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更新日:2020/05/27
テーマ: 03.海外ビジネス
中国百貨店業界におけるビジネスモデル転換/後編
本編は前編の続きです。
中国百貨店業界におけるビジネスモデル転換/前編
コト消費の増加
所得の増加に伴い、中国中産階級の関心は「モノ消費」から学習・旅行等の体験を重視する「コト消費(※)」へと移行している。
若者においても、飲食・エンターテインメント等の「コト消費」の割合が比較的高くなっている。

中国百貨店における新たな取り組み事例の紹介
コト消費増加に伴う施策 体験型施設の新設
コト消費の増加に伴い、飲食店や子供の遊び場等の子供施設、美容室等の生活サービスなどの体験型施設を新設する百貨店が増えている。

事例 天虹百貨
華南地域を中心に百貨店・スーパー等の小売事業を展開する「天虹商場」は、百貨店事業が直面する集客力・収益力の低下等の課題に対して、2013年より「顧客体験の向上」、「ポジション調整」、「サプライチェーンの改善」の3つの施策を打った。

「顧客体験の向上」においては、「天虹百貨」にて子供・女性・若者を主なターゲットとした体験型施設・サービスを新設。
改善施策により、2013年から2019年までに粗利益率が6.1%向上した。

ネット利用増加に伴う改善 ニューリテール事業の拡大
EC事業を展開する百貨店の割合が半分を超え、うち7割以上が自社ECを保有している。
実店舗とネットを融合して顧客の囲い込みを図る「O2O(Online to Offline)」やその進化系であるオンラインとオフラインの融合を図る「OMO(Online Merger Offline)」のニューリテール事業を拡大する動きが増えている。

事例 銀泰百貨
浙江省最大手の「銀泰商業(集団)」は、2013年よりアリババとの提携を開始し、2017年5月にアリババグループの傘下となった。
銀泰商業(集団)が持つ中国本土の小売ネットワークとアリババグループのECプラットフォーム、消費データの分析能力等を活用し、ニューリテール戦略を展開している。

アプリの導入等、オフライン購入体験とオンライン購入体験を融合することで、顧客の都合に合わせて様々な購入方式が選べるようになったことにより、2013年より売上を伸ばし、2018年には前年対比30.5%の299.1億元を達成した。

おわりに
中国百貨店はオンライン市場の著しい成長とショッピングセンターなどの他業態の台頭により、苦境に立たされている。
「中産階級・若者消費の増加」、「モノ消費からコト消費へ」と消費者層・消費者行動は変化しており、ターゲットの再定義および体験型施設の増加等の魅力的な店舗づくりが求められている。
また、ネット通販の拡大を背景とした「リアルからネットへ」の動きに対応して、O2OやOMO等のニューリテール戦略の実施など、既存のビジネスモデルを転換していけるかどうかも百貨店生き残りの重要な鍵となる。
ニューリテール戦略においては、 EC事業者との提携が増えており、百貨店の小売ネットワークとEC事業者のプラットフォーム、販売チャネル、物流、消費データの分析によるマーケティング等を活用した相乗効果が今後注目される。
執筆:上海現地法人 山田商務諮詢(上海)有限公司
(山田コンサルティンググループ株式会社 中国現地法人)
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