当社事例
更新日:2023/10/23
テーマ: 02.M&A
ニッチ機械製造業後継者問題解決のため地元企業へ株式譲渡した事例
X社 | A社 |
事業内容:機械製造業 | 事業内容:鉄鋼卸売業 |
エリア:中部地方 | エリア:中部地方 |
売上規模:約1億円 | 売上規模:約10億円 |
当社のかかわり方

案件の概要
X社のオーナー社長(以下「社長」という)は、20代前半に父からX社を引き継ぎ、長年にわたって利益をあげていた。
ニッチではあるものの、長年にわたって機械製造業を営まれており、大手企業とも取引を行っていた。同業が相次いで廃業していく中、残存者利益を享受できていることもあり、業績は長年に渡って堅調である。
そのような経営状況にあるにも関わらず、社長がM&Aを検討する理由は、社長が70歳を超えたこと、ご子息・ご息女はいるものの、皆事業会社で働いており、事業を継ぐつもりがないことから始まった。
廃業も視野に入れている中、お取引のある金融機関へ相談し、山田コンサルに委任することとなった。
清算と第三者への譲り渡しの比較検討を行い、第三者への譲り渡しをご決断。事業の継続するだけではなく、個人保有の事業用資産も一緒に引き継いでほしいというご意向をいただいた。
ニッチな事業であったことから、希望を完全に満たす買手候補先の探索には時間がかかったものの、地元企業と基本合意を締結するに至った。
背景・売り手オーナー様の課題
- ● 同業と呼べるような企業が日本で数社しかなく、必要ではあるものの今後成長が見込める事業ではない点から買手候補先探索に難航した点
- ● 次期経営者が不在でありながら、社長自身も高齢であり、早期引継が必要であった点
M&Aの進め方&成約のポイント
買手候補選定の基本方針
対象会社は、財務状況等安定した企業であったが、「会社の顔」である社長の引退が前提にあったため、新しく経営ができる方を派遣できる買手探索を実施。
相応の広さがある土地を会社・個人で保有しており、個人不動産の譲渡も条件であったため、土地を有効活用できる買手であることも条件となった。
A社を選定した理由
次期経営者の派遣など今後のビジョンをTOP面談にて明確にお話いただいた点
売主の要望である、現在の事業を引き継ぎつつ個人不動産も譲り受けてほしいという条件に応諾していただいた点
成約のポイント
- ●不動産鑑定価格と買手希望金額に乖離があったものの、最終的には妥結できる価格で調整できた点
- ●事業引継補助金及びMA税制(準備金制度)へ対応することによるスケジュールの調整を社長にご理解いただけた点。
- ●社長引継完了後の営業面を中心とした事業上のリスクをどのように補完できるかというビジョンを買手と売手で共有できた点
成果・結果
買い手の成果
- ● 既存取引先の近くに新たな拠点を設けることができ、安定して利益を出せる事業を獲得することができた。
売り手の成果
- ● 事業と名前を残し、従業員の雇用を守り、新しい経営者を受け入れることができた。
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