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更新日:2020/03/13
テーマ: 03.海外ビジネス
中国コールドチェーン物流市場動向/後編
本編は前編の続きです。
中国コールドチェーン物流市場動向/前編
中国コールドチェーン物流業界の特徴とトレンド
特徴1_コールドチェーンによる輸送率が低く、廃棄ロス率が高い
中国のコールドチェーン物流は依然として初期ステージにあり、コールドチェーンによる輸送率自体が低く、そのため廃棄ロス率も高いという特徴がある。
- 中国物流市場において、コールドチェーン物流の割合はわずか2%前後しかない。
- 生鮮コールドチェーン物流の流通率は、先進国が95%以上であるのに対し、中国は50%にも満たない。そのため、廃棄ロス率に関して、日本と米国は5%以下となっているが、中国は25~30%と割合が大きい。

特徴2_市場の集中度が低く、地域分布が不均衡
中国のコールドチェーン物流市場の集中度は低く、地域分布が不均衡であるという特徴がある。
- 市場において、トップ50の企業売上高合計でも、市場全体の12%ほどしかなく、中小企業が多く存在している。
- トップ100企業売上高別の地域分布に関して、華東地域に42社があり、売上高が全体の44.2%を占める。続いて華南13社の21.5%、華北17社の14.6%、華中14社の13.4%となり、西南、東北、西北合計で6.3%しか占めておらず、地域格差が大きい。

トレンド1_生鮮市場の急成長と食品安全意識向上によるニーズの増加
生鮮市場の急成長と食品安全意識の向上により、コールドチェーン物流へのニーズと要求が高まり、市場の発展を促進している。
- 中国一人当たりの可処分所得は8%超の成長率を保持、2019年に初めて3万元を超えた。
- 中国の生鮮市場、特にECチャネルは年平均成長率が46%で推移しており、2022年には7千億元を超える見込み。

トレンド2_政策による業界基準化と発展スピードの加速
中国政府がコールドチェーン物流業界の発展と業界基準化を促進するため、政策によるサポートを実施。

トレンド3_企業間の合弁・買収による業界集中度の向上
市場の集中度は依然として低いものの、近年企業間の合弁や買収の増加により、集中度も少しずつ向上している。
2017~2018年企業間の合弁・買収案件
2017年3月:大生農業が清江冷鏈を買収、コールドチェーン物流業界に進出
2017~2018年:希傑栄慶物流が広州建中、太倉盛発、天津東方鑫盛、武漢北方捷運を買収
2017年7月:斉暢物流が嘉沢物流を買収
2018年3月:順豊と夏暉(HAVI)が合弁会社を設立
2018年6月:招商美冷、中外運上海冷鏈、中外運冷鏈物流投資、中外運普菲斯冷鏈が「中外運冷鏈物流有限公司」を設立、招商物流と中外運のコールドチェーン物流業務を統合
2018年7月:万科物流が太古冷鏈を買収
出所:data.iimedia.cn
中国市場のPEST分析
中国のコールドチェーン物流業界は、政府の政策支援と消費者のニーズ増加に伴って、今後の成長が期待されている。

おわりに
中国コールドチェーン物流市場は依然として初期ステージにあり、今後生鮮市場の急成長と消費者のニーズ拡大に伴い、市場成長のポテンシャルは非常に高い。
市場の集中度は低いが、近年企業間の合弁や買収が増加しており、今後も集中度の向上が進んでいくと見られる。
中国コールドチェーン物流の地域分布が、華東地域に偏っているが、政策の後押しや消費のグレードアップにより、全国的な発展が将来のトレンドとなる。日系物流業者にとっても、内陸地域や農村部の巨大な市場をいかに開拓していくかが課題となる。
日系物流企業はコールドチェーン物流の経験やノウハウ、技術力という強みを持っているものの、近年中国国内の物流業者だけでなく、EC業者などの他業種も次々に進出しているため、市場競争(特に価格)が激しい。サービス品質を保つと同時に、コストをいかに抑えることができるかが大きな課題となる。
執筆:上海現地法人 山田商務諮詢(上海)有限公司
(山田コンサルティンググループ株式会社 中国現地法人)
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