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海外ビジネス情報

更新日:2020/04/17

テーマ: 03.海外ビジネス

中国のベビー・マタニティ用品の業界概要と成功事例

目次

業界概要

業界定義と市場規模

本稿におけるベビー・マタニティ用品は、乳幼児(0~3歳)向けの出産・育児用品(食品、衣料品、身の回り品等)を対象とする。

市場規模は、2018年には2.8兆元であったが、2020年には3兆元に達する見込みである。

出生率が低迷する中、市場が拡大している背景には、「80年後」、「90年後」生まれの親世代による、赤ちゃんに対する安心・安全意識の高まりがあげられる。両家祖父母による孫に対する出費も加わり、当該市場が拡大していると推測される。

基礎数値(人口動態、出生数・出生率)

中国では 1979 2015 年まで「一人っ子政策」を実施していたため、長期的トレンドとして、少子化の流れが続いている。

出生率は 1.2 %前後で推移し、「一人っ子政策」が解除された 2016 年こそ 1.3 %まで回復したが、この傾向は持続せず、再び低迷している。年間の出生数は、 1,600 万人前後となっている。

地域別動向

北京や上海などの大都市(一線都市)では出生数が少なく、山東省や広東省などで多くなっており、市場としては、地方都市の重要性・ポテンシャルが高いと言える。

市場構造(販売チャネル、バリューチェーン)

2018年中国におけるベビー・マタニティ用品市場規模約2.8兆元のうち、EC販売が約0.8兆元と全体の31%を占めている。また、専門店も30%と比較的大きく、主要な販売チャネルとなっている。

近年、中国におけるECの成長は著しく、今後も中長期的な拡大が見込まれている。

5FORCES分析

当業界を取り巻く状況について、5FORCES分析にてまとめた。

法規制等

主要プレイヤー

①小売を手掛ける総合プレイヤー

2018年まで市場が好調に拡大していたことで、各社積極的に実店舗を出店してきた。しかし、直近では過当競争に陥り、総店舗数はピークアウトしている。

一般的に、店舗内での売上構成は粉ミルクが半分以上を占めている。

②メーカー

紙おむつ、粉ミルク、玩具では外資系が上位を占めている。

③販売チャネル別

ベビー・マタニティ用品市場全体は店頭販売が中心であるが、商品により主要チャネルが異なる。

粉ミルクは安全性が求められるため、専門店で試飲してから購入

関連用品は、実物確認重視のオフライン購入も、利便性からのオンライン購入もある

紙オムツは品質が標準化されているためオンライン購入が主流

成功事例

中国企業 飛鶴

飛鶴は、中国の乳児人口が伸び悩む中、製品の高付加価値化により成長を持続させ、国内粉ミルクメーカー最大手となった。

中国の乳児向け粉ミルク市場は、年率10%を上回るペースで拡大しており、2020年には2,955億元に達する見込み。うち半分程度は、輸入している。

飛鶴の商品ラインは、主力の星飛帆、臻稚有機の他、店舗販売専用の更なる高機能商品である臻愛飛帆、精粋益加、精粋貝迪奇などがある。

飛鶴の主要な戦略は、下記3点である。

中国の乳児の体質に合った製品開発による高付加価値化
三四線都市に至るまで中国全土での店舗販売網の構築
サプライチェーンの管理(トレーサビリティ)と合理化、WEB等の窓口設置による顧客との信頼関係醸成

中国企業 愛嬰室

愛嬰室は、華東地域最大のベビー・マタニティ用品小売チェーン店であり、2018年に上場した。2019年の売上総額は、前年対比15.2%増の24.6億元となった。

愛嬰室の強みは、下記4点である。

「直営店(9割)+オンライン通販」の販売モデル
都市別の差別化戦略
ミドル・ハイエンド市場への位置づけ
統一購買+自社ブランド商品開発

日系企業 ピジョン

ピジョンは売上高1,000億円程度で推移しているが、中国事業に限れば成長が続き、19年12月期には、全社売上高の36%、営業利益の74%を占めるまで拡大している。

2002年に販売会社を設立以降、中国全土に販売網を構築し、地道なマーケティング活動を継続。

中国内に日本と同一品質、同一基準の生産・開発体制を確立し、新製品を迅速に量産化。

中国内の小売販売EC化の流れに合わせ、EC販売にも注力し、2017年にはアリババと戦略提携締結。

市場環境とトレンド

市場の特徴(Key Success Factor)

紙おむつなどの一部の消費財を除き、価格感応度が低く、高品質や特徴ある機能性が評価されやすい。

高品質や機能性を訴求するために、ネットでの口コミ情報等の他、専門店等での対面での商品説明が極めて有効である。

参入が有望であると考える製品について下記まとめた。

購買者像プロファイリング

一般的な製品の市場は沿岸部を中心とした一線都市の構成が大きいが、当業界では、出生数の影響により、三線都市以下の地方都市の構成が大きいのが特徴である。

地方都市では相対的に早婚であるため、「95年後」生まれの構成が大きく、また、2人目を出産する比率も高い。(※「95年後」は次頁)

「95年後」生まれの母親が、特に品質を重視して購買している製品として、粉ミルクなど栄養食品、保湿剤など入浴用品を挙げており、乳児への健康や安全に対する関心がそれ以前の世代よりも顕著に高い。

母親が出産や育児に関して参考にする情報源としては、関連APP(アプリ)や親族友人などを挙げ、製品に関する情報源としては、友人の推薦や店舗での確認を挙げている。

今後の市場変化

現在中国の業界で注目されているテーマを下記にまとめる。

参入チャンス考察

執筆:上海現地法人 山田商務諮詢(上海)有限公司
(山田コンサルティンググループ株式会社 中国現地法人)

 
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