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当社事例

2023/03/17

テーマ: 02.M&A

サプライチェーン維持のため外注先を子会社化した製造業M&A事例

A株式会社 X株式会社
事業内容:製造業 事業内容:製造業
エリア:中部地方 エリア:中部地方
売上規模:数億円 売上規模:数十億円

当社のかかわり方

案件の概要

中部地方において製造業を営んでいたX社は、売上の多くを占める大手メーカーから、X社の外注先であるA社への支援を要請されていた。
A社は債務超過の状態であり、A社が万が一倒産した際サプライチェーンに多大な影響を及ぼすことをX社得意先が懸念していた。X社自身もサプライチェーンを維持するためにA社を子会社化出来ないかとM&Aを検討。同時にX社は工場の新設も検討したが、A社とリレーションを図り互いに発展していくことを希望し、A社のM&A実行の方針を定めた。

X社のメインバンクを通じて弊社へ本件のご紹介を頂き、X社と弊社の間でFA契約を締結。A社と弊社で交渉を開始したものの、A社の社長が、納得のいく条件でなければ自身で会社を経営し続けたいと主張。
経営改善の道半ばであり、コロナを乗り越えられれば会社は存続できるとのお考えであった。A社社長より提示された条件は、株式の譲渡対価は資本金の金額、会長退任に伴う退職金支給を希望、また現役員及び従業員は現状維持を約束するというものであった。

提示された条件をX社と検討。X社としてはA社借入金の肩代わり・設備の入れ替えといったコストを想定していたため、提示条件にかかるコストは簡単に受け入れられるものではなかったが、外注先として信頼関係のあるA社の子会社化を希望し、A社社長の意図を汲んだ条件を提示することに。

X社も価格以外において希望条件を提示し、双方納得のいく条件となるよう何度もミーティングを重ねた結果、基本合意を締結。基本合意に至ったものの、X社がA社の子会社化を早急に進めたいとのご意向を受け、クロージング日を早めることに。譲渡契約書の内容に関する協議、譲渡契約にかかる書面準備を早急に対応し、基本合意から一か月以内でクロージングに至った。

背景・売手オーナー様の課題

  • ● 債務超過の状況ではあったが、社長へ代替わりしてからは経営改善計画を策定し、改善の道半ばだった
  • ● 一方で、直近期はコロナの影響もあり、赤字を計上していた

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M&Aの進め方&成約のポイント

買手候補選定の基本方針

  • ● X社は大手メーカーより仕事を受注しておりサプライチェーンに懸念が無いよう、債務超過状態であったA社の子会社化および経営改善を画策していた

A社を選定した理由

  • ● X社は従来からA社へ外注委託しており、長年の信頼関係があった。X社は工場新設も検討したがコストが相応にかかり、信頼のおけるA社なら良い相互関係を図れるだろうとM&Aの打診へ至った

成約のポイント

  • ● X社は信頼関係のあるA社の子会社化を強く希望していた
  • ● A社からの条件提示に対して弊社が条件整理、交渉の支援を務め、希望条件について丁寧に協議した
  • ● X社の希望によりスケジュールを早め、基本合意後はクロージングまで早急に対応した

成果・結果

外注先の子会社化を実現

  • ● X社が希望していた通りA社の子会社化を実現
  • ● 弊社が間に入り交渉を支援し、X社とA社間でトラブル無く希望条件を検討出来た

スケジュールを早めることで、X社がA社の経営改善に前倒しで着手できることに

  • ● 希望条件の合意に至れるよう協議は重ねつつ、スケジュールを前倒ししてM&Aを実施
  • ● 結果としてX社がA社の経営改善に早急に着手し、サプライチェーンに懸念が無いようX社が早めに対応出来ることに