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コラム

2023/04/26

テーマ: 03.海外ビジネス

インドネシア中間層、ネット詐欺の餌食に

投資プラットフォームのインフルエンサーの影響の大きさ

「メダンの帝王」「メダンのクレイジー・リッチ」とあだ名がついたIndra Kesma(インドラ・ケスマ)氏は、インドネシア国家警察が最近進めているネット取引や投資プラットフォームに関する詐欺事件取り締まりの中で逮捕された。投資ポータルサイトは、東南アジア最大の経済規模があるインドネシアで、投資意欲の高い中間層の増大に伴って人気が急上昇していた。 (出典:日経新聞)

~事件について~

投資アプリBinomoでは、インフルエンサーがアフィリエイトの仕組みを用いてユーザーを増やす方法で投資者を募っていた。

Indra KesmaはTikTok、You Tube、IG、TelegramなどでBinomoを紹介し、併せて自分の投資利益で買ったものをアピールしていた。

バイナリーオプションという投機性の高い手法での投資を促していた。

Indra Kesumaの紹介動画を見てBinomoを利用した個人投資家が損を訴えて問題となり、2022年2月3日に8人の被害者が警察へ訴え出た。その後の捜査を経て2月24日に逮捕に至った。

第一審は2022年11月14日で、判決は懲役10年、罰金50億ルピア(約4,500万円)。その後控訴され、控訴審は2023年1月12日、判決は懲役10年、罰金50億ルピア。

背景1 ~ 中間層の株式投資等への興味が高まる

個人株式投資家の増加

インドネシアにおける個人投資家は、2019年末/110万人→2020年末/170万人→2021年末345万人→2022年6月末400万人、と増加した。特に40歳以下の年齢層が全体の82%を占め、地域別ではジャワ島に70%が集中している。

個人向け国債購入者の増加

個人向け国債購入者は、2022年2月56千人で、うち45%が新規投資家であった。1人当たりの平均購入額は446百万ルピア(約4百万円)で購入者のうち59%が女性。40歳以下が41%を占めていた。

背景2 ~ スタートアップの増加とインターネット情報の氾濫

コロナ禍でインターネットの利用時間が長くなったこと、ネットによる投資のアクセスが容易になったこと、またGoToグループ(インドネシア最大のデジタル・エコシステム)のようなスタートアップの上場等が契機になったと思われる(日本ではNTT上場が同様な役割を果たした)。
市場に参加したばかりの若い世代はインドラ・ケスマ氏のようなインフルエンサーからの情報を重視する傾向がある。噂話レベルの信ぴょう性の薄い情報も、スマホを通じた情報へのエクスポージャーが高くなっている中で、SNSを通じて一気に拡散する傾向が加速した。

やはり金融教育が必要か、でも時間はかかる

インドネシアではまだ預金口座を持たない人も多い中で、金融教育の話をしても実効はあがらない。金融庁は、「投資環境を整備して関連機関と消費者保護に取り組んでいく」としているが、インドネシアにおける資本市場の金融商品を理解しているのは国民の5%に留まると言われており、もうしばらくの間は業者と当局とのイタチごっこが続くことになりそうだ。

執筆:山田コンサルティンググループ株式会社 海外事業本部

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