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更新日:2020/01/09
テーマ: 03.海外ビジネス
タイの牛乳・乳製品市場の現状とトレンド/前編
目次

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業界の現状
タイの酪農業の生産規模はASEAN域内で最大を誇り、生乳生産量は100万トン以上(大部分は乳牛から)である。
タイ政府による生乳の生産性向上や乳牛の栄養適正化への支援によって、生乳生産量は徐々に増加しつつある。また生乳の市場価格の上昇も、酪農家の生産効率の改善を後押しし、生産量の増加につながっている。タイ農業経済局(OAE)によると、生乳生産量は2015年の118万トンから2018年には123万トンに増加した。さらに2019年には前年比8%増の133万トンに達すると予測されている。

業界の現状:輸出
ASEAN域内において、タイは生乳生産量が最大というだけでなく、牛乳・乳製品の主要輸出国でもある。
FTAが発効した1992年から2018年にかけて、タイの乳製品の輸出額は平均成長率13%で推移し大幅に拡大した。2018年のタイ乳製品輸出量の80%以上はASEAN域内向けであり、主な輸出先はカンボジア、フィリピン、シンガポールだった。

業界の現状:輸入
タイは牛乳・乳製品の主要輸出国である一方、国内生産量が不十分であることに加え、乳製品、パン、食品加工の事業者からの国内需要が増加していることから、毎年多くの乳製品、特に脱脂粉乳と全脂粉乳を輸入している。
2018年、タイの牛乳・乳製品の輸入額は約203億バーツだった。このうち主要輸入先のニュージーランドとオーストラリアが、タイの輸入牛乳・乳製品の全市場シェアの60%以上を占めている。

市場の現状とトレンド
タイでは、生乳のほとんどが牛乳に加工されている。牛乳以外では、粉ミルク、ヨーグルト、飲用ヨーグルト、コンデンスミルク、チーズ、バター、クリームに加工される。

市場の現状とトレンド:牛乳
タイ酪農推進機構(DPO)によると、牛乳はタイの乳製品市場における最大のセグメントである。2018年の市場規模は前年比わずか1%増の約400億バーツだった。種類別の内訳ではUHT牛乳が160億バーツと(約48%)が最大で、これに低温殺菌牛乳と高温殺菌牛乳が続いた。
タイの牛乳市場は商業と学校向けの2つに分類される。このうち約67%を商業市場が、残りを学校向け市場が占める。学校向け市場は、政府がタイの酪農家および酪農産業を支援し、牛乳の消費を促進するために開始したプログラムによって生まれた市場である。
UHT牛乳市場の主要ブランドは Thai Denmark と Foremost である。一方、低温殺菌牛乳については、CP-Meiji と Dutch Millが主要ブランドとして画期的な製品で市場をリードしている。

牛乳の市場トレンド
消費者行動の変化:
低温殺菌牛乳は、UHTより栄養価が高いと考えられていることから、タイの消費者の間で人気が高まっている。
豆乳、アーモンドミルク、シリアルミルクなどの植物ベースの製品の人気が高まっており、牛乳の需要に影響を与えている。このため企業は顧客ニーズに応えようと、乳糖を含まない牛乳などの新製品を発売している。

牛乳市場の成長余地:
乳製品乳業協会(DFIA)によると、タイの1人当たりの年間牛乳消費量は平均18リットルに過ぎない。これは週に2杯に相当し、世界平均のわずか6分の1である。タイの牛乳消費を拡大することができれば、大きな成長が期待できるため、タイ市場は投資者にとって魅力的なものとなっている。
ASEAN市場への輸出が増加:
ASEAN市場にビジネスチャンスがあるため、生産者はタイ国外での生産能力を拡大し、アジア各国、特にカンボジア、フィリピン、シンガポールへの乳製品輸出を拡大している。
レストラン、カフェ、コーヒーショップの人気:
タイでは、レストラン、カフェ、コーヒーショップの人気が高まっており、これが高温殺菌牛乳の需要拡大の重要な要因のひとつとなっている。
市場の現状とトレンド:粉ミルク

タイの粉ミルク市場は、ベビー用粉ミルクと大人用粉ミルクに分類される。粉ミルク市場全体の過半数を占めるベビー用の小売市場の規模は、2017年の294億バーツから2018年には302億バーツに成長した。
ベビー用粉ミルクの主要ブランドは、Dumex(34%)とNestléのBear Brand(23%)である。企業別でみると、製品ポートフォリオ内に複数ブランドを持つNestlé が最大手である。
大人用粉ミルクでトップシェアのブランドは、Anleneあり、他の主要ブランドとしてはEnfamama、Dumex、Anmum、S-26がある。
粉ミルク市場のトレンド
ベビー用粉ミルク市場の成長のカギはプレミアム製品:
タイでは、出生率が低下傾向にあることに加え、政府による母乳の推進および3歳までの子供向けの乳製品に対するマーケティングへの規制により、ベビー用粉ミルクの需要が減少している。一方で、ベビー用粉ミルクの金額ベースの市場規模は、プレミアム製品の需要増加を背景に拡大しており、ベビー用粉ミルク市場シェア全体の50%以上を占めている。
親のニーズを重視:
現在企業は親のニーズに焦点を当て、プロバイオティクス添加、乳糖不含、高栄養価製品など、子供の健康に配慮した製品を提供している。
大人用粉ミルクの消費は軟調:
すぐに飲める牛乳があるため、タイでは大人用粉ミルクには人気がない。すぐに飲めるものとして人気があるのは、Anleneの大人UHT牛乳やBear Brandの高温殺菌牛乳である。
(後編へ続く)
タイの牛乳・乳製品市場の現状とトレンド/後編
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