基礎知識
更新日:2020/08/27
テーマ: 02.M&A
1. 中小企業におけるM&Aのポイント
中小企業によるM&Aの特徴としては、社長の個人資産との切り分けや買手企業探しの難しさが挙げられます。ここでは、中小企業がM&Aを活用するにあたって押さえておきたい、手続きの流れやアドバイザー選択のポイントなどを解説しています。 日本の人口は30年後には今より20%ほど少なくなることが推計され、国内人口の減少は、国内市場の縮小につながります。ところが、国内市場に依存している中小企業であるほど、将来の展望が描けていないのが現状です。この大きな経営課題の解決策の一つがM&Aによる事業承継です。 M&Aによって事業を存続させ、スポンサーの経営資源を利用することでさらなる成長を遂げることができれば、従業員にも取引先にもメリットがあります。また、経営者にとっても、個人保証から解放され、引退後の生活資金を得ることができる点が大きな魅力でしょう。 M&Aを検討するにあたっては、本当にM&Aという選択でいいのか、ほかに手段はないのかを十分に検討するプロセスが重要になります。その際に、中立的なアドバイスを受けることができる専門会社に相談することが望ましいでしょう。並行して、利害関係者の把握・調整、議決権の確保、売却価格の検討、協力者の選定も事前準備では欠かせません。 アドバイザー選定後のM&Aの流れは、買手候補へのアプローチ、秘密保持契約、詳細情報の公開、基本合意、デューデリジェンス(詳細調査)、条件交渉、最終契約、そして、代金の受け渡しで完了となります。ただし、事業の引き継ぎや実質的な経営はそこからスタートするため、M&A契約成立後の動きこそが、M&Aの成否の分かれ目であり、PMIと呼ばれる統合作業こそがM&Aの総仕上げです。
1-1. 中小企業の市場環境とM&Aによる事業承継
1-2. M&Aにおける手続きの流れ~相談、基本合意書、交渉、契約のポイント~
1-3. M&Aを円滑に進める5つのポイント
1-4. 中小企業M&Aにおける売却・買収価格の目安
1-5. 中小企業がM&Aを成立させるまでの流れ
1-6. M&Aアドバイザーの決め方
1-7. オーナー企業のM&Aにおける売手のメリット
1-8. M&A成立後の統合作業(PMI)