

経営コンサルティング事業本部 専任部長

石野 猛士(いしの たけし)

石野 猛士(いしの たけし)

石野 猛士(いしの たけし)

経営コンサルティング事業本部 専任部長

1990年に慶応義塾大学商学部を卒業後、野村證券株式会社を経て2019年8月に独立・起業し、同族企業向けコンサルティングに従事。2020年9月に山田コンサルティンググループに入社後は、上場企業を中心にM&A、サステナビリティ経営、中期経営計画策定、事業ポートフォリオ管理、資本/株主政策などさまざまな支援を実施。「CFOの片腕」をコンセプトに、CEOやCFOに必要とされる存在を目指して役務を提供している。

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