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基礎知識

更新日:2020/09/16

テーマ: 01.事業承継

1-1. 中小企業の事業承継

1. 中小企業における事業承継のポイント

事業承継は、誰に継ぐかによって「親族内承継」「親族外承継(従業員へのMBOなど)」「第三者への承継(M&A)」の3つの手法に分類できます。それぞれの手法で、メリット・デメリットがあるため、それを理解した上で意思決定をする必要があります。 近年では第三者へのM&Aを通じて非同族を後継者に据える中小企業の割合が徐々に高まっていますが、これは、今後、国内における人口減少は避けられず、中小企業は厳しい経営環境に置かれることを見通しての決断であると推測されます。 事業承継とは、具体的には、「ヒト」「モノ」「カネ」、この3つを後継者に引き継ぐことです。「モノ」「カネ」を後継者に承継することを総称して「物的事業承継」、「ヒト」の承継を「人的事業承継」として分けて対策を考える必要があります。それぞれの対策を両輪として機能させることで、後継者へ事業をスムーズに承継させることができるのです。 事業承継の流れは、会社の現状分析から始まり、障壁となる問題点の洗い出し、株価価対策の検討を経て、事業承継を実行します。 円滑な事業承継は、現社長による入念な事前準備とサポートなくして成功はありません。

1-2. 事業承継で後継者に引き継ぐ「ヒト」「モノ」「カネ」

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1-1. 中小企業の事業承継

減少していく中小企業

日本における中小企業(小規模事業者を含む)の数は、2016年調査時点では358万社であり、1999年調査の484万社から17年で25%以上減少している。
大企業の数は1万社強に過ぎず、日本企業全体の99.7%は中小企業が占めており、また、従業者で見ても70%に達する。
つまり、中小企業は日本経済において大きな役割を果たしており、その減少は日本経済にとって良い兆候とはいえない。

中小企業減少の一因は事業承継問題

中小企業数減少の一因として、事業承継の問題が挙げられる。
経営者の平均年齢は年々上昇し、2019年の調査結果では過去最高の59.9歳に達した。
平均年齢から推察すると、今後10年で引退を迎える経営者がほとんどであるにも関わらず、中小企業の事業承継は進んでいない。

中小企業を対象とした事業承継に関するアンケート調査においても、約半数の経営者から「後継者不在」という回答が得られたが、そのような企業にも理由がある。
100年以上続く老舗の中小企業であれば、社内に確立した世代交代の体制が存在している可能性もあるが、約30年前の経済成長期に設立された中小企業において、現在の経営者の多くは創業者である。
これまで「事業承継」を経験したことがなく、社内にそのノウハウも蓄積されていない。
そのため、事業を承継させるためには何に取り組めばいいのかがわからないまま先延ばししている中小企業も少なくない。

役員・従業員への事業承継、第三者への事業承継(M&A)が増加傾向

一方、後継者が存在する中小企業の場合では、その属性は依然として配偶者、子、親族が約67%を占め、同族経営の継続を志向する事業承継が高い割合を占める。
しかし、近年では役員や従業員へのMBO・EBOや、第三者へのM&Aを通じて非同族を後継者に据える中小企業の割合も徐々に高まっている。

今後、国内における人口減少は避けられず、国内の需要に支えられている中小企業は厳しい経営環境に置かれる。
そのような事業の先行きへ不安が非同族を後継者に選ぶ大きな理由の一つとして挙げられる。
また、後継者側の価値観の変化もある。かつての中小企業の経営は生活に密着した身近なものであり、「親の仕事は子どもが継ぐべき」という考え方が根強くあった。
今では、子どもが都心の大企業に就職しているようなことが多く、そのような義務感も希薄になりつつある。

事業承継は日本経済にとっての重大課題

事業承継が進まないまま中小企業数の減少が続けば、とりわけ地方における雇用の確保が難しくなり、それによって加速する地方の衰退と人口減少は国内の総需要を減退させる。
中小企業の事業承継問題は日本経済全体にとって重要なトピックといえるのだ。

【中小企業数の推移】

(出典:中小企業庁「2020年版 中小企業白書・小規模企業白書概要 企業規模別企業数の推移」)

【社長の平均年齢推移】

(出典:株式会社帝国データバンク「全国社長年齢分析」(2020年))

【60歳以上の社長後継者の決定状況】

(出典:株式会社帝国データバンク「2016年後継者問題に関する企業の実態調査」)

【後継者の属性】

(出典:株式会社帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査」(2019年))

1-2. 事業承継で後継者に引き継ぐ「ヒト」「モノ」「カネ」

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