当社事例
更新日:2023/12/22
テーマ: 02.M&A
地域に根差す老舗工具商社2社による持続的成長を目指した株式譲渡事例
A社 | B社 |
事業内容:工具卸売業 | 事業内容:工具卸売業 |
エリア:中部地方 | エリア:中部地方 |
売上規模:約1億円 | 売上規模:約20億円 |
当社のかかわり方

案件の概要
A社は同地域において、メーカー・職人等さまざまな方々から愛されている工具卸売業。長年の業歴から、同地域内での認知・確固たる地位を確保できていた。
他方で、後継者が不在であることが明確化し、事業の継続可否を長らく思案していた。次期経営人材の育成が進んでおらず、廃業を視野に入れた状態で山田コンサルへご相談をいただいた。
議論を進める中で、本当は「屋号を維持し、事業を引き継いでくださる方にお譲りしたいこと」と「在庫管理や営業体制が属人的であり、引継ぎ難易度が相応に高いと自認していること」、をお悩みとしてご意見いただいた。
そんな中で、山田コンサルのネットワークを活用し、M&Aが現実的に事業承継の手法として取り得るか、ひいては仮にM&Aが実現できなかった場合の廃業支援までワンストップでサービス提供を受けられる点に共感いただき、ご契約をいただいた。
候補先の探索を進める中で、既取引先である近隣同業のB社とマッチング。在庫管理における知見・ノウハウと、事業引継ぎにあたってのきめ細かい話し込みを行い、M&AによるA社の持続的な成長が見込めたため、成約となった。
背景・売り手オーナー様の課題
- ● ご子息・ご息女が事業を引き継ぐことが難しく、次期経営者候補が不在だったこと
- ● 多品種多量の在庫をアナログで管理しており、その管理の大部分を売手オーナーが担っていたこと
- ● 保有資産のうち、現金同等物が大部分を占める財務状況であり、廃業を視野に入れるも、多額の課税が想定されたこと
M&Aの進め方&成約のポイント
買手候補選定の基本方針
A社は財務状況も安定していたが、取り扱い品目が多く、売手オーナー家による属人的な管理が行われており、業界への知見、在庫の整理・合理化の実現、早期の幹部候補生の派遣を実現できる企業を候補先として志向していた。ゆえに、近隣同業であり、A社と同じステージを経験してきたであろう、比較的業歴の長い会社を中心に買手探索を行った。
A社を選定した理由
既存の取引先であり、従業員間の交流もあったため、経営人材の派遣に際しても従業員へのハレーションが小さいことが想定されたこと。
また、B社も業界屈指の取扱点数を誇っており、在庫の整理・合理化においても、確かな知見と実現可能性があることを、トップ面談時に互いが確認できたこと。
成約のポイント
- ●経営人材の派遣・在庫管理など、成約後を意識した議論をトップ面談時にできたこと
- ●同地域同業界を盛り上げていくためには、A社の存続が必須であるということを互いが認識していたこと
成果・結果
企業の存続
- ● 廃業時との比較における経済合理性を担保しつつ後継者問題を解決し、A社屋号の維持とオーナー家の相続問題解決の双方を実現
シナジー効果
- ● 相互の商材補完による得意先への提案の質・量の向上と、保有在庫のデータベース化を通した在庫の「見える化」により、売上の向上とコスト削減の双方を実現