譲渡会社:X社
譲受会社:A社
X社のオーナーである社長は先代が起こした旅館事業を引き継ぎ、妻である女将とともに営業を続けてきた。バブル崩壊後、団体客の減少等により収益力が低下し、赤字に転落。債務の支払も長年に渡って滞っている状況であった。息子夫婦も社員として事業の立て直しに尽力していたところ、北陸新幹線の開通により集客力が向上し、黒字化することができた。黒字化したとはいえ、大幅な債務超過であり、抜本的に事業を再生させるためにはスポンサー企業の協力によりM&Aを実施し、併せて債務整理を行うこと不可欠な状況であった。オーナー家にも様々な葛藤があったが、以下のような検討を経て意思決定した。
まず、新幹線効果で黒字化したとはいえ、旅館は老朽化しており、収益力を確保していくために必要な設備投資にかかる資金を自力では捻出できないことが明らかであった。将来にわたって事業を続けていくためには外部からの資金調達が必要であった。
また、会社には営業利益を原資に返済していくには数十年かかる程の多額の債務が残っており、息子夫婦に会社を承継すると、同時に保証債務まで引き継ぐことになってしまう。息子夫婦には、借金の返済に追われるのではなく、未来に希望をもって仕事できる事業環境を残したいと考えていた。主要債権者である金融機関も社長が然るべき責任をとってくれるのであれば、事業再生には最大限協力するという姿勢を示してくれていた。
関係者で協議を重ね、スポンサー企業を見つけ、新会社として事業を行うことが、当事者、利害関係者にとっても最適な方法と納得し、社長はM&Aと同時に債務整理を行う覚悟を決めた。
買手候補選定の基本方針
A社を選定した理由
成約のポイント
事業(雇用)の継続
次世代への事業承継