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2021/05/30

テーマ: 03.海外

植物肉市場 :タイとASEAN近隣国の「ミートレス」事情

植物由来の原材料を使用して、限りなく「肉」に寄せて作られた「植物肉」。この市場が世界的に拡大している。世界人口の増加や新興国の生活水準向上、さらには消費者の嗜好の変化がその主な原因だ。

タイにおいては、旺盛なビーガン需要により世界最速ペースで市場が拡大している。
本レポートでは、タイと日本を中心に市場分析やプレーヤー分析を行った。

目次

本レポート内の主な用語・概念
市場概況
成長要因と阻害要因
事業を取り巻く環境
ターゲット顧客分析
主要プレーヤー
市場における成功要因
参考

本サイトではレポートの一部を抜粋して掲載いたします。

レポート全体をご覧になりたい方は、末尾よりダウンロードいただくことが可能です。

本レポート内の主な用語・概念

  1. 植物肉とは、植物由来の原材料を使用して、味、食感、香り、見た目などあらゆる点で肉に似せて作られた製品のことである。植物由来肉、代替肉、フェイクミートなどと言われることもある。
  2. 仏教の精進料理の手法を用い植物性の食材を使って動物性の食材に似せて作る、いわゆる「もどき」の食品は本レポートの対象ではない。
  3. ハンバーガーパティ、ソーセージ、ひき肉、クランブル、ナゲット、さらには植物由来の成分を主原料とするエビや魚などシーフードの代替品として提供されるものもある。複数の代替たんぱく質を組み合わせて作られることが多い。
  4. 植物肉は主に2つのチャネルで販売される。
    -コンビニエンスストアや食料品店などの小売向け
    -ファストフードやレストランなど外食サービス向け
  5. セミ・ベジタリアンとは、基本的にはベジタリアンだが肉を食べることもある人を表す。

市場概況

APAC市場の年平均成長率は4.4%(2015年~2019年)

  • アジア太平洋地域(APAC)の2019年の植物肉市場の規模は世界最大 の153億ドル。2015年の129億ドルから年平均成長率4.36%で拡大した。
  • 中国の2019年の市場規模は96億ドルとAPAC内最大の63%を占め、 2015年の71億ドルから年平均成長率7.83%で成長した。
  • 調査会社Markets and Marketsによると、日本市場は2013年の1億3,800万ドルから2023年には3億800万ドルへと年平均成長率8.4%で拡大すると予想されている。

タイでは旺盛なビーガン*需要により、世界最速ペースで市場が拡大 * 最も厳格なベジタリアン

肉を食べない人の割合が多い

  • 毎年10月に9日間開催されるベジタリアン・フェスティバル中は、 仏教徒が多数派を占めることもあることからタイでは何百万もの人が、 動物性食品を控える。そうした人は増加傾向にあり、肉を食べない期間・頻度は長期化・低下傾向にある。
  • カシコンリサーチセンターによると景気減速にも関わらず バンコク都民は2019年のベジタリアン・フェスティバル中に前年比2.4%増の47.6億バーツを消費し、より多くのタイ人が「ミートレス」(肉を食べない)傾向を示した。

 

植物肉のオンライン小売の存在感の高まり

  • 国家統計局(NSO)によると肉を食べないタイ人の割合は2013年の4%から2017年には12%に増加した。
  • この結果Health Food ThailandやJfood Marketなど植物性の商品を重視するライフスタイルを送る人に向けサービスを提供するオンライン小売業者が増えている。

 

市場参加者が増加

  • タイは植物肉の純輸出国であり、2019年には前年比21%増 の510億バーツの貿易黒字を記録した。
  • 主な要因は国内の植物由来食品生産者の増加である。
  • 2019年の輸出上位3カ国は、米国 (14%)、中国 (14%)、日本 (6%)である。

日本では健康志向の消費者が増加

消費者の嗜好の変化

  • 日本のスタートアップで食文化に関わる事業を行うフレンバシーによると、多くの日本人がステイホームによる健康への影響を心配している。
  • 日本の人口に占めるベジタリアンの割合は約6%(700万人)に過ぎないものの、17%(2,000万人)は 「セミ・ベジタリアン」 であり植物肉に抵抗はない。
  • 日本の消費者、とりわけ健康志向の女性は、継続の重要性を認識しており、植物性たんぱく質に対しても前向きである。

 

植物肉製品の発売状況

  • 日本のビーガンレストランの数は過去2年間で400から約1,000に増加した。
  • モスバーガーは2020 年 3 月に、パティに大豆由来の原料を使ったMOS PLANT-BASED GREEN BURGER <グリーンバーガー>を東京などで先行発売。
  • コロワイド傘下のフレッシュネスバーガーは2020年8月に 、100%植物性由来の大豆パティを使ったTHE GOOD BURGER(ザ・グッドバーガー)を 全国で発売。
  • 無印良品は2020年10月に、大豆ミートシリーズ4種類を店舗とネットストアで発売。

 

日本における植物肉関連スタートアップの台頭

  • 2020年5月、大豆由来の植物肉原料を開発・製造するスタートアップDAIZは、生産体制の拡大などを目的に600万ドルのシリーズA資金を調達したと発表した。
  • ネクストミーツは、植物肉を使用した「NEXT焼肉」シリーズと「NEXT牛丼」を開発。
  • 市場へは、ニッポンハム、伊藤ハム、大塚食品、マルコメなど主要大手も参入している。
  • 製造能力の拡大により、日本から海外(中国や欧州など)への輸出が増加する可能性がある。

成長要因と阻害要因

成長要因:ビーガンの増加とコロナ禍による環境意識の高まり(タイ)

1.ビーガン人気の高まり

  • 調査会社のミンテルによると、タイの大都市圏の消費者の半数以上(53%)が肉の消費量を減らしたいと考えており、45%は野菜中心、ベジタリアン、またはビーガンの食事を目指している。
  • ニールセンの2019年の調査によると、タイの消費者は美味しく栄養価の高い野菜や穀物を使った食事を好む傾向にある。

 

2.豚肉価格上昇と環境意識の向上

  • アフリカ豚コレラによる国内産豚肉の需要の急拡大で、豚肉の価格が大幅に上昇している。
  • 環境に配慮した製品を選ぶ消費者が増えているため、従来の肉よりも生産過程での温室効果ガスの排出量が30〜90%少ない植物肉が好まれる傾向にある。

 

3.コロナ禍による消費者の変化

  • コロナ禍で消費者の習慣や行動が変わり、その結果消費者は「クリーン」なたんぱく源に対して前向きになっていると思われる。
  • さらに流通チャネルが変化し、食品購入にLineやGrabなどのオンラインプラットフォームが使われるようになっている。

阻害要因:肉中心の食事、価格に敏感な消費者、規制や認証機関の不在(タイ)

1.伝統的に肉が中心の食事

  • ビーガン人気の高まりにも関わらず、依然、タイ料理の主役は肉であり、メインディッシュの9割は肉料理である。
  • 植物肉の選択肢は限定的であり、レストランで注文した場合通常の肉より割高になる可能性がある。
    豚肉以外の代替肉に対する認知度は低い。

 

2.価格に敏感な消費者

  • 植物肉の価格が高過ぎる場合は、消費者が受け入れるまでにかなりの時間を要する可能性が高い。
  • Visaの2020年の調査結果ではタイの消費者の79%が健康にいいものより低価格のものを選ぶと答えており、 APAC内の他国と比べて価格を重視する傾向が極めて強い。

 

3.政府の規制や認証機関がない

  • タイの食品医薬品局(FDA)は現在のところ植物肉製造に関する食品安全性の規制を行っていない。
  • 中リスクレベルに分類される肉製品とは異なり、植物肉は、現在低リスクに分類されておりFDAへの食品登録は必要ない。
  • 世界的に、消費者は植物性食品メーカーにパッケージへの認証提示を求めている。

 


 

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<お問合せ先>
山田コンサルティンググループ(株) タイ現地法人
global-support@yamada-cg.co.jp

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