山田コンサルが「持続的成長コンサルティングサービス」と呼ぶ、総合的なコンサルティングに力を注ぐ山口大樹。目まぐるしく変わるビジネス環境のなかで、クライアントの成長戦略策定を支援し、クライアントとともに実行する部隊を率いる立場から、山田コンサルならではの特徴あるコンサルティングスタイルと強みについて語る。
経営コンサルティングは、企業が抱えるマネジメントやビジネス上の課題を解決するとともに、健全な体質で事業が成長するようさまざまな支援を行います。当社の「持続的成長コンサルティングサービス」とは、企業の持続的成長に資するコンサルティングを総称したものです。経営戦略の策定から業務プロセスの改善、人事制度の再構築など、上流から下流に至るあらゆる経営課題の解決を、一貫して支援します。上場企業からスタートアップのベンチャー企業まで、企業規模やステージによらず柔軟に対応。各分野の専門コンサルタントがチームアップして行う幅広い経営支援と、他の大手コンサル会社ではなかなか行き届かない現場での実行支援を、高く評価いただいています。
元々中堅・中小企業に強い山田コンサルにおいて、上場企業との取引を拡大していくきっかけは、私自身の出向経験があります。リーマンショックや東日本大震災により大企業の再生案件が増えていた2011年、大手証券会社に出向し、上場企業の再生案件プロジェクトに加わりました。プロジェクトでは、銀行や法律事務所、会計事務所、コンサル会社など複数の組織が、役割に応じて関わります。多数の関与者を統括して、プロジェクトを仕切るのが証券会社、すなわち私の役割でした。それまで行ってきた主に地方の中堅・中小企業のオーナー社長とがっぷり四つに組むようなやり方とはまったく違い、大きな刺激を受けました。
この経験を山田コンサルでも活かしたい、また組織的な経営を行う上場企業に対し我々にしかできない価値を提供したいと考え、帰任後の2012年に、今の事業部の母体となる組織を立ち上げました。大型プロジェクトは、役割を明確にした分業制が基本です。ここに当社が得意とする現場での実行支援を組み合わせるなどして、山田コンサル流の上場企業向けコンサルを模索していきました。
私たちの仕事は、激変するビジネス環境に立ち向かうクライアントの経営戦略を支援することです。事業領域の拡大(M&Aや新規ビジネス開発)や事業エリアの拡大(特に海外進出)、そのための組織再編や管理体制、人事を含めた社内制度の整備、効率化に関する取り組みなど、支援する領域は経営全般にわたります。その幅広い領域に対し、上流である戦略のアドバイスから、個別施策の実行支援という下流まで伴走します。
全体的な課題もあれば、部分的な課題もあります。まずは課題やニーズを明らかにし、最適なチームを構成。具体的な方針が決まれば、実行を可能にする経験豊富で専門性の高いメンバーをアサインして、解決に導きます。さらには課題解決後のビジョン、企業の成長戦略の策定も私たちの仕事です。
目指すのは、山田コンサルの総合力を存分にご利用いただくこと。そして、長いお付き合いのなかで信頼関係を深めながら、お互いが持続的成長を遂げることです。当社には幅広い分野において各々専門家が在籍しており、お客様に何らかのお困りごとが生じた際には、必ず適切なソリューションを提供します。経営課題に関して最初に相談できる「かかりつけ医」的な立ち位置として、「山田コンサルは身近にいてほしい」と望まれる存在でありたいと思っています。
上場企業の場合、ときとして経営層と現場の距離間や熱量の違いが、課題解決の壁となるケースがあります。経営層の決定をどうやってスピーディに現場に浸透させ、実行して成果を出していくかは、変化の激しい時代だからこそますます重要になるでしょう。私は、「現場と戦友になる」のが、山田コンサルらしさだと考えています。徹底した現場主義を貫き、計画実行のため現場でクライアントとともに汗を流せるのは、当社が中堅・中小企業を支援する中で育んだ企業文化かもしれません。実際の現場において、単なる形式的な実行支援ではなく、実行部隊を直接支援するため、プロジェクト完遂に向かって本音で語り合える関係になり、その結果として目標達成時には現場の皆さまと「戦友」になっています。
クライアントの現場に入って実行支援することは、難易度も高く手間がかかることです。これを愚直に手掛けられるコンサル会社は多くありません。山田コンサルは、その企業にとってベストな「持続的成長」を見据え、組織に入り込んでじっくりと長くお付き合いしていきます。「そこまでやるの?」と思われるくらい、徹底してお客様に寄り添います。急がば回れ。他社にはまねのできない実行支援で、経営層の方針を浸透させることが、結果的に豊かな実りをもたらすと考えています。
企業には、かつてないほど社会的な要請が増え、一般投資家が企業に求めるSDGsや環境・エネルギー問題、人的資本の開示などへの対応も急がれています。世界的な潮流ですが、こうした要求は年々ハードルが上がり、企業も今までの枠組みを超え、根源的な解決を図らなければ立ち行きません。特に日本では人口減少による人材不足、社員の採用や育成も、看過できない経営課題となっています。
支援する私たちにとっても、難易度が高くやりがいのある仕事が増えています。私たち自身が自らレベルアップを図り、走りながら学び続ける姿勢を持たないとなりません。中堅・中小企業の現場でたたき上げられて培った、山田コンサルらしい現場感覚とコミュニケーション力は、上場企業との仕事でも発揮されています。そして、上場企業のように統制が取れた組織との仕事で得られる知見は、中堅・中小企業にも適用できる有効なノウハウになります。知見を循環させてノウハウを蓄積し、ステージの異なるお客様それぞれに最適な、より良い支援を提供する仕組みを築いていることが、山田コンサルの強みといえるでしょう。
私たち組織も、持続的な成長を目指しています。今後は、総合コンサルファームである山田コンサルらしい、お客様の課題に寄り添うオリジナルメソッドを開発することが目標です。また、現在は都市部中心に提供しているコンサルメニューを全国で同じように展開できる体制を整えること、製造技術に詳しいコンサルタントを擁する強みを訴求し、より多くの製造業のお客様のお役に立つことを目標に掲げています。
企業規模に関わらず、経営者は孤独のなかで思い悩まれることが多いと思います。誰にも相談できずに困っていることを私たちと雑談し、そこから解決の絵が見え始めることがあります。私たちは経営者の悩みや描く未来にじっくりと耳を傾け、一緒に課題に向き合い、専門家チームと最適なソリューションを検討し、現場に入ってともに課題解決というゴールに向けてやり遂げます。どんな不調に対しても、まずは相談できる「会社のかかりつけ医」として、山田コンサルを存分に利用していただけることを目指しています。
(2023年9月 インタビュー)
執行役員 経営コンサルティング事業本部 総合コンサルティング事業部長
山口 大樹
山口 大樹(やまぐち ひろき)
執行役員 経営コンサルティング事業本部 総合コンサルティング事業部長
2004年、早稲田大学商学部卒業後、山田ビジネスコンサルティング株式会社(現・山田コンサルティンググループ株式会社 以下、山田コンサル)に入社。地方の中堅流通・小売企業を中心に、事業戦略策定、事業承継、M&A、企業再生案件に従事する。2011年5月~2012年7月まで、大手証券会社の上場企業向けアドバイザリー業務を担当する部署に出向し、上場企業のM&A、ファイナンスおよび法的整理案件に関与。帰任後は、山田コンサル内で上場企業向けコンサルティングサービスの開発に注力し、上場企業向け経営戦略策定、新規ビジネス開発、企業再生、M&AおよびPMI案件を多数手掛ける。