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2024/04/08

テーマ: 10.持続的成長

キャピタルゲインとは?インカムゲインとの違いやメリット・デメリット解説

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本記事ではキャピタルゲインとインカムゲインのそれぞれの概要、差異、メリットとデメリット、などを記載しています。
それぞれの収益にかかる税率についても具体的に紹介しています。

キャピタルゲインとインカムゲインの差異やメリットデメリットを理解して、投資戦略に資する記事となっています。

キャピタルゲインの概要

キャピタルゲインとは、保有中の資産を売却する際に得られる売却差益のことです。イメージしやすいのは有価証券などの株式投資ですが、不動産投資などで得られる売却益もキャピタルゲインに該当します。
たとえば、100万円で購入した株式が、150万円になったときに売却した場合、取得価額との差額50万円(手数料や税金を除く)がキャピタルゲインになります。

逆に、保有中の資産を売却する際に取得価額より低い価額での売却となってしまった場合、売却差損が出ます。これをキャピタルロスと言います。
キャピタルゲインとキャピタルロスは時価がある資産の売却時には、取得価額と同額で売却しない限りはほぼ必ず発生します。価格変動が大きければ大きいほど、大きな利益を獲得できる可能性が高くなりますが、その分損失を負うリスクも高まります。短期~中期的な資産形成を目的とした場合に重視すべき利益項目と言えます。

主なキャピタルゲインの発生場面については以下の通りです。
有価証券取引:売却差益
投資信託取引:売却差益
不動産売買取引:売却差益
FX取引:為替差益

キャピタルゲインとインカムゲインの違い

キャピタルゲインとインカムゲインの違い

キャピタルゲインとインカムゲインは性質・メリット/デメリットいずれも異なります。次に記載された内容をよく理解した上で、目的に合った収益を選択できるようになりましょう。

インカムゲインの概要

インカムゲインとは、資産を保有している期間中受け取ることが出来る収益のことです。投資有価証券に対する配当金、債権に対する金利、不動産賃貸に対する賃料収入などが該当します。

インカムゲインは保有中の資産の価値と必ずしも連動しているわけではありません。例えば10年前に100万円で購入した株式が現在50万円になっていたとしても、購入した年から毎年10万円の配当を行っている、ということもありえます。つまり、保有資産の価値自体が下がっていても配当自体が安定的に生まれて入れば問題がないと捉えることが出来るため、中期~長期的な資産形成を目的とした場合に重視すべき利益項目と言えます。

主なインカムゲインの発生場面については以下の通りです。
有価証券取引:配当金収入
投資信託取引:分配金収入
不動産売買取引:賃料収入
FX取引:金利差によるスワップポイント付与

キャピタルゲインのメリット・デメリット

キャピタルゲインのメリット・デメリット

キャピタルゲインにはメリット・デメリットいずれも存在します。次に具体的な内容を記載します。

キャピタルゲインのメリット

キャピタルゲインのメリットは、①インカムゲインと比較して大きな収益を獲得できる可能性があること、②元手が少なくても獲得を期待できることです。

①インカムゲインと比較して大きな収益を獲得できる可能性がある
インカムゲインは年間でも各種資産価値の数%程度となることが一般的ですが、キャピタルゲインは投資額の数十%以上となることも少なくありません。

②元手が少なくても獲得を期待できる
例えば有価証券であれば、以前は証券取引所の最低取引単位は一単元(=100株)でしたが、現在ではミニ株(単元未満株)といって10株からの取引が可能になりました。また不動産投資でもREIT(不動産投資信託)など、少額投資用の商品があります。
少ない元手でもタイミングによっては大きなリターンを得られるようになったため、昔と比べて元手が少なくともキャピタルゲインを獲得できる機会は増えています。

キャピタルゲインのデメリット

キャピタルゲインのデメリットは、元本割れの可能性があることです。キャピタルゲインの獲得を狙うには、一定以上の値動きがあるものを投資対象にしなければなりません。投資した際の価額を上回った場合は利益が出ますが、当然投資した際の価額を下回る場合、損失が発生します。また値動きが大きくなればなるほど得られる利益も大きくなりますが、その分損失が拡大する場合もあります。
元本保証を行う投資商品も存在しますが、一部条件付きであったりと100%元本保証する投資商品は存在しません。なおキャピタルゲインを目的とした投資を行う場合、当然ながら元本保証を行う投資商品は不向きです。

インカムゲインのメリット・デメリット

インカムゲインにはメリット・デメリットいずれも存在します。次に具体的な内容を記載します。

インカムゲインのメリット

インカムゲインのメリットは、①安定収益を確保できること、②キャピタルゲイン目的の投資ほど収益の金額が変動しないことです。

①安定収益を確保できる
投資資産を保有している間は継続的に収益を得られます。また資産の入替え時以外は基本的に売買が不要のため、資産形成に時間を取られることもありません。

②キャピタルゲイン目的の投資ほど収益の金額が変動しない
キャピタルゲインは価額の変動幅により収益を得るため、資産の売却のタイミングによって大きく収益が変動します。他方、インカムゲインは投資時点で定期収益の金額がある程度決まっており、大幅な変動が起きにくいです。

インカムゲインのデメリット

インカムゲインのデメリットは、大きな収益を獲得しにくいことです。
一回に得られる収益が小さいため、大きな収益を得るためには初期投資で相応の金額が必要となります。例えば株式投資における配当金の利回りが年1%だった場合、100万円の投資で得られる年間の利益は1万円(税引前)となります。

キャピタルゲイン・インカムゲインそれぞれにかかる税率

キャピタルゲインとインカムゲインはどちらも所得税の課税対象となります。具体的にどのような課税となるかを見ていきましょう。

キャピタルゲインにかかる税率

キャピタルゲインとキャピタルロスは売却した時点で確定します。仮に保有中の資産の価値が取得価額より上がっている(下がっている)状況でも、売却が実現していなければ損益として確定しません。保有資産の価値が変動している状態は「評価益・含み益」(「評価損・含み損」)と呼ばれ、この時点では課税対象となりません。資産を売却し、キャピタルゲイン・キャピタルロスが確定して初めて課税対象となります。
キャピタルゲインは取引によって所得の種類と課税方法が異なります。

①キャピタルゲインにおける所得の種類
・譲渡所得
不動産、および株式(上場・同族会社)・出資金の売買益
分離課税

・雑所得
仮想通過取引による売買益
総合課税
※ただしFX取引による売買益は申告分離課税

②キャピタルゲインにかかる税率(個人の場合)
譲渡所得の場合、所得税住民税復興特別所得税が発生します。税率は以下の通りです。

  所得税 15%
  住民税 5%
  復興特別所得税 0.315%(所得税15%×2.1%=0.315%)
  合計 20.315%

 (例)100万円で取得した株式を200万円で売却した場合
  売却益100万円×(15%+5%+0.135%)=納税額203,150円

※ただし、不動産に関して所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得となり、所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%の合計39.63%となるため注意が必要です。

雑所得の場合、総合課税により給与所得など他の所得とあわせて1年間の対象所得をすべて合算し、累進税率によって課税されます。所得税の税率は、累進税率で5%から45%の7段階に区分されているため、年間の所得が多いほど、税金が高くなります。

③キャピタルゲインにかかる税率(法人の場合)
法人は、個人と異なり、原則、収入の種類によって税金の計算方法を変えることはしません。事業であれ株式の売買であれ、すべての利益を合算し、そこに法人税率を乗じて納める税金(法人税地方法人税法人住民税法人事業税特別法人事業税)の金額を計算します。

インカムゲインにかかる税率

インカムゲインは受け取った時点で課税対象となります。
インカムゲインも取引によって所得の種類と課税方法が異なります。

④インカムゲインにおける所得の種類
・配当所得
法人による中間配当・決算配当、投資信託の分配金など
総合課税
※上場株式による配当所得は原則申告不要だが、申告分離課税も選択可能

・不動産所得
投資用不動産による賃料収入
総合課税

・利子所得
預貯金の利子、公社債の利子など
分離課税

⑤インカムゲインにかかる税率(個人の場合)
配当所得・不動産所得の場合、総合課税により給与所得など他の所得とあわせて1年間の対象所得をすべて合算し、累進税率によって課税されます。所得税の税率は、累進税率で5%から45%の7段階に区分されているため、年間の所得が多いほど、税金が高くなります。

利子所得の場合、所得税住民税復興特別所得税が発生します。税率は以下の通りです。

  所得税 15%
  住民税 5%
  復興特別所得税 0.315%(所得税15%×2.1%=0.315%)
  合計 20.315%

 (例)年間1万円の利息を受け取った場合
  受取利息1万円×(15%+5%+0.135%)=納税額2,031円

⑥インカムゲインにかかる税率(法人の場合)
こちらはキャピタルゲインと同様、1事業年度のすべての利益を合算し、そこに法人税率を乗じて納める税金(法人税地方法人税法人住民税法人事業税特別法人事業税)の金額を計算します。

まとめ

まとめ

ここまでの記載した内容をまとめると、以下の通りです。

・キャピタルゲインは資産を売却した際に得られる利益で、その収益は価格変動に大きく左右される。投資額に対して大きなリターンが期待できるが、元本割れのリスクも伴う。
・インカムゲインは保有期間中に定期的に得られる収益で、安定性が高いものの、その分収益は限られます。初期投資がそれなりに必要となります。

どちらの利益形態も税金の対象となり、取引の内容によって税率や課税方法は異なります。投資戦略を選ぶ際には、各々のメリット・デメリットに留意することが重要です。

監修者情報

監修者情報

浅沼 憲太郎(あさぬま けんたろう)
山田コンサルティンググループ株式会社 コーポレートアドバイザリー事業本部
M&Aコンサルティング事業部 マネージャー

金融機関にて法人営業、債権管理業務に従事後2018年山田グループ入社。上場・非上場問わずカーブアウト、再生フェーズのM&A・資本政策など利害関係者が多数存在する状況下におけるエグゼキューションを得意とする。海運業・製造業・建設業・飲食業等多岐に渡る業種での実績多数。