お問い合わせ

M&Aの基礎知識 1. 中小企業におけるM&Aのポイント

中小企業によるM&Aの特徴としては、社長の個人資産との切り分けや買手企業探しの難しさが挙げられます。ここでは、中小企業がM&Aを活用するにあたって押さえておきたい、手続きの流れやアドバイザー選択のポイントなどを解説しています。 日本の人口は30年後には今より20%ほど少なくなることが推計され、国内人口の減少は、国内市場の縮小につながります。ところが、国内市場に依存している中小企業であるほど、将来の展望が描けていないのが現状です。この大きな経営課題の解決策の一つがM&Aによる事業承継です。 M&Aによって事業を存続させ、スポンサーの経営資源を利用することでさらなる成長を遂げることができれば、従業員にも取引先にもメリットがあります。また、経営者にとっても、個人保証から解放され、引退後の生活資金を得ることができる点が大きな魅力でしょう。 M&Aを検討するにあたっては、本当にM&Aという選択でいいのか、ほかに手段はないのかを十分に検討するプロセスが重要になります。その際に、中立的なアドバイスを受けることができる専門会社に相談することが望ましいでしょう。並行して、利害関係者の把握・調整、議決権の確保、売却価格の検討、協力者の選定も事前準備では欠かせません。 アドバイザー選定後のM&Aの流れは、買手候補へのアプローチ、秘密保持契約、詳細情報の公開、基本合意、デューデリジェンス(詳細調査)、条件交渉、最終契約、そして、代金の受け渡しで完了となります。ただし、事業の引き継ぎや実質的な経営はそこからスタートするため、M&A契約成立後の動きこそが、M&Aの成否の分かれ目であり、PMIと呼ばれる統合作業こそがM&Aの総仕上げです。

1-8. M&A成立後の統合作業(PMI)

 

M&A成立後の統合作業(PMI)とは

M&Aは、最終契約を締結して対価を受け取って終わりというわけではない。
事業の引き継ぎや実質的な経営は、クロージングしてからスタートするため、M&A契約成立後の動きこそが、M&A成否の分かれ目である。
そのため、PMIと呼ばれる統合作業こそが、M&Aの総仕上げといえる。
PMIには、企業文化や風土といったソフト面の統合作業(PMI)と、制度や仕組み、業務プロセスなどのハード面での統合作業(PMI)がある。

ソフト面の統合作業(PMI)とは

ソフトの面での統合作業(PMI)とは、人や企業文化の融合を指し、意識改革を促しつつ、お互いに受け入れる気持ちを持つように進めていくことである。お互いの会社の仕事の進め方や、企業文化などを尊重するといったこともPMIの一つである。
どの会社にも企業文化というものがあるが、いずれかの会社が自分のほうが上というような意識があると、PMIを進めることができないため、この企業文化の違いを乗り越える意識を持たなければならない。
また、買手企業が、同業種であったり、既存の取引先であったり、もともとお互いに知っている人同士のようなケースでは、お互いに取引先として付き合っているときと、M&A後に一緒にやっていくときとでは、感覚が異なってくる。
そのため、まずはトップがこの意識のズレを認識して、M&Aを本当の意味で成功させる気持ちを見せていくことが重要なPMIの一つである。

ハード面の統合作業(PMI)とは

ハード面の統合作業(PMI)とは、経理や総務、人事、システムなど、さまざまな分野での実務的な調整であり、決済の締日、支払日、決済方法、人事評価、使用するシステムなどを統一していくことである。
これらに関係する各部門は、M&A後の業務負担が大きくなることを、売手企業、買手企業の経営者ともに、理解しておかなければならない。
それぞれの企業の従業員は、日常業務をこなしつつ、新しい方法にも慣れることを同時進行で進めるため、当初はPMIの負担が大きくなる。
総務や経理、人事といった内勤スタッフは、日々の業務がある中で、さらに経営統合に関わる業務が発生するため、かなりのエネルギーが必要となる。
それだけに、トップの口から従業員へきちんとPMIの重要性について説明することが大事である。

統合プロセスにおけるPMI

統合プロセスにおけるPMIでは、買手企業スタッフが常駐して、現状を理解することが入り口となるため、M&A成立後、できれば買手企業から売手企業に数人常駐して、ビジネスの流れやスタッフの特徴などを把握し、ノウハウを共有していきたい。その後、各分野、部署で事務局や分科会、委員会などを設置して、買手企業、売手企業の現場のスタッフが現状を踏まえながら、意見交換するといった形でPMIを進めていく。
さらに、現場レベルで営業、業務、法務、財務、システムなどのさまざまな面から検証し、対策を取りまとめて、上部の機関で決定する。
このように、定期的に打ち合せをしながら、現場で発生した問題や課題、改善方法について整理し、分科会で意見交換をしてPMIを進めていくと、売手企業、買手企業それぞれのスタッフが、それまで当たり前に思っていたことが相手から見ると不合理に感じることもある。
それらを見直していくことで、お互いの理解も深まり、本当の意味でのM&Aの成立に近づいていく。
これがPMIの最終形である。
ただし、売手企業が未上場会社で、買手企業が上場会社の場合には、売手企業が買手企業のやり方やルールに合わせていくのが一般的である。

買手企業のスタッフも、売手企業の取引先との繋がりや、仕事の進め方などはその担当者でないとわからないことが多々ある。
双方のスタッフが緊密に連携して事業を成長させていくためにも、M&A後の対応策まで事前に検討しておけばPMIを円滑に進めることができる。

【統合作業(PMI)の進め方】

【統合作業(PMI)の進め方】

グラフを拡大

 
マンガでわかるM&Aの落とし穴10選
⇒『マンガでわかるM&Aの落とし穴10選』のPDF資料サンプルはこちら
 

無料 資料ダウンロード M&Aのノウハウが凝縮!! マンガでわかるM&Aの落とし穴 10選

M&A/事業継承マニュアル M&A/事業承継 基礎知識