Manual 事業承継の悩みと解決法

事業承継の悩みと解決法

経営者にとって、事業を行っていく上で常につきまとうのが、さまざまな「悩み」です。
資金繰りや営業先について、人材の採用や教育、法令の遵守、業界の動向など、日々悩みが尽きないという経営者も多いと思います。そうした中でも事業承継は、最後の重大な悩みとなるでしょう。
自分が引退した後、事業をどうなるのかは、多くの経営者の悩みの種となっています。
 
悩みの渦中にあるときは、「先が見えない」「自分だけがつらい」と感じるかもしれませんが、このような悩みを持っている高齢の経営者は多いものです。
そこで、事業承継を考えている経営者によくある悩みとその解決策をご紹介します。
一人で抱え込まずに、まずは現状の問題を見つめ直してみましょう。
 

◆悩み1 事業承継のスケジュールがわからない

いつ、誰に事業承継を行うかは、大きな問題です。
事業承継をスムーズに進めるためには、計画的に準備をしておかなければなりません。
ところが、実際の事業の現場では、経営者の仕事は多岐にわたるため、なかなか事業承継に手をつけられないこともあるでしょう。
「いつかやらなければ」とは思っていても、事業承継は通常業務のように納期が決まっているものではありません。
ついつい先延ばしにしてしまい、「かなりの高齢になっているのに後継者が決まらない」ということにならないよう、注意しましょう。
 

□事業承継に必要な期間は?

事業承継にかかる期間は、後継者を誰にするのか、事業の状況はどうなのかといったことによって異なります。
しかし、一般的には、5年から10年程度の期間が必要だといわれています。
この間に、後継者の教育や株式の段階的な譲渡、従業員や取引先への周知などを行っていきます。
 

□準備はいつからすればいい?

独立行政法人中小企業基盤整備機構の「事業承継実態調査」(2011年3月)によると、「後継者の育成に必要な期間」として「5~10年」という答えが29.4%と最多になっています。
また、「約5年」と答えた方も24.8%で、合計すると半数以上が、後継者教育に5年から10年かかると考えていることになります。
このデータから、事業承継には5年から10年程度の期間が必要といえるでしょう。
 

事業承継の準備には、「早すぎる」ということはありません。
5年から10年という長いあいだには、思わぬトラブルが起こる可能性もあるでしょう。
何が起こっても承継を進めていけるよう、綿密な準備を行うことが大切です。
 

□何から手をつければいい?

事業承継を行うためには、まず現状の把握と、今後の予定を立てることが必要です。
そのために、事業承継を行う上での大切な指針となる「事業承継計画表」を作成します。
「誰が事業を承継するのか」「いつ承継するのか」という基本的なことから、事業の現状や将来性、具体的な事業承継の方法まで、事業承継に関するガイドラインを明記するのが「事業承継計画表」です。
 

事業承継計画書を作成することで、事業の現状を正しく把握するとともに、いつ何をしなければならないのかを明確にすることができます。
中小企業庁のウェブサイトからダウンロードできる「事業承継ガイドライン」には、事業承継自己診断チェックシートや事業承継計画書のテンプレートも掲載されていますので、利用してみるといいでしょう。
 

◆悩み2 後継者問題

事業承継にあたっては、「そもそも後継者を誰にするのか」が大きな問題となります。
「子供が事業を継ぐつもりで、それに見合った能力もある」というときは、今すぐにでも具体的な事業承継計画を練ることができるでしょう。
しかし、さまざまな問題によって、後継者選びや後継者の教育に悩みを抱える経営者も多くいます。
 

□子供や親族が後継者になりたくない場合は?

「子供や親族が事業を継ぎたがらない」という場合は、従業員や第三者に事業を譲渡することも検討できます。
しかし、その前になぜ「事業を継ぎたくない」と考えるのか、その理由について考えることも大切です。
「親族」には子供をはじめ、配偶者、兄弟姉妹、叔父・叔母、いとこ、甥・姪なども含まれます。
全員が事業を継ぎたくないというのであれば、それぞれの理由を確認してみることで、後継者を誰にすべきかという道筋が見えてくるかもしれません。
 

もし、事業を継ぎたくないと考える理由が企業の経営状態にある場合は、経営を見直して業績を好転させることで事業を継ぐ気持ちが生まれる可能性もあります。
また、継ぎたいという気持ちはあったとしても、相続税・贈与税による納税負担が多すぎたり、自社株式を買い取るだけの資産がなかったりということであれば、相続税対策や納税資金対策、株式移転対策など検討するべきでしょう。
 

□後継者はいるが頼りない

後継者の問題には、「誰を後継者にするか」だけでなく、「どのように後継者を育てていくか」ということもあります。
経営者として必要な能力を見極め、後継者に足りないものを補う教育を行わなければいけません。
会社の事業を一通り経験させるにも、時間がかかります。
そうした経営者としての教育についても、計画が必要になってきます。
 

また、子供の側にも職業選択の自由があり、会社を継ぎたくないということもあるでしょう。
そうした場合は、株式は子供が相続し、経営権は親族以外の経営者(従業員や第三者等)に任せるという事業承継も可能です。
 

□後継者がいない

後継者がいない場合に、多くの経営者が選択してしまいがちなのが「廃業」です。
廃業した場合、それまで働いてきた従業員は仕事を失ってしまうことになります。
また、経営状況や廃業の仕方によっては、経営者が大きな負債を抱えることにもなりかねません。
 

廃業に関わるリスクを減らすためには、「会社を第三者に譲渡する」という方法があります。
最近では、中小企業でも事業承継M&Aを利用するケースが増えており、検討してみることをおすすめします。
 

◆悩み3 相談できる相手がいない

経営者の周囲には、家族や従業員など身近に多くの人たちがいるでしょう。
しかし、事業承継の相談ができる相手がいる経営者は、少ないともいわれています。
なぜなら、事業承継とは、経営者の財産の相続や贈与にも関係してくる大きな問題だからです。
家族や従業員に安易に相談してしまうと、思わぬトラブルになってしまう可能性があります。
 

□家族に相談する難しさ

一般的には、家族は一番身近な相談相手です。
しかし、事業承継でお金の話が絡むと、冷静な議論ができなくなる可能性があります。
さらに、親族間で秘密が守られないこともあるため、伝えたくない相手に情報がもれてしまったり、事実がねじ曲げられて伝わってしまったりすることもあるでしょう。
また、家族は経営や事業の内情についてはあまり詳しくない場合も多いため、相談をしたところで建設的な話し合いはできないかもしれません。
 

□従業員に相談する難しさ

経営に携わっている役員は、企業の内情や経営についても詳しいでしょう。
しかし、安易に従業員を後継者とする相談をしてしまうと、瞬く間に社内で噂が広まってしまう可能性があります。さらに、経営者が役員に対して事業承継の相談をするというのは、「弱みを見せている」ととられるおそれもあります。
そのため、リーダーシップが足りないと判断されるリスクもあるでしょう。
 

□事業承継には専門知識が必要

事業承継を行うには、税金対策など、さまざまな専門知識が必要となります。
このような専門的な問題は、経営者の家族や企業の従業員にはわからないことも多くあるでしょう。
「誰を後継者にするか」という問題と節税対策は、密接に関わっています。
多面的にメリットとデメリットを判断するためには、税金や法律について知識のある相手と相談する必要があります。
そのため、やはり、家族や従業員は相談相手として十分とはいえないかもしれません。
 

◆事業承継の悩みを解決するには

事業承継の悩みは、ほかにもたくさんあります。
また、一見同じ悩みのように見えても、それぞれの経営者が抱えている状況や細かい事情は異なるはずです。
事業承継の悩みを解決するためには、まず「解決策はある」ということを念頭に置くことが大切です。
しかし、その解決策を経営者自身が一人で見つけ出すことは困難です。
そこで、外部のコンサルタントの利用を検討しましょう。
 

事業承継のコンサルタントにも、さまざまな種類があります。
国が運営している事業引継ぎ支援センターをはじめ、事業承継に限らず税務全般の相談にのる税理士、さらに事業承継M&Aなど第三者への事業承継に特化したコンサルタントや、そのマッチングを行うコンサルタントなど、多くの候補の中から自社に最適なところを選ぶようにしてください。
 

ただし、事業承継についての相談をするのであれば、事業承継そのものに特化して、幅広い選択肢の中から最適な方法を提示してくれるコンサルタントがおすすめです。
事業承継M&Aの場合なら、交渉を有利に進めるためのノウハウを持ち、総合的に見てメリットの大きいコンサルタントを選びましょう。

 
⇒事業承継の悩みと解決法
 
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⇒平成30年度税制改正で納税猶予はどう変わる?
 
⇛事業承継とは | 事業承継税制から後継者教育まで
 
⇒M&Aとは?企業買収の方法と必須となる基礎知識
 
⇒会社の買収とは | 企業買収の意味と仕組み
 

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