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更新日:2025/10/02

テーマ: 03.海外ビジネス

タイの栄養補助食品市場:成長と課題がもたらす新たなビジネスチャンス

タイの栄養補助食品市場は、健康意識の高まりと高齢化により、過去数年間にわたって成長している有望な市場である。ただし、市場のステークホルダーが多く、さまざまな国内ブランドや輸入ブランドの製品が存在するため、市場全体の競争は激化している。
加えて、市場には、消費者の不信感、規制上の問題、トレンドの急速な変化といった、事業上の課題があり、これらが参入障壁となる可能性もある。
一方で、こうした課題は、さまざまなビジネスチャンスも生み出している。例えば、消費者のライフスタイルの変化に対応する ビーガンやクリーンラベルへの対応やパーソナライズ製品の開発などである。さらに、イノベーションの創出や、より効果的な事業強化のためには、他社との連携も不可欠である。

目次

タイの栄養補助食品市場の概要

市場の状況

タイの栄養補助食品市場は著しい成長を遂げている。市場規模は、2023年には482億6,700万バーツを記録したが、2023年から2026年にかけて年平均成長率11%で拡大し、2026年には657億8,200万バーツに達すると予測されている。
2023年の売上高市場シェアをみると、サプリメントの割合が74%と最大で、これにビタミン(22%)が続く。
流通チャネルのシェアでは、薬局の割合が最も大きく、これに直接販売とEコマースが続く。
タイの消費者はインフルエンサーの影響を強く受けており、プロモーションやディスカウントにも敏感である。現在、EコマースやSNS上における、美容・フィットネス関連のインフルエンサーのコメントや栄養士、医師など専門家の意見が栄養補助食品需要の拡大に大きく貢献している。

用途別のシェアでは、「健康全般」向けの栄養補助食品が一貫して最も大きい割合を占めている。
一方、2019年から2024年にかけてシェアが拡大したのは、「骨と関節」、「消化器」、「免疫システム」向けのサプリメントである。主な要因は、高齢者人口の増加、健康意識と予防医療への関心の高まり、座ることの多い生活環境を含むライフスタイルの変化などである。

タイの消費者が消化器や免疫システムといった特定の健康懸念を優先するようになったため、健康全般向けのサプリメントのシェアは低下したが、それでも依然として市場で最大のシェアを維持している。
この背景には、(1)高齢化が進み、機能性や長寿を増進するサプリメントの需要が高まっていること、(2)健康意識や予防医療への関心が高まっていることがある。
ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、オメガ3などの成分を含む健康全般向けや複数の身体機能の向上を目的とするサプリメントは、依然として健康維持のために広く消費されている。
骨と関節向けのサプリメントは、骨と関節に問題を抱える可能性の高い高齢者の増加や座ることの多い生活環境を主な要因として、市場シェアが徐々に拡大している。今後、カルシウム、ビタミンD、マグネシウム、コラーゲンを含む製品の需要が増加する見込みである。
消化器向けサプリメントは、タイでの健康意識の高まりに伴ってシェアが大きく伸びている。今後も、プロバイオティクス、プレバイオティクス、食物繊維、タマリンドのようなタイのハーブ成分などのサプリメントに対する需要が伸びると見られている。
免疫システム向けサプリメントは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて、市場シェアが拡大しており、ビタミンCや亜鉛などのサプリメント需要が引き続き堅調である。

市場の主な成長要因

タイの栄養補助食品市場の成長は、主に健康や生活の質に対する意識の高まりと高齢者人口の増加という主に2つの要因によってもたらされている。

タイの栄養補助食品の輸入状況

タイのサプリメントの輸入額は、全体として2019年から2024年にかけて大きな成長を遂げている。主な成長要因は、健康意識の高まりである。
シンガポールは、2024年にタイの最大のサプリメント供給国となった。今やASEAN諸国へのサプリメント製品を輸出する地域のハブ的存在となっている。一方、ビタミン輸入市場では、強固な製造基盤と豊富な原材料資源に恵まれている中国が、優位性を発揮している。
タイへの輸入製品として有望視されているのは、主にビタミンE、プロテイン、プレミックスである。

タイの栄養補助食品の輸出状況

2019年から2024年にかけて、タイの栄養補助食品の輸出額は減少した。これは主にインドネシア、ベトナム、韓国へのビタミン輸出が大きく減少したことに起因する。この減少の要因は、輸出相手国内での競争激化や規制強化の影響だと考えられる。
2024年のタイの主な輸出品でかつ有望視されている品目は、プロテイン、プレミックス、ビタミンB群である。一方、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムや他のASEAN諸国などから、タイの伝統的なサプリメントやハーブサプリメントの需要が高まっており、輸出機会も拡大している。

市場構造

競争環境と製品セグメンテーション

タイの栄養補助食品市場は、さまざまな国内外のブランドが存在し、細分化されている。市場の競争状況は製品セグメントによって異なる。
プレミアム市場はグローバルブランドが支配しており、マス市場は国内ブランドが支配している。

タイにおける栄養補助食品のサプライチェーン

栄養補助食品のサプライチェーンは、原材料の調達、製造・輸入、流通、国内消費・輸出を含む主要な4つの段階で構成されている。
栄養補助食品の規制は、タイ公衆衛生省(MOPH)傘下の食品医薬品局(FDA)の管轄下にある。FDAは、輸入、製造、マーケティング・広告、輸出の管理を含む幅広い権限を持っている。

タイの栄養補助食品の主要企業

Amway Thailandは人気のサプリメントブランドNutriliteを擁し、世界市場で強力なプレゼンスを有する主要市場プレーヤーである。
大手OEM・ODMメーカーのほとんどはタイの企業で、製造工程の初めから終わりまで同様のサービスを提供する。
これらのサービスには、製品の調合・配合の設計、生産、ブランド化とパッケージング、規制サポート、物流・流通が含まれる。

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執筆:YAMADA Consulting & Spire(Thailand) Co., Ltd.
(山田コンサルティンググループ株式会社 タイ現地法人)

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