当社事例
更新日:2023/05/19
テーマ: 02.M&A
部品販売業後継者問題解決のため地元大手企業へ株式譲渡した事例
A株式会社 | B株式会社 |
事業内容:自動車解体及びリサイクル部品販売業 | 事業内容:自動車小売業 |
エリア:中部地方 | エリア:中部地方 |
売上規模:5億円 | 売上規模:約200億円 |
当社のかかわり方

案件の概要
A社のオーナー社長(以下「社長」という)は60歳手前であり、20代前半に自身でA社を立ち上げ長年にわたって利益をあげていた。
長年にわたって自動車解体業及び自動車部品卸売業を営まれていたことから、多数の地元企業との繋がりがあり、かつ業界大手の協同組合にも所属していることから、業績は長年に渡って堅調である。
そのような経営状況にあるにも関わらず、社長がM&Aを検討する理由は、本来継いでもらおうと考えていたご息女の意思が変わってしまったことから始まった。
社長のご息女は大手銀行・大手コンサルを経て5年程前に退職し、事業承継を前提として役員として会社に入っていた。
社内外からも次期社長であると思われており、本人も当初はそのつもりでいた。
しかし、男社会の業界であること、中小企業特有の泥臭い仕事が多いことから、従業員とぶつかることもあり、A社を継ぐことが難しいのではないかと考えるようになった。
当初は娘に継いでほしいと考えていた社長も、社長としてご息女と向き合う中で良好な関係が崩れてしまった時もあったとのことで、無理して娘が次期社長になる必要はないという思いが強まっていった。
そういった中でメインバンク及び愛知県引継支援センターに相談し、山田コンサルに第三者への承継を委任することとなった。
今まで育ててきた会社を最低でもこの程度は評価してほしいという思いはあったものの、自動車に係る企業に引き継いでもらえればそれで構わないというスタンスであり、優良企業であることからも相応に関心をいただいた中で、地元大手企業と基本合意を締結するに至った。
背景・売手オーナー様の課題
- ● 次期後継者の不在
- ● 協同組合の引継ぎ
M&Aの進め方&成約のポイント
買手候補選定の基本方針
- 対象会社は、財務状況等安定した企業であったが、「会社の顔」である社長の引退が前提にあったため、新しく経営ができる方を派遣できる買手探索を実施。
大手協同組合への引継ぎを円滑に行うため、同エリア内でのマッチングを目指した。
A社を選定した理由
- ● 意向表明提出企業の中で譲渡価格が一番高く、A社を評価していただいた点
成約のポイント
- ● 社長引継完了後の営業面を中心とした事業上のリスクをB社のグループ力で補完できるシナリオを明確に描けたこと
- ● B社としては自動車販売だけでなく、付随する業務まで当該エリアにて展開したいと考えていた中、A社はB社のグループ拡大ニーズに合致した企業であったこと
- ● TOP面談にてお互いの懸念点をしっかりと伝えあい、クロージングまでに懸念点を潰せていたことで、DD・条件交渉においても比較的友好的に進んで行ったこと
- ● 社長のご息女が社内資料をしっかりと管理しており、社内財務状況を事細かに確認することができたこと