コラム
更新日:2024/06/20
テーマ: 04.コーポレート・ガバナンス
資本コストや株価を意識した経営
目次
1. はじめに
2023/3/31に東証よりプライム市場とスタンダード市場の全上場企業に対し、『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』が要請された。
本コラムの読者は当該対応を求められている担当者と仮定し、その読者に対応のヒントを提供すべく、私の思うところを述べてみたい。
なお、東証の要請は東証のWebに開示され、また、各上場企業にも通知されているため、内容についての説明は割愛する。
2. 意識すべき二つのこと
東証が要請する「資本コストや株価を意識した経営」はその名のとおり、「資本コスト」と「株価」の二つを意識することである。それぞれ、どう捉えるべきなのだろうか。
(1) 資本コスト
「資本コスト」は、財務資本の提供者である債権者と株主に支払うべきコストのことである。
債権者に対するコストは支払金利のため、明示的だ。また、支払金利は損金算入できる(=節税効果がある)という特徴がある。
一方、株主に対するコストは、明示的ではなく、スッキリしない諸氏も多いのではないだろうか。かく言う私もその一人である。
株式市場の売買主体は、年金のような長期の投資家もいれば、企業の内容など確認もしないデイトレーダーもいる。にもかかわらず、多くの企業が株主資本コストを推計する手段として用いるCAPM(Capital Asset Pricing Model;キャップエム)は、「すべての投資家は期待収益率、リスク、収益率相関係数に関して、同じ予測をもつ」など、およそ現実的ではない前提条件を置いている。
加えて、CAPMの計算式の例を示すと「新発10年国債利回り+株式市場全体のリスク・プレミアム×β(個別企業のリスク量の調整;ベータ)」となるが、新発10年国債利回りは日銀の金融政策などの影響を大きく受け、日々変動する。その上、株式市場全体のリスク・プレミアムの水準やβの値は人によって異なることが多い。すなわち、支払金利のように明確な水準を求めることが難しいのだ。
では、株主に対するコストを考えなくてよいのだろうか。答えは否だろう。株主は値上がり益と配当を合わせた何らかのリターンを求めて出資をするのであり、期待するリターンが得られないと判断すれば、株式を売るか(株価の下げ要因)、最悪CEOの選任に対しNOを突き付けることになるだろう。
そのため、経営者は株主の支持を得られる株主の期待リターンの水準を自ら設定し、クリアしていくことが求められる。この自ら設定するリターンの水準こそが今回東証が求めているものであり、取締役会で十分検討すべきものだと考えている。
なお、「妥当なリターンの水準はどの程度か」を突き詰めるあまり、神学論争のようになるようなことは避けたい(よく見かける光景だが)。水準設定は経営の意思の問題であり、また、経済環境などへの柔軟な対応も求められるからだ。
余談だが、ソニーの元CEOの平井一夫氏が『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」』(日本経済新聞出版)で、当時CFO(現CEO)の吉田憲一郎氏の意見に従い、経営の規律としてROE10%以上の経営指標を導入した、と述べている。まさにこういうことなのだと考えている。
(2) 株価
「株価を意識する」とはどういうことなのだろうか。今回の東証の議論を見ていると「少なくともPBR1倍割れは避けるべきだ」ということからスタートしているようだ。なお、東証はPBR1倍超でも今回の要請に対応すべき旨を強調している。その点はここで確認しておきたい。
ただ、株価の割安や割高を確認する「物差し」はPBRだけではない。他にもPERやEV/EBITDA倍率などがある。そのため、これらについては複合的に見たいところだ。
例えば、PBRは1倍を大きく割り込んでいるが、PERやEV/EBITDA倍率で見ると株式市場や同業他社と比較しても遜色ないようなことがあったとする。その場合、株主資本に対する収益率(資本効率)に課題がある可能性が高そうだ。
また、PBRは「ROE×PER」なので、「PERを上げるためにはどうしたらよいか」という質問をよく受ける。通常PERは分母に今期予想の当期純利益を用いると思う。ここがポイントだ。すなわち、今期予想の次にくる翌期以降の当期純利益について、投資家がどう捉えるかでPERの水準は大きく変わるということだ。そのため、PERは「成長性」を表すと言われているのだと思う。
古い話で恐縮だが、Windows95が出て世間がインターネットに注目し始めた1997年にヤフー(現LINEヤフー)がIPO(店頭登録)した。IPO直後のヤフーのPERは天文学的数字がつき、ベテラン証券マンは「クレイジーだ」と言っていた。しかし、その後のヤフーの爆発的な利益成長を考えれば、天文学的数字も正当化される部分もあったと思う。今で言うならAI関連銘柄などがそうなるであろうか。
話を元に戻そう。株価は常に将来の予測に対して値付けされている。PERも今期予想のみならず、中長期的な会社の方向性を織り込んだ数字である。そう考えれば、「中長期的な将来に期待させる何か」を投資家に伝えることが重要であり、東証の要請の狙いも、まさにここにあると考えている。
なお、他にも株価を考える手法はある。例えば、事業セグメントが複数ある場合、コングロマリット・ディスカウントについて考えるSOTP(Sum of the Parts;サムオブザパーツ)。債権者と株主の双方のコストを加味したWACC(Weighted Average Cost of Capital;ワック)を用いて株式評価をするDCF(Discounted Cash Flow;ディーシーエフ)法などである。詳細はここで触れないが、自社の株価の水準を分析するのに、これらの手法も役に立つであろう。
特に同意なき買収に対し、必ずしも否定的ではなくなってきている株式市場において、株価に対する自社の考えを持つことの重要性は高まっている。2023/11/13に終結したニデックによるTAKISAWAへのTOBは、PBRが1倍を大きく割れていることについて、改めて考えさせられる象徴的な事例だと思っている。
3. 企業の対応のヒント
東証によると2023年7月中旬時点で3月決算企業のプライムの31%(379社)、スタンダードの14%(120社)がコーポレート・ガバナンス報告書(以下「CG報告書」)で、今回の東証の要請について開示しているとのことであった。ただ、これらの開示企業の中には「検討中」も含まれ、多くの企業が対応について色々と模索しているところというのが実態であろう。
実際、我々がお客様から耳にするのも「どう対応すべきか整理できていない」「対応すべきスタッフがいない」という声が多い。そのため、お客様と共に考える社外スタッフとして、我々に対するコンサルティング・ニーズが高まっていると感じている。
我々のコンサルティングは、主に以下の5つのステップで進めることを想定している。しかしながら、企業によってステップの前後を行ったり来たりすることもあるし、CG報告書提出タイミングとの兼ね合いで、一気には詰め切ることができず、一部については後ろ倒しにせざるを得ないものもある。ただ、担当者が考えるべき全体像という意味では参考になると考え、今回ご紹介させていただく。
(1) 目標ROEの設定
CAPMを用いて株主資本コストを推計する。CAPMによるデータは主幹事証券等にヒアリングしたり、日経バリューサーチなどの情報ベンダーを利用したりすればデータを入手できるだろう。
CAPMのβは株式市場全体のリターンの変動に対し、個別企業のリターンがどれだけ変動するかを示す係数だ。例えば、個別企業が市場全体とまったく同じ値動き(変動割合)ならばβは1で、2割増しで株価が動くならばβは1.2となり、市場全体よりも2割リスクが高いと考える。その結果、投資家は市場全体のリスク・プレミアムも2割増しで要求していると捉える。
ただ、株式市場で売買がほとんど無い企業は、過去の株価の動きからβを推計すると、βが異常に低い(=株主資本コストが低い)ことがある。株式市場の価格発見能力が発揮されていない、と考えるべきなのであろう。その場合、他にも色々な視点で株主資本コストを考えてみる必要があると考えている。
例えば、PERの逆数である益利回りを参照するのも一つの手だ。PERは「時価の株主資本÷今期予想の当期純利益」である。この逆数ということは、株式市場が示唆する時価ベースの今期予想利益のROEと捉えられる(通常ROEは簿価ベース)。益利回りは株式市場が示唆する株主が要求するリターンの一つと言える。
ちなみに、2023/11/22終値ベースのPERで益利回りを計算すると、プライムが6.61%(PER15.13倍)、スタンダードが7.10%(同14.09倍)となった。
以上を踏まえ、今後の金利動向やエクイティ・スプレッド(ROE-株主資本コスト)などを総合的に勘案し、目標ROEの水準を取締役会で議論することになる。
なお、ここでは目標値としてROIC ではなく、ROEを用いた。理由は単純で、ROEの方が管理しやすいからだ。もちろん、ROICを目標値にすること自体、まったく問題無いと考える。
また、事業ポートフォリオ管理では、事業別に目標となるROEやROICを考えた方が、事業サイドに投資家目線をより浸透させることができる。加えて異なる事業特性を踏まえた目標設定の方が公平感もあり、事業サイドの納得感も高まるというのがコンサルタントとしての実感だ。
ところで、取締役会で目標ROEを議論する際、株価の分析も合わせて行いたい。今回の東証の要請を受け、自社の株価の水準についてコメントする企業も増えている。また、株価に対する考えを持つことで、投資家との対話もより深まるだろう。
(2) 予算や中期経営計画(以下「中計」)の利益目標の検討
上記で考えた目標ROEをベースに、株主還元に一定の仮定(例えば配当性向30%など)を置いて達成すべき予算や中計の当期純利益の水準を確認する。
総還元性向が100%未満の場合、株主資本は前期に比べて積み上がる(黒字前提)。ROEが一定ならば、達成すべき当期純利益は時間が経つにつれ、複利効果でより高い水準が求められる。換言すれば、これが再投資による成長ということだ。
ここで大事なのは、目標ROEを踏まえ、「予算や中計最終年度で当期純利益をいくら稼ぎ出す必要があるのか」について、計画策定の指示を出す前に全社で大雑把にでも把握しておくことだ。いわゆるバックキャストの発想だ。ただ、この順番で考えている企業は意外と少ないというのが私の実感だ。
目標となる当期純利益水準を確認した後、様々な損益計算書(以下「PL」)改善の検討を行う。同時に次に説明する貸借対照表(以下「BS」)の見直しも合わせて検討する。
なお、計画期間中にどうしても目標ROEには届きそうにない場合、目標達成時期を後ろ倒しするしかない場合もあるだろう。ただ、後ろ倒しをしても達成のイメージが本音では湧かない場合、ビジネスの抜本的見直しが求められているのだと思う。
「目標ROEを達成するために何をするのか」というのは、株主から選ばれた経営者が背負い続けなければならない重い宿題なのだと改めて思う。ここが今回東証の一番言いたいことなのかもしれない。
(3) BS見直しの検討
BSは調達と運用の状況を決算日時点で示したスナップショットである。資本収益性を上げるとは、「収益性の高い資産で運用する」「極力少ない資本の調達で済ませる」の双方を同時に追求することだ。そのため、運用サイドと調達サイドそれぞれで見直し余地がどの程度あるのか検討することになる。
運用サイドの見直し対象は「余剰キャッシュ」「政策保有株」「遊休不動産」「不採算事業の資産」などが代表例だ。一方、調達サイドの見直しは株主還元による株主資本の減少が基本だろう。これらはアクティビストが主張するお馴染みの話で、あるアクティビストは今回の東証の要請を受け、「東証はベストフレンド」と言っていることも頷ける。
なお、見直しにより特定された資産は、株主還元だけが唯一の手段ではない。11/17にパナソニックホールディングスはEV向け電池などの成長事業への投資原資を確保するため、自動車部品子会社を米ファンドに売却することを公表した。これも立派なBS見直しの手段の一つだ。
このような資産の入れ替えは将来のPLを変えるものでもあり、前のステップの「予算や中計の利益目標の検討」と合わせて考えることになる。
また、株主還元を検討する際、銀行の信用格付け、自己株取得による上場維持基準などへの影響についての検討も必要だ。単にレバレッジを効かせればよいというものでもないだろう。
(4) キャッシュ・アロケーションの検討
ここまではPLとBSの話が中心で、キャッシュ・フロー(以下「CF」)については触れてこなかった。ただ、PLとBSだけでは、投資家の関心の高い投資や株主還元について表現できないので、これらが含まれるCF計算書で統合的に考えるようにしたい。実際、キャッシュ・アロケーションの方針を開示する企業は増えている。
キャッシュ・アロケーションを分解すると主な内訳は以下のとおりとなる。
No |
内訳 |
備考 |
---|---|---|
① |
(+) BS見直しによるキャッシュ | ●前のステップ「BS見直しの検討」により捻出されたもの |
② |
(+) 営業CF | ●目標ROEを織り込んだもの ●R&Dや人的資本への投資等、事業戦略と全社戦略のすべてが反映されたもの |
③ |
(-) 投資CF | ●設備投資やM&Aによるキャッシュアウト ●政策保有株売却はキャッシュイン(ここでは①で加味) |
④ |
(-) 借入返済 | ●債権者への支払い(借入すればプラス) ●④+⑤で財務CF |
⑤ |
(-) 株主還元 | ●支払配当と自己株取得 ●BSマネジメントの手段として活用 |
このように示すと単純なようだが、実際作るとなると非常に複雑だ。特に②営業CFと③投資CFは事業戦略と全社戦略のすべてが反映されたものである。例えば、スキルを持った人材の獲得(≒高い給料)などの人的資本投資をどこまで織り込んでいるのか、などが問われるだろう。既に十分練られたものがあれば話は別だが、既存の計画等をベースに、どこまでの完成度のものができるかを詰めることになる。
なお、仮に詰めた内容が不十分であっても、それが今の実力だという現状分析ができる。「試作品」として可視化されれば、どこをどう改善すべきか社内のコンセンサスを作り、改善策を実践していくのにも役立つ。
最後に、株主還元について思うところを伝えたい。皆さんは「安定配当性向」と「安定配当」のどちらが望ましいと考えているだろうか。
もちろん、これは企業のポリシー次第なので、絶対的に正しい答えはないであろう。しかし、本気で資本コストと向き合うのなら違った景色も見えてくるはずだ。
元エーザイCFOの柳良平氏によると、海外投資家の多くは「安定配当」や「安定配当性向」ではなく、「BSマネジメントからの最適配当政策」を望んでいるとのことである(月刊資本市場 2022.7)。
すなわち、BSマネジメントが先で、配当性向やDOEは結果として決まる数字であり、不安定で構わないという考え方である。実際、欧米の企業の多くはこの考え方をしていると思う。2023/11/9に公表されたトレンドマイクロの株主還元の方針もこの考え方に近い。今後このような企業が増えてくると考えており、皆さんも是非参考にしてほしい。
(5) 計画の公表(+投資家との対話)
計画のコンテンツとして、東証はグロース市場の『事業計画及び成長可能性に関する事項の開示』のガイドラインを紹介している。他にも機関投資家協働対話フォーラムの『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた投資家との対話のお願い』や経済産業省の『価値協創ガイダンス2.0』なども参考にはなるだろう。
これらは網羅的なチェックリストとして参考にするのはよいと思う。ただ、あまりにもそれらの形式に囚われ過ぎて、身動きが取りづらくなっている企業が増えているような気もしている。
何を言えば正解なのかは誰も分からない。だからこそ、他人軸ではなく、自分軸で考えて投資家に問うスタンスも大事にしたい。よく開示が目的化し、「どうすれば投資家受けするのか」と聞かれるが、投資家よりも前にユーザーや従業員に支持されることをしなければ、投資家に意味のある話はできないだろう。
そう考えると、今回の東証の要請を受け、触れるべき大きなテーマは以下のようなものを中心に考えてみてはどうだろうか。
① 自分たちは何者か?
② 何を成し遂げようとしているのか?
③ 資本コストをどう捉えているのか?
④ いつ、どうやって、どのくらいのリターンを上げようとしているのか?(ROEやROICの「R」)
⑤ BSマネジメントをどうするのか?(ROEやROICの「E」や「IC」)
ところで、自社にとって当たり前が、世間では当たり前ではない、ということに留意したい。例えば専門用語などである。自社の製品やサービスを説明するのに、「〇〇シリーズ」など、その名前だけが示され、その後に専門用語による解説が続き、読んでいても理解し難いものをよく見かける。名前よりも「何ができるのか」「ユーザーのメリットは何か」などの説明に重点を置いてほしい。投資家は資金の出し手であって、事業については素人であることを忘れるべきではない。
なお、今のタイミングだと、3月決算企業の場合、来年6月のCG報告書に間に合わせるためには4月~5月の決算発表と同時か株主総会前までに計画を公表するのが一般的な時間軸だろう。ただ、予算策定は遅くとも3月末までであろうから、非常にタイトだ。そのため、上記の5点を中心に考えるとよいと考えている。
計画を公表できたら、あとは投資家との対話を通じて、ブラッシュアップしていくのは東証が求めているとおりだ。
以上が弊社のコンサルティングの大まかな流れである。なお、上記を進める上で、他に意識したいことが二つある。
一つは、「社会の持続可能性×企業の永続性」を説明する価値創造ストーリーの明確化である。特にROE向上策としてM&A予算を示す企業にとって、ターゲット企業の共感や支持を得ることは極めて重要であり、明確なストーリーの説明がM&Aの成功確率を高めることに寄与するはずだ。
もう一つは、株主と企業自体の目線を合わせるために、CFOや経営企画が株主の代弁者として機能を発揮することである。誰かが資本コストや株価を意識しない限り、企業に根付くことは難しい。やはり当事者意識が強く無ければ画餅に終わってしまうのが世の常だ。そのため、役職員の報酬体系などの工夫はもっとすべきではないか、という強い問題意識を持っている。また、実際にそのような観点でコンサルティングもしている。
4. 終わりに
特にスタンダード市場は、機関投資家の比率が低く、創業家を含む個人株主中心の企業が多い。一方、東証の一番の大株主は外国人、第二位が信託銀行だ。これらのほとんどは機関投資家であり、市場の過半を支配している。すなわち、機関投資家の支持を得ることが株価上昇にとって極めて重要なポイントだと考える。
ただ、機関投資家の運用スタイルはパッシブ(指数)運用が主流を占め、かつ、一定の時価総額が無いと機関投資家と対話することが難しい、という現実がある。機関投資家と話をしていると、時価総額で8割程度の企業とエンゲージメント(対話)しているが、その社数は上場企業3,800社のうち2割程度のようだ。裏返せば、8割の企業がエンゲージメントをしたくてもできない、という現実があるのだと思う。
幸いなことに、岸田政権の新しい資本主義は資産運用立国に向け、国内外のアクティブ(個別企業重視)投資家が活発になる素地を作っている。東証にも海外投資家の訪問が増えているそうだ。海外投資家はまさに宝探しをしている感じなのだろう。実際、足元日経平均株価も戻り高値をつけにきている。
皆さんも今回の東証の要請をきっかけに、アクティブ投資家に宝として探してもらえるよう、自社の良さを分かってもらうべく、前向きに準備していただきたい。
筆者紹介

山田コンサルティンググループ株式会社
経営コンサルティング事業本部
専任部長
石野 猛士(いしの たけし)
1990年3月慶応義塾大学商学部卒業後、野村證券にて主に投資銀行業務に従事。大手上場企業の資本政策(資金調達や株主還元等)・M&A・事業再生の他、非上場企業のIPO・事業承継、金融公共法人の資金調達・民営化IPOなどの支援。
2019年8月独立起業し、同族企業向けコンサルティングに従事。
2020年9月山田コンサルティンググループ入社。約3年間で上場企業を中心にM&A・サステナビリティ経営(開示含む)・中期経営計画(パーパス・ビジョン策定含む)・事業ポートフォリオ管理・資本/株主政策・役員報酬・アクティビズム対応などの支援を実施。「CFOの片腕」をコンセプトにCEOやCFOに必要とされる存在を目指して役務を提供中。