基礎知識
更新日:2020/08/27
テーマ: 01.事業承継
5-7. 「贈与税の納税猶予」適用中に贈与者が死亡した場合
5. 非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予(事業承継税制)
「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」(事業承継税制)を利用すれば、後継者が現経営者から自社株式を贈与あるいは相続・遺贈によって取得した場合、一定の条件を満たして所定の手続きを行うと、贈与税・相続税の納税が猶予されます。中小企業のオーナーにとって、換金性のない自社株式に対して多額の相続税が課されることは死活問題です。会社に負担をかけず、円滑な事業承継ができるようにするために設けられたのが、この「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」なのです。
5-6. 「贈与税の納税猶予」の税金計算
5-7. 「贈与税の納税猶予」適用中に贈与者が死亡した場合
非上場株式に係る贈与税の納税猶予の適用を受けていた場合において、その納税猶予の打ち切りの日またはその受贈者の死亡の日以前に、その贈与者が死亡したとき、受贈者が贈与者から贈与税の納税猶予の適用を受けた非上場株式を相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の対象になる。
この場合における、相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき非上場株式の価額は、その贈与者から贈与を受けた時における価額となる(そのため、株価上昇時には有利な取り扱いとなるが、逆に株価下落時には不利な取り扱いとなる)。
贈与税の納税猶予から相続税の納税猶予への移行
贈与税の納税猶予制度の適用を受けた非上場株式について、受贈者は相続税の納税猶予制度とほぼ同様の納税猶予制度の適用を受けることができる。
このときの納税猶予分の相続税額の計算、適用要件、適用を受けるための手続き、納税猶予に係る期限の確定、猶予中相続税額の免除などの取扱いは共通する。
贈与者が死亡した時点で後継者が会社を経営していなければ、その非上場株式は単なる個人財産としての株式とみなされるため、相続税負担の軽減を与える必要がなくなる。
そのため、一定の要件を充足していることについて経済産業大臣の確認(相続開始日から8ヶ月以内に申請)を受ける必要がある。
相続税の納税猶予へ移行する場合の経営承継期間
贈与税の納税猶予制度から相続税の納税猶予制度へ移行する適用を受ける場合の経営相続承継期間は、以下のとおりとなる。
<1>経営贈与承継期間内(贈与税の申告書の提出期限の翌日から5年を経過する日又は贈与者の死亡の日のいずれか早い日までの期間)に贈与者が死亡した場合
→贈与者の相続開始日から経営贈与承継期間の末日又は経営相続承継受贈者(贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予制度の適用を受ける受贈者で一定の要件を満たすもの)死亡の日のいずれか早い日までの期間
<2>経営贈与承継期間の末日の翌日から猶予中贈与税額に相当する贈与税の全部につき納税の猶予に係る期限が確定する日までの期間に贈与者が死亡した場合
→経営承継期間は存在しない
贈与者の死亡の日より前に納税猶予の期限が確定していた場合
贈与者の死亡の日より前に、納税猶予に係る贈与税の全部又は一部について納税猶予に係る期限が確定しており、かつ、経営承継受贈者が贈与者から相続又は遺贈により財産を取得している場合、この期限の確定に係る非上場株式等は、相続開始前3年以内に贈与があった場合における相続税額の計算の規定が適用され、贈与時の価額で相続税が課される。
この非上場株式については、相続税の納税猶予制度の適用を受けることができない。
5-6. 「贈与税の納税猶予」の税金計算
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