当社事例
更新日:2025/11/25
テーマ: 08.組織・人事
給与水準引き上げを目的とした人事制度再構築支援事例
クライアント概要
業種:製造業
売上高:100億円
社員数:500名
企業のニーズ・課題
対象となるクライアントは、大手企業グループに参画し事業規模を拡大した歴史を持っています。
一方、現在運用している人事制度は事業規模が拡大する前に導入されたものであるため、拡大後の組織の状況に一致していないという課題がありました。具体的には以下の通りです。
①等級定義が曖昧かつ昇格運用が現状と合っておらず、規程外の昇格があった。
②新卒・中途ともに採用を強化したいが、周辺相場と比較しても報酬水準がやや見劣りしていた。
③評価制度に対して、評価者の理解が不十分であり機能していなかった。
大手企業グループに参画してから約2年が経過したタイミングで、上記の課題解消を目的とした人事制度改定を行うこととなりました。
ご提案した施策のポイント
親会社の人事制度との違いは主に「給与水準」と「昇格の考え方」の2点でした。
大手企業グループの中核会社である親会社はクライアントと比べて給与水準が高い一方、誰もが安定的に昇格昇給する運用ではありませんでした。人事評価の結果が一定水準に満たなければ、当該等級で滞留することも一般的でした。
このような親会社の人事制度の運用状況と平仄を合わせつつ、運用可能な制度とするために、制度改定のポイントを次のとおり定めました。
①現状の組織に求められる役割に応じた等級定義の見直し。
②年功的運用脱却の第一歩として、これまでよりもややメリハリのある評価と処遇の連動(これまで長らく運用されていた年功序列の継続を望む社員の反発を軽減するため)。
③周辺相場やグループ内別企業の状況を踏まえた報酬水準の見直し。
④見直しを行った等級定義に即した評価項目の改定及び基準の見直しと、評価者への理解浸透。
フェーズ
フェーズ 01
- 現状分析
現行制度の運用状況把握を目的とし、評価や報酬制度に対する定量分析と、各現場社員へのインタビューや社員アンケートによる定性分析を実施。制度運用状況や社員の処遇実態を把握した上で、人事制度改定の方針を策定。
フェーズ 02
- 等級制度・評価制度の設計
フェーズ1にて策定した方針に基づき等級制度・評価制度を先行して改定。
等級制度設計:
・各部門の責任者による部門別の等級定義作成を通じて、事業拡大後の企業ステージにおける各部署・各等級の役割を明確化。
・早期昇格が可能な昇格要件の設定。
評価制度設計:
・等級定義に基づく評価項目の改定と評価基準の刷新。
・運用に苦戦していた目標管理は、職位・等級別に目標設定カテゴリーを定めるとともに、カテゴリー別目標数とウエイトを設定。
フェーズ 03
- 報酬制度の設計
フェーズ1にて明確化された方針に基づき報酬制度を改定。
・周辺相場(近隣の類似規模<拡大後の規模>及び類似業種)と比較して遜色のない水準へ初任給を引き上げ、同時に既存社員をベースアップ。
・主に非管理職における昇格時の基本給昇給額と等級手当昇給額を増額し、若手社員を中心として昇格インセンティブを強化。
・賞与における評価連動割合を高め、評価と処遇の連動をより明確化。ただし、等級別の最低支給額を設定し一定程度の賞与支給を担保。
フェーズ 04
- 初期導入支援
・従業員への新制度の周知、評価者を対象とした評価者研修の実施。
・プレ評価の実施による制度の理解促進及び評価傾向の把握。
成果・効果
拡大後の企業ステージに適した制度基盤の整備
拡大後の事業規模に見合う報酬水準への引き上げを実施したことにより、既存社員の不満緩和および
採用競争力の強化に繋がりました。
懸念であった評価制度は、職位別・等級別に目標設定方法を詳細かつ丁寧に設計し研修を通じてトライアル運用を重ねることで、評価者の理解が深まり、より実態に即した評価ができる素地が整いました。
更なる運用レベル向上には、評価者の経験蓄積や目標設定および評価の事例積み上げが必要であるため、継続的な研修・運用支援を通じて評価運用のブラッシュアップを図っています。昇格については、これまでの年功的な昇格運用との接続も考慮し、親会社ほどの抜擢や滞留は想定しないものの、こうした要素も織り込みながらメリハリ処遇ができる土台を整えることができました。
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