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当社事例

2020/12/22

テーマ: 02.M&A

大手メーカーの子会社を譲り受け、 新規事業領域に進出することに成功したM&A事例

A株式会社及びB株式会社 Y建設会社
事業内容:建設業 事業内容:建設業
エリア:関東及び東北地方 エリア:全国
売上規模:100億円~500億円 売上規模:1,000億円~5,000億円

当社の関わり方

本件におけるポイント

  • ● Y社取締役会、およびステークホルダーに対する妥当性のある説明の実施
  • ● 海外事業所を含めた、多岐に渡る法務・会計・税務論点の洗い出し
  • ● 売手FAとの高度な条件交渉

案件概要

X社は国内トップクラスの総合重電メーカーである。日本有数のグループ規模を誇るが、市況の急激な変化により、直近では大幅な損失を発生してさせていた。
足元での業況改善が急務となり、再生計画を策定。その中で、BSのスリム化・組織の見直しによる、経営資源の効率的な活用を謳っており、複数のノンコア子会社が売却のプロセスに入った。

Y社は国内上位の建設業者だが、今後、更なる成長に向け、国外への事業展開・新規事業領域への進出を本格的に検討する必要があると考えていた。
そこへ、X社の子会社が売却プロセスに乗っている、との話が入ってきた。
至急、X社に接触を試み、初期的な情報を確認した。すると、対象会社の事業は、まさに今、自社で進出を検討していた事業領域と合致するものであった。

自社で新たな事業を立ち上げる場合、社内外の調整および事業が軌道にのるまでに相当な時間を要する。
ならば一方で、完成している事業を買収する場合ことで、即効性のある事業展開が可能となるため、対象会社は非常に魅力的であった。
「新規事業の立上げに要する時間を買う」
以上がY社がM&Aを決断した理由である。

その後、

  • ● FA、DD、VAの一連のプロセスを、グループ含めワンストップで対応可能であること
  • ● コンサル会社であるため、最も重要な論点である、対象会社の事業計画の精査を高いレベルで行える
  • ● 上場企業M&Aの実績が多数あること

等の理由から、Y社担当者からの依頼があり、弊社がY社のアドバイザーとして選ばれることとなった。

A社・B社を選定した理由

A社・B社は建設業の中でもある一部の領域に特化した建設業者であり、その領域においてはトップクラスの実績があった。
また、海外にも事業展開しており、新規事業への進出・海外展開を検討していたY社経営戦略と合致したことが決定打となった。

成約のポイント

  • ● Y社は対象会社の事業に魅力を感じていたものの、大企業という事もあり、買収において妥当性のある価格・条件でなければ承認が得られないという状況であった。そのため、弊社の戦略コンサル部隊とVA部隊が連携し、X社の提示してきた事業計画の蓋然性を精緻に検証し、その上で監査法人による会計監査上でも問題の無い株式価値を算定。無事社内承認を得ることが出来た。
  • ● 法的論点、会計・税務論点が複数存在していたため、リスクの洗い出し、および契約書上でのリスクヘッジを行う必要があった。そこで、連携している大手法律事務所と、弊社グループ会社である税理士法人が一体で取り組むことにより、法務・会計・税務の論点を漏れなく洗い出し、複雑な契約内容を取りまとめることが出来た。
  • ● 売手側のFAは大手証券会社であり、複雑なスキームに対する知識と高度な交渉が求められたが、各種専門家と連携しながら、粘り強い交渉を続けた結果、Y社の希望条件を通すことが出来た。

成果・効果

新規事業領域への進出・既存事業の発展

  • Y社が市場で優位性のある技術を、A社・B社の特化した領域で活用することにより、Y社は新規事業への進出、A社・B社は既存事業の拡大を図ることが出来た。

海外展開への足掛かり獲得

  • A社・B社は海外での施工実績が多数であり、地元政府との連携も強いことから、A社・B社を介して海外公共事業に対するY社の参入が容易になった。