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更新日:2026/04/27
テーマ: 03.海外ビジネス
タイの廃棄物管理産業:BOI優遇措置と循環型経済がもたらす成長機会
タイの廃棄物管理産業は、第2次国家廃棄物管理行動計画(2022-2027)やタイ投資委員会(BOI)の優遇措置といった政府施策によって後押しされ、インフラ整備や投資が進んでいる。結果として、以下の主要4種類の廃棄物:
- 1. 一般固形廃棄物(自治体管理の一般廃棄物)
- 2. 一般有害廃棄物(自治体管理の有害廃棄物)
- 3. 産業廃棄物
- 4. 感染性廃棄物
の管理実績は着実に改善している。
市場構造は分野別に状況が異なり、廃棄物の収集、運搬、処理・処分の領域では集約が進んでいるが、卸売段階では競争が激しい。
他方、タイの廃棄物管理産業は依然としてガバナンスや構造上の課題に直面しており、具体的には、処理能力・施設の不足、分別意識の低さ、義務化や強制力のある規制の不足などが業界成長の主要な阻害要因となっている。
規制の強化や循環型経済への転換といったトレンドは業界構造の変化を促し、それがインフラ(収集拠点、分別・リサイクル・処理・処分施設)や既存施設の技術・性能向上に対する投資機会を創出している。加えて、戦略的パートナーシップは事業規模の拡大やバリューチェーン強化において重要な差別化要因となり得る。
目次
I. 概要

II. 廃棄物管理体制の概要
タイの廃棄物管理は、一般固形廃棄物、一般有害廃棄物、産業廃棄物、感染性廃棄物の4つに分類され、3つの政府機関の管轄下にある。

III. 廃棄物の発生および管理
一般固形廃棄物
2024年、 政府政策、地域社会の関与、廃棄物処理効率の向上により、タイの 一般固形廃棄物管理には改善が見られた。
一般固形廃棄物管理を向上させる上でのボトルネックは、収集・処理インフラの不足および分別規制や処分運用に関する管理体制の不備である。

一般有害廃棄物
一般有害廃棄物は、収集された場合には高い割合で適切に処理されているものの、発生量の77%以上が未収集のまま放置され、不適切な管理につながっている。
主な課題としては、不適切な分別、一般固形廃棄物の混入、および収集拠点の不足などが挙げられる。

一般固形廃棄物・一般有害廃棄物の管理プロセス
一般固形廃棄物管理フローは、発生、収集・分別・運搬、処理の3段階に分かれており、複数の主体が関与している。
地方行政組織は一般固形廃棄物の収集・分別・運搬の管理を担う主要な主体である一方、廃棄物の回収業者や仲介業者はリサイクルにおいて重要な役割を担っている。
家庭から出る感染性廃棄物は、一般固形廃棄物管理とは別に、専用の感染性廃棄物規制に基づいて処理される。

産業廃棄物
タイでの産業廃棄物の発生量は増加しているが、規制の強化や廃棄物処理技術の進歩によって産業廃棄物管理が改善し、2024年には発生量に対する適正処理率は89%である。
適正処理後の廃棄物の約半分は原料として再利用され、その他リサイクル、エネルギー利用、輸出にも充てられている。

2024年時点で、タイ全国に2,395の廃棄物処理施設が存在し、その大半は東部および中部地域に集中している。
同年、廃棄物処理施設の受入総量において、飲料、食品、自動車・関連機器業界からの割合が高かった。つまり、これらの廃棄物処理技術に対する投資が有望であることを示唆している。

産業廃棄物の管理プロセス
産業廃棄物の管理は厳格な規制下で構造化・体系化されており、工場は廃棄物の発生から最終処理に至るまで責任を負わなければならない。データは、工業省(MOI)工業局(DIW)が運営するシステムへ報告が義務付けられている。

感染性廃棄物
保健省(MOPH)の厳格な規制により、感染性廃棄物のほぼ全てが適切に管理されている。
残る課題は、小規模な医療施設における不適切な分別や収集が困難なことに起因するものである。

感染性廃棄物の管理プロセス
感染性廃棄物の管理は、保健省の規則に準拠する必要がある。
収集前に廃棄物は発生源で分別し、現場で保管しなければならない。また、全ての関係者は各運搬についてマニフェストシステムに記録しなければならない。

・感染性廃棄物は発生源で分別し、廃棄物の種類に応じた容器に保管しなければならない。
・分別後、廃棄物は衛生基準を満たす別室または別棟の感染性廃棄物保管区域に保管し、その後、現場内または現場外での処理・処分のために収集される。
・施設内または施設外への運搬には、省令で定める要件を満たす車両を使用しなければならない。
・感染性廃棄物発生者、運搬業者、処理・処分業者を含む全ての関係者は、廃棄物を運搬するごとにマニフェストシステムに必要な情報を記録しなければならない。
以降のページでは、下記目次の内容を掲載しております。
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IV. タイにおける廃棄物管理事業
概要
主要企業
V. 政府の計画・支援策
国家廃棄物管理行動計画
廃棄物管理事業に対する投資優遇策
VI. 課題と機会
参考資料:廃棄物管理事業者のTSIC区分
執筆:YAMADA Consulting & Spire(Thailand) Co., Ltd.
(山田コンサルティンググループ株式会社 タイ現地法人)
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