当社事例
2020/12/23
テーマ: 01.事業承継 02.M&A
後継者問題の解決と会社の成長のため同業者へ譲渡したM&A事例
X社 | A社 |
事業内容:食品製造業 | 事業内容:食品製造業 |
エリア:全国 | エリア:全国 |
売上規模:50億円~100億円 | 売上規模:200億円以上 |
当社の関わり方

背景・売手オーナー様の課題
X社のオーナーである社長は創業家の3代目であり、約20年前に先代から経営を引き継いだ。老舗企業であり、消費者ニーズを捉えた味付け等で高いブランド力と取引先である大手企業との強固な信頼関係により、業績は長年に渡って堅調であった。
そのような経営状況にあるにも関わらず、社長がM&Aを検討する理由は2つあった。
一つは、実質的に後継者が不在であったこと。社長は60代であったが体調を崩し、事業の承継を真剣に考えるようになった。社長にはご息女が1人いるが、会社には関与していなかった。親族内でも後継者となり得る人材を探したが、適任者が見当たらなかった。そのため、役員の中から後継者となり得る人材を擁立したが、金融機関からの借入金に対する個人保証が出来ず、親族内にも社内にも後継者はいなかった。
二つ目は、X社が地元でも業界内でも知名度の高い企業であり、社名を残し優良企業の傘下でX社を更に発展させたい、という思いである。業績は堅調であったが、売上高は近年横ばいであり、社長は、次の打ち手を考えていた。また、過去の設備投資をした際の金融機関からの借入金が重たく、支払利息だけでも高額であり成長の足かせになっていた。社長には、「優良企業の財務的な後ろ盾を得れば、X社はもっと成長できる」という確信があったのである。
上記2つの理由から、社長はM&Aを行うことを決断した。
M&Aの進め方&成約のポイント
買手候補選定の基本方針
- 買手に求める譲れない条件は、県外企業で資金力があり、事業シナジーが明確であること。
- 弊社が提案した買手候補先リストに基づき、社長と相談して、打診先を選定し、優先順位をつけて、1社ずつ順番にアプローチする。
A社を選定した理由
- 内部留保も厚く、資金力も潤沢である。
- 事業シナジーが明確であり、両社の更なる発展が期待出来た。
- 事業シナジーが明確であり、両社の更なる発展が期待出来た。
成約のポイント
- M&Aに対して社長が迷うことなく取り組んだ。
- X社の金融債務は重たいものの売上規模も大きく業績が堅調であった。
- 弊社を活用することで、資金力があり、事業シナジーも見込める優良な買手が迅速に紹介されたこと。
成果・効果
後継者問題の解決
- 経営者がA社から派遣され、社長は心置きなく引退することができた。
個人保証の解除
- 金融機関からの借入金に対しては、A社が保証する事となり、社長がしていた個人保証は解除された。
会社の更なる成長
- 既存の商材について、A社の販路への拡販が実現した。
- スケールメリットを活かし、原材料費を抑える事ができた。
- A社との人材交流により、社内の活性化が図られ、新商品開発にも繋がった。