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コラム

2023/06/30

テーマ: 07.不動産

新築マンション価格と人口変動との相関関係

昨今、頻繁に新聞に載る話題として、東京23区の「新築マンション価格の上昇」と、日本全体としても問題視されている「人口変動(減少)」があります。
マンションは人が住むものですから、人口が減れば需要は低くなり、価格が下がると考えるのが通常です。今回は、東京23区の「新築マンション価格」と「人口変動」の相関関係について考えます。

東京23区の新築マンション平均分譲単価変動率と供給戸数の推移(2017~2022年)

図1によると、ここ5年間において新築マンションの分譲単価は大きく上昇しています。また、2020年以降その変動率も10%を超えています。一方、供給戸数は多少の増減はあるものの、全体としては減少を続けており、5年で3分の1程度減少しています。

東京23区における人口変動(転入超過数、2017~2022年)

図2によると、ここ5年間において、主たるマンションの購入者層である「30歳~69歳」を対象とした人口変動(転入超過数)は減少を続けており、新型コロナの発生した2020年以降は減少数が大幅に増えています。また、世代別にみてもすべての世代で人口が減少しています。

東京23区内で移動する人々・東京23区内に来る人々(2017~2022年)

図3によると、ここ5年間において23区内移動人口数は約30万人、23区以外からの転入者数は約40万人で推移しています。一方、新築マンションの供給戸数は図1のとおり5年間で平均約13,000戸となっています。これらの数字を比較してみます。移動する約70万人は全年齢の人数であるのに対し、実際にマンションの購入対象は年齢や構成(単身、夫婦、ファミリー)に区分けされるため、このうちの一部となります。仮に、購入対象が約70万人のうち半分の35万人の場合は約27倍、5分の1の14万人の場合は約11倍の需要となります。また、投資目的で購入する人々もいるため、東京23区の新築マンション市場においては、需要に対し供給が少ない状況であるといえます。
つまり、東京23区においては総人口が減少したとしても様々な理由で23区内移動する人口が多いこと、また、東京の開発余地の状況から今後マンション供給が劇的に増加する可能性は低いこと等から、今後しばらくは供給が需要を上回る状況にはならないのではないでしょうか。以上より、東京23区においては新築マンションの価格と人口変動の相関関係は弱く、人口の減少が新築マンションの高騰に影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。

あとがき

日々、多くの情報を取り扱う中で、時代の変化の速さを痛感することが多いと感じます。特に不動産業界は時代の変化の影響を大きく受ける業界の一つでありますので、情報を収集し、それがどのように影響を及ぼすのか予測し、スピーディーに対応することが益々大切になってきます。私たちは常に冷静に、そして、俯瞰的に状況を把握し、的確なアドバイスを提供することで皆様から信頼される専門家集団であり続けたいと考えています。