Manual 事業承継での後継者選びのポイントとは?

事業承継での後継者選びのポイントとは?

後継者選びは、事業承継の成否を決める重要な要素です。
オーナー経営者は自分の子供に承継を望む場合が多いですが、親族以外の後継者も候補として検討できます。
そこで、後継者を選ぶ際の指針となる資質の問題や後継者選びのポイントについてご説明します。
 

◆事業承継での後継者選びのポイントとは?

後継者選びは、事業承継を成功させるか否かの分かれ道になる重要な要素です。
創業オーナーの多くは、会社の財産権(株式)と経営権をいっしょに自分の子供に承継することを望んでいると思われますが、「跡取りは子供が当たり前」などと安易に決めるのではなく、その後の企業や事業が存続するために最良の選択をするようにしてください。
親族だけでなく、親族以外の後継者も候補として検討できます。そこで、後継者を選ぶ際の指針となる資質の問題や、後継者の選択肢についてご説明します。
 

◆事業承継の3つのパターン

事業承継において、後継者の選択肢は以下の3つのパターンに大別できます。それぞれのメリットとデメリットについて整理しておきましょう。
 

□親族への事業承継

親族といった場合、子供だけでなく、配偶者、兄弟姉妹、叔父・叔母、いとこ、甥・姪なども含まれます。
事業承継の後継者も、数十年前まではほとんどが親族でした。現在では減少傾向にあるものの、いまだに7割弱は、配偶者、子供、親族への事業承継が行われています(2016年2月29日、帝国データバンク調べ)。
 

<メリット>

親族への事業承継は、昔から多く行われている方法ですから、従業員や取引先からの理解が得やすいというメリットがあります。また、株式などが分散してしまうリスクを減らし、計画的に事業承継を進めていくのにも適しています。個人名義の資産や負債などについても承継がしやすい方法といえるでしょう。
一般的には贈与や相続、場合によっては譲渡によって、事業を承継します。相続税対策としては、少しずつ贈与して相続財産を減らしていくか、相続時精算課税制度を活用して株価の低いときにまとめて贈与する、あるいは承継者に資金負担をさせないために株式譲渡するなどの方法があります。
 

<デメリット>

承継財産が多く高額なほど、多額の納税資金や買取り資金が必要となり、その資金調達をどうするのかという問題があります。
また、後継者がいない、いたとしても能力不足や税金負担などの理由で継げないという後継者不足の問題があります。
その一方、後継者になりたいと希望する親族が複数いた場合、親族間での争いの火種になってしまうおそれがあります。
また、親族であるという理由だけで後継者を選定すると、経営者としての能力に欠ける人物が後継者になってしまうこともあります。
 

□従業員等への事業承継(MBOなど)

会社に長く勤めていた従業員や役員など、社内の人間の中から後継者を選ぶ方法です。
 

<メリット>

実力を見極めやすく、事業に精通した人物を後継者にできます。また、「従業員の中から後継者が選ばれるかもしれない」という状況は、従業員のモチベーションをアップさせるのにも役立つでしょう。
 

<デメリット>

社内で後継者争いが起こってしまったり、「なぜAさんではなくBさんなんだ」という不満を抱く従業員が出てしまったりするおそれがあります。
それに加えて、後継者が「債務や個人保証などを引き受けたくない」と考える可能性もあるでしょう。ま
た、多くの場合、従業員は会社の株式を購入する資金力を持っていないため、投資ファンドの出資を仰いでMBO(マネジメント・バイアウト)するなど、何らかの対策が必要です。
 

□第三者への事業承継(M&A)

第三者への事業承継(M&A)というと、「身売り」など、ネガティブなイメージを抱く経営者もいるかもしれませんが、第三者に事業を承継するM&Aは、近年、非常に注目されている方法です。
非上場企業では、売り手側のオーナー経営者が自分の会社をなんとか存続させ、できるだけ良い条件で別法人に承継してもらいたいと考えます。
一方、買い手側の法人では、非常に時間とコストがかかる用地の取得、人材の獲得と育成、顧客・ノウハウの獲得が、一度に達成できます。
中小企業庁でも「事業引継ぎ支援センター」がM&Aの相談業務を行うなど、積極的に推進・サポートを行っています。
 

<メリット>

オーナー経営者が、事業を売却して利益を得られるというのが大きなメリットです。
また、後継者不足の昨今では、経営状態が良好であるにもかかわらず、適切な後継者が見つからずに会社をつぶしてしまうといったリスクもありますが、そうした事態を回避できます。
また、従業員の雇用継続も見込めるため、経営者・従業員ともにメリットがある方法といえるでしょう。
 

<デメリット>

オーナー経営者側が希望する条件で事業を承継してくれる相手が必ずしも見つかるとは限りません。
また、一部の事業や不採算事業を整理する、特定の事業のみを承継するというケースもあります。
そのため、マッチングサービスを利用したり、外部のコンサルタントに依頼したりして、広く働きかけを行う必要があります。
 

◆後継者は親族だけでなく、従業員や第三者も検討

このように、事業承継の後継者というのは、必ずしも親族に限ったものではありません。
昔から代々続けてきた事業である場合や、経営者が高齢である場合は、「親族の中から後継者を探したい」と考える方も多いでしょう。
しかし、親族への事業承継に固執することで会社が傾くようなことがあっては、本末転倒です。
また、「どうしても後継者が見つからない場合、会社の事業や従業員はどうなるのか」ということについても考えておく必要があります。
 

親族外から後継者を選ぶことや、M&Aを利用して第三者に会社や事業を譲渡することは、決してデメリットばかりが大きいということではありません。
どの方法にも、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
そのため、後継者を選ぶ際は、事業の現状や後継者候補の能力・意思などを見定めて、広く検討する必要があるのです。
最初から選択肢を狭めてしまうのではなく、自社にとって最もメリットの大きい方法を選ぶようにしましょう。
 

◆後継者に必要な3つの能力とは

事業を承継する後継者には、次の3つの能力が必要です。もし、「後継者に足りないものがある」と感じたら、事業承継を行う前に教育を行うようにしてください。
 

□実務能力

実際の仕事をこなす実務能力です。営業力や提案力、事務能力などが挙げられるでしょう。
こうした実務能力の中には、事業内容に関する知識やノウハウも含まれます。
実務能力を高めるためには、自社内の複数の部署で業務を経験させたり、実務能力の高い経験者から教育を受けたりするのが効果的です。
 

□経営能力

会社の経営に関する手腕も必要となります。時代の流れを見極めて新規事業を立ち上げるといったことだけでなく、会社のキャッシュフローを読み解く力や、資金繰りを行う力なども経営能力に含まれます。
実務能力には優れていても、経営能力が不足していては経営者として失格です。事前に後継者の能力を把握し、状況に応じて外部の教育機関などで経営に関する知識を学んでもらいましょう。
 

□リーダーシップ

経営者にとって、従業員や取引先の気持ちを引き付けるリーダーシップは、なくてはならないものです。
リーダーシップは、後天的に身に付けるのが難しいものでもあります。人望の厚い人材を後継者に選びましょう。
 

◆後継者選びには税理士やコンサルタントを活用する

事業承継は、あくまでも冷静に、現在の企業の状況や将来の展望を見極めた上で検討する必要があります。
そのためには、利害関係が密接に絡んでくる経営者の親族や従業員といった周囲の人たちだけでなく、第三者的な相談機関や税理士、コンサルタントを利用して、客観的な意見を取り入れるのが効果的です。
このような相談機関は複数ありますが、3つの事業承継パターンすべてにおいて、経験豊富な相談相手を選ぶことが大切です。
そうすることで、より公平性が高く、企業にとってメリットの大きい事業承継の方法を提案してもらえる可能性があります。
 
事業承継の相談は信頼関係が大切ですから、まずは面談などを行って相性を確認し、事業の行く末を左右する相談を任せても大丈夫かどうかを見極めるようにしてください。

 
⇒事業承継の悩みと解決法
 
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⇛事業承継とは | 事業承継税制から後継者教育まで
 
⇒M&Aとは?企業買収の方法と必須となる基礎知識
 
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