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2020/12/10

テーマ: 03.海外

消費者向けIoT製品に関する意識調査2020/前編

目次

調査の概要

従前の調査との違い

従前の調査の問題点

  • IoT テクノロジーへの消費者の関心は年々高まりを見せ、投資に積極的な企業も増えているにも関わらず、IoT 市場はそれほど伸びておらず、普及期への入口からはまだ遠い。
  • IoT 市場に関する調査は数多く行われているが、いずれも消費者が重視するポイントを的確に捉えていない。
  • 消費者の購買行動プロセスは決して単純ではない。消費者は製品を購入することで得られるメリットと、それに伴う不安や懸念を天秤にかけるのだが、この両方に注目した調査は多くない。
  • 従前の調査はどれも年齢や文化的背景といった消費者特性が購買意思決定にもたらす重要性とその全体像を把握しきれていない。

本調査の特色

  • 本調査の目的は、消費者が製品購入時に期待する点やその判断基準をマーケターに理解してもらい、今後のR&D やマーケティング戦略の策定に役立つ情報を提供することにある。
  • IoT 市場に対する消費者の関心度合いは、テクノロジー製品の利用経験や個人特性に関連があるという調査結果が報告されていることから、本調査ではとくに消費者の「年齢」に焦点をあてた。過去の調査においては、若者の方がテクノロジーが得意、人は年齢が高くなるにつれてテクノロジーに疎くなる、という結果が報告されている一方で、年齢はまったく無関係、という報告もある。本レポートでは消費者を若年層(18歳から25歳)と熟年層(35歳以上)いう二つのグループに分類し、IoT製品に関連する消費行動や意識について探った。
  • なお、本調査はASEAN加盟国のうち、成長著しい4ヵ国で実施した。

対象国&調査方法

対象国

調査方法

2020年3月、ASEAN 4ヵ国にて各国200人を対象にオンライン調査(15分)を実施した。
調査方法として、回答者を二つの世代別グループに分類し、年代の比率などのサンプルの代表性を保つために割当法を用いた。

【アンケート項目】

 IoT 製品に関する一般的な質問
  •IoT 製品の購入意向
  •購入・導入に対する不安要素
 製品カテゴリ別質問
  •現在所有しているIoT 製品
  •1年以内に購入したいIoT 製品
  •IoT 製品に期待するメリットおよびリスク要素
  •重視する製品特性

IoT製品のカテゴリ

4つのカテゴリ・4つの課題

【対象カテゴリ】

省エネルギー
 近年世界中で環境問題への意識が高まっているが、消費者、企業、行政にとってエコテクノロジー製品は依然としてニッチな分野で、主流市場には浸透していない。

セーフティ・ヘルスケア& フィットネス
 AI や最先端テクノロジーを活用すれば、生活や安全性が劇的に向上することに間違いはないが、利用にあたり個人情報の提供が前提となるためセキュリティに関する消費者の懸念が大きい。本調査ではIoT 製品のメリットとトレードオフの関係について知ることができる。

業務効率化
 このカテゴリはその他3つのカテゴリに比べユーザー視点の回答サンプルが少ない。同一の回答者がすべてのアンケート項目に回答していない場合がある。IoT 製品を購入するメリットやリスクを感じる程度がその他3つのカテゴリに比べ大きく異なる点に留意されたい。

エンターテイメント& ライフスタイル
 消費者が始めて手にするIoT 製品はこのカテゴリの物が多い。まずはIoT が提供するシームレスで快適な生活を十分に体験してもらい、その後の買い替え需要を喚起し、最終的に他のカテゴリ製品の購入に繋げることが肝要だ。

カテゴリ別IoT製品

各カテゴリでは代表的なIoT 製品を幅広く網羅した。

省エネルギー
-スマートサーモスタット
-スマート照明/バルブ
-スマートプラグ/スイッチ

セーフティ・ヘルスケア& フィットネス
-スマートウォッチ
-ヘルスケアウェアラブル
-フィットネスアプリ
-スマートシューズ
-スマートロック
-ロボット掃除機

エンターテイメント&ライフスタイル
-スマートグラス
-OTT TV
-オンラインゲーム
-スマートTV
-デジタルアシスタント
-E-ウォレット
-スマート調理家電
-ハイテクイヤホン/ヘッドホン

業務効率化
-デジタルペン
-高性能マウスレーザープロジェクター
-Bluetoothレーザープロジェクター
-クラウドストレージ
-Eラーニングシステム
-電子書籍専用端末
-ビデオ会議システム

IoT製品に関する消費者意識

消費者の期待

※用語の定義
快適さ: エルゴノミクスデザイン、心の平安、面倒な作業や雑用の軽減、テクノロジーが可能にするリモート作業
生産性: 従前と比べ速く、少ないステップ数でより良い結果・成果物が生まれる
安全性: 予期せぬ脅威対策

質問
IoT 製品は我々の生活にどのように貢献すべきだと思いますか?3つ挙げて下線を引いてください。
回答リスト
健康増進 – 人の安全を守る – 節約に役立つ – 生活を快適にする – 毎日が楽しくなる – 人との交流/つながりに役立つ – 個人のプライベートを充実させる – 充実した情報を提供する – 生産性を促進 – エネルギー消費/二酸化炭素排出を減らす– 社会的ステータスを示す手段

タイ

今後IoT製品に期待する事項として、最も多く挙げられたのは「快適さの向上」(若年層39%、熟年層53%)、「人の安全を守る」(若年層36%、熟年層44%)、「生産性/効率性の向上」(若年層31%、熟年層40%)である。世代別では熟年層においてその傾向が強い。若年層においてはIoT製品に期待する選択肢への回答にバラつきが見られるが、熟年層では回答の過半数は「快適さの向上」に集中している点が興味深い。

シンガポール

今後IoT製品に期待する事項として、最も多く挙げられたのは「生産性の向上」であり、若年層(62%)と熟年層(56%)ともに期待感が高いことが特徴だ。若年層においては、「生産性の向上」に次ぎ、「快適さの向上」44%)、「人の安全を守る」(34%)、「情報の充実」(33%)が上位となった。熟年層においては、「生産性の向上」に次ぎ、次の4項目が同程度で重視されていることが明らかとなった。「健康増進」(37%)、「人の安全を守る」(34%)、「省エネルギー」(33%)、「快適さの向上」(31%)。熟年層では、年齢が上がるにつれて体力が衰えるなどの不安感から、健康の向上への高い関心・興味をみてとることができる。

マレーシア

どちらの世代も、今後普及していくのは、「生産性の向上」(若年層48%、熟年層52%)を実現する機能や特長を備えたIoT製品ではないかと見込んでいる。続いて「人の安全を守る」(若年層41% 、熟年層35% )。しかし3位以降の順位付けには世代間で違いがみられる。若年層は「人の安全を守る」「快適さの向上」「省エネルギー」をいずれも同程度に重視している。(各々~35%)一方、熟年層では「人の安全を守る」と「健康増進」がほぼ同程度に重要視されている。

インドネシア

IoT 製品に最も期待する点は、熟年層・若年層共に、1位が「生産性の向上」、次いで「情報の充実」である。熟年層の回答は「生産性の向上」「情報の充実」「快適さ」に集まっているが、若年層の回答にはバラつきが見られる。若年層のおよそ50%が「生産性の向上」を1位に挙げた。次いで「情報の充実」(37%)、「人の安全を守る」(33%)「健康増進」(29%) 、「快適さ」(25%) と続く。一方。熟年層が最も重要視するのも「生産性の向上」(67%)、以下「情報の充実」(42%)、「快適さ」(34%) 、「人の安全を守る」(31%) 、「健康増進」(25%) と続く。

消費者の懸念

質問
IoT 製品の購入を検討するとき不安に思うことを3つ挙げて下線を引いてください。
回答リスト
価格に見合う価値があるか – 期待した効果があるか – 怠惰になる、創造性が失われる – 個人情報の悪用、不適切な利用、転売–使いこなせない – 使い勝手が複雑で面倒 – 今使用している製品と比べて劣っている

タイ

IoTテクノロジー製品に関する不安要素として上位に挙がったのは、1位「個人情報の悪用」(若年層51%、熟年層71%)、2位「怠惰になる/創造性が失われる」(若年層51%、熟年層48%)、「価格に見合う価値があるか」(若年層46%、熟年層43%)となっている。中でも熟年層にとって、「個人情報の悪用」は大きな懸念材料となっているようだ。前頁の消費者の期待への回答同様に、本設問への若年層の回答は大きくバラついている。その一方で、熟年層の回答は個人情報の取扱いに偏っている。

シンガポール

IoTテクノロジー製品に関する不安要素として、大多数の回答者が「個人情報の悪用」を1位に挙げた。この傾向は若年層において一層顕著に表れている。(若年層80%、熟年層69%)次いで、「怠惰になる/創造性が失われる」で、熟年層も共感を示した。(若年層62%、熟年層65%)以降の回答は、「操作が難しい」「複雑で面倒」となり、とりわけ熟年層での回答率が高くなっている。熟年層消費者タイプのサブセグメント層の回答を見るとテクノロジー製品に対して抵抗感を感じている回答者が多い。

マレーシア

IoT製品の購入を検討するにあたり、デメリットとして懸念される事項については、どちらの世代も大多数が「個人情報の悪用」「怠惰になる/創造性が失われる」と回答している。熟年層の回答は、1位が「個人情報の悪用」(68%)、次に「怠惰になる/創造性が失われる」(61%)、続いて「価格に見合う価値があるか」(39%)、そして「期待した効果があるか」(38%)となっている。若年層の回答もおおむね同じ構成をなしている。まず1位は「個人情報の悪用」(66%) 、次に「怠惰になる/創造性が失われる」(62%)、結果として「価格に見合う価値があるか」(44%)。一方で、テクノロジーはかえって生活を複雑にすると回答した若年層が熟年層を上回っている。

インドネシア

回答者のほとんどが、「個人情報の悪用」を懸念している。(熟年層86%、若年層75% )続いて、「怠惰になる/創造性が失われる」(若年層67% 、熟年層58%)。どちらの世代も「期待通りの効果があるのか」と不安に思う回答者が39% 。若年層では、消費者の懸念項目の3位に、熟年層でも4位に挙がっている。また、熟年層の50%近くが「複雑で面倒」と回答している点に注目したい。テクノロジーに対する不安や苦手意識が伺える。(熟年層45% 、若年層33% )

IoT 製品の普及率

タイ

過半数を超える回答者が、「エンターテイメント&ライフスタイル」に関連するIoT 製品を所有していることが分かった。(若年層67%、熟年層74%)このカテゴリの成長率は若年層では+14%、熟年層は+11% となっている。以下の順位は「セーフティ・ヘルスケア& フィットネス」、「業務効率化」、「省エネルギー」となっている。所有率では最下位の「省エネルギー」(若年層・熟年層共に23%)であるが、将来の見通しは明るく、2021年度の予測成長率は若年層+27%、熟年層+24% と推計される。さらには、「業務効率化」も今後の拡大が期待され、今後は若年層+34 %、熟年層+27% の成長が予測されている。

シンガポール

回答者の10人中6人が、IoT 製品の下記3つのカテゴリー(「エンターテイメント& ライフスタイル」「業務効率化」「セーフティ・ヘルスケア&フィットネス」)のうち、少なくとも一つを所有している。IoT 製品を所有していると応えた回答者のほとんどが、「エンターテイメント& ライフスタイル」関連製品を購入していることが分かった。そのためこのカテゴリーの普及率は、とりわけ若年層では限定的と言えるが、熟年層では6%程度の成長率が見込まれている。次に購入されているのは「業務効率化」関連製品だが、このカテゴリーはそれほど伸びしろが期待できそうにない。一方「省エネルギー」関連製品に対して国家政策としてインセンティブが掲げられ、国民の関心度も高いはずだが普及率では大きく伸び悩んでいる。どのカテゴリーにおいても、若年層に比べやはり熟年層での普及率がまだまだ低い。今後の熟年層での予測成長率はおおむね8% 程度と推計されている。

マレーシア

消費者が初めて選ぶIoT 製品には、「エンターテイメント& ライフスタイル」関連製品が多い(現在の所有率は若年層85%、熟年層75%)。そのため市場はすでに飽和状態にあり、今後の予測成長率は若年層5%、熟年層3%と微増の見込み。次に購入されているのは「業務効率化」関連製品で、特に若年層の普及率が高い(若年層82%、熟年層62% )。2021年の予測成長率は若年層9%、熟年層14%となっている。全カテゴリの中で一番成長率が見込まれるのは「省エネルギー」製品で、若年層での予測成長率は20%となっている。現在はいずれのカテゴリにおいても、熟年層消費者の間で浸透率が鈍いものの、今後の成長が見込まれている。

インドネシア

消費者が初めて選ぶIoT 製品には「エンターテイメント& ライフスタイル」関連製品が多い。(所有率は若年層79%、熟年層75%)そのため市場はすでに飽和状態にあり、今後の予測成長率は若年層2%、熟年層6%と微増の見込み。消費者10人中5-6人が「業務効率化」関連製品を所有している。予測成長率は15%。「セーフティ・ヘルスケア& フィットネス」および「省エネルギー」関連製品の普及率は低く、予測成長率は15%-20% 。現在はいずれのカテゴリにおいても、熟年層の浸透率が鈍いものの、今後は速いペースで成長が進むことが期待されている。

IoT 製品の所有状況(若年層)

    ※こちらのデータは3か国の比較となり、インドネシアはございません。

タイ

83%がIoT製品を一つ以上所有、今後4.7製品に増加見込み

若年層の83%が一つ以上のIoT製品を所有している。最も人気が高いのは「エンターテイメント&ライフスタイル」製品で、若年層の10人中7人が所有するIoT製品がこのカテゴリーに含まれる。このカテゴリーの将来成長率は14%と推計される。今後さらに拡大が期待されるカテゴリーは、「省エネルギー」(+27%)と「業務効率化」(+37%)が挙げられる。その一方で、すでに飽和状態にある「セーフティ・ヘルスケア&フィットネス」カテゴリーの成長予測は+9%となっている。このカテゴリー製品は若年層における普及率が熟年層に比べて高かった。「省エネルギー」製品は世代間でほぼ同等。

カテゴリ別の内訳を見ると、個々の製品によって成長率にバラつきがあるが、大きな成長が期待できる製品もある。本レポートでは以下の4つのカテゴリ別に詳細を集計している: 省エネルギー、セーフティ・ヘルスケア&フィットネス、業務効率化、エンターテイメント&ライフスタイル

シンガポール

92% がIoT製品を一つ以上所有

若年層では92%が一つ以上のIoT製品を所有している。人気が高いのは「エンターテイメント&ライフスタイル」製品(89%)、次に「業務効率化」関連(76%)となっている。最も購入された「エンターテイメント&ライフスタイル」製品市場はほぼ飽和レベルに達し、市場成長予測は微増(+1%)と言える。その他3つのカテゴリでは「省エネルギ―」が+8%、「セーフティ・ヘルスケア&フィットネス」は+9%、「業務効率化-」+6%と推計され、今後も成長余地が見込まれる。

カテゴリ別の内訳を見ると、個々の製品によって成長率にバラつきがあることが分かる。製品によっては大きな成長が期待できる。本レポートでは以下の4つのカテゴリ別に詳細を集計している: 省エネルギー、セーフティ・ヘルスケア&フィットネス、業務効率化、エンターテイメント&ライフスタイル

マレーシア

90% がIoT製品を一つ以上所有

若年層の90% が2020年度中に一つ以上のIoT 製品を購入した。回答者の10人中8人が購入したのは「エンターテイメント& ライフスタイル」製品だった。次に「セーフティ・ヘルスケア& フィットネス」「業務効率化」が続く。しかし、各カテゴリで最も所有率が高い製品でも、どれも予測成長率は微増であることから、この3つのカテゴリは市場が飽和点に達したといえよう。(+5%, +9% , +7% )「省エネルギー」のカテゴリは、引き続き拡大が期待される。(+20%)

その一方で、どのカテゴリにも際立つ伸びを見せている製品がある。本レポートでは以下の4つのカテゴリ別に詳細を集計している: 省エネルギー、セーフティ・ヘルスケア&フィットネス、業務効率化、エンターテイメント&ライフスタイル

IoT 製品の所有状況(熟年層)

    ※こちらのデータは3か国の比較となり、インドネシアはございません。

タイ

81% がIoT製品を一つ以上所有、今後4.8製品に増加見込み  

熟年層の 81% が一つ以上の IoT 製品を所有しており、若年層の所有率とほぼ変わらないことが分かった。最も人気のあるカテゴリーは「エンターテイメント&ライフスタイル」で、熟年層の10人中7人超が所有している。今後の成長率は +11% と予測されている。

「セーフティ・ヘルス&フィットネス」製品の普及率はおおむね 50% 程度となっている。最も普及率が低いのは「省エネルギー」製品で、 25% となっている。若年層と比べて、熟年層では「エンターテイメント&ライフスタイル」と「業務効率化」製品の普及率が高くなっている。今後の成長予測は、上から「省エネルギー」 (+24 %), 「業務効率化」 (+27%), 「セーフティ・ヘルス&フィットネス」 (+14%) の順となっている。

カテゴリ別の内訳を見ると、個々の製品によって成長率にバラつきがあり、大きな成長が期待できる製品もある。本レポートでは以下の4つのカテゴリ別に詳細を集計している: 省エネルギー、セーフティ・ヘルスケア&フィットネス、業務効率化、エンターテイメント&ライフスタイル

シンガポール

87% がIoT製品を一つ以上所有

熟年層では87% が一つ以上の IoT 製品を所有している。この層でも最も人気が高いのは「エンターテイメント& ライフスタイル」製品だった。2021年にこのカテゴリは +6 % の成長率が期待されている。一方、急成長している「省エネルギー」 製品は向こう一年間で+ 8% の成長が見込まれている。

カテゴリ別の内訳を見ると、個々の製品によって成長率にバラつきがあり、大きな成長が期待できる製品もある。本レポートでは以下の4つのカテゴリ別に詳細を集計している: 省エネルギー、セーフティ・ヘルスケア&フィットネス、業務効率化、エンターテイメント&ライフスタイル

マレーシア

83%がIoT製品を一つ以上所有

熟年層では83% が一つ以上の IoT 製品を所有している。回答者の10 人中7 人が購入したのは「エンターテイメント& ライフスタイル」製品だった。しかし、このカテゴリの2021年の予測成長率はわずか +3% となっている。 その他「業務効率化」 「セーフティ・ヘルスケア & フィットネス」 「省エネルギー」はいずれも緩やかに成長する見込み。 (各々+14%, +11% and +10% )2021年度最も伸びが期待できるのは「業務効率化」となっている。

その一方で、どのカテゴリにも際立つ伸びを見せている製品がある。本レポートでは以下の4つのカテゴリ別に詳細を集計している: 省エネルギー、セーフティ・ヘルスケア&フィットネス、業務効率化、エンターテイメント&ライフスタイル

IoT 製品の購入理由

※用語の定義
快適さ: エルゴノミクスデザイン、心の平安、面倒な作業や雑用の軽減、テクノロジーが可能にするリモート作業
生産性: 従前と比べ速く、少ないステップ数でより良い結果・成果物が生まれる
安全性: 予期せぬ脅威対策

質問
IoT 製品の購入時に重視する項目を3つ挙げて下線を引いてください。
回答リスト
健康増進 – 人の安全を守る – 節約に役立つ – 生活を快適にする – 毎日が楽しくなる – 人との交流/つながりに役立つ – 個人のプライベートを充実させる – 充実した情報を提供する – 生産性を促進 – エネルギー消費/二酸化炭素排出を減らす– 社会的ステータスを示す – 表現の手段 – トレンドに乗り遅れないため

タイ

調査の結果、IoT 製品を購入する理由として以下の3つの項目が上位に挙げられる。
・快適さの向上
・生産性/効率性の向上
・健康増進

タイでは高齢化が加速しており、国民の健康意識も高まっていることから、「健康増進」が第3位であることもうなずける。

興味深いのは、若年層ではIoT 製品の購入理由の重要度について、かなり意見が分かれているが、 言い換えると評価自体は選択肢間でさほど分散していないことが見て取れる。それとは対照的に熟年層の購入理由は、一定の選択肢に集中している。

シンガポール

消費者がIoT 製品を購入した理由をカテゴリ別に挙げた。

消費者が特に考慮するのが、IoT 製品を使用することで、どの程度生活が「快適」になり日々の「生産性が向上」
するのかという点だ。 ただし、具体的な購入理由は4つのカテゴリ間でバラつきが見られる。

熟年層に比べて若年層には、便利で快適さをもたらす Iot 製品の特性が受け入れられているようだ。カテゴリ別では「省エネルギー」「セーフティ・ヘルスケア&フィットネス」製品の人気が高い。

若年層に比べて熟年層では 「省エネルギー」 製品に関心が集まっている。一方、地球環境問題が若年層の購買行動に影響する見込みは薄いようだ。シンガポールでは若者(25歳以下)は親と同居するのが一般的だ。実家では光熱費も親が払うため、若者の省エネ意識が低いのも想像に難くない。省エネ製品を使って電気代を節約しようという考えも起こりにくいのかも知れない。

マレーシア

消費者がIoT 製品を購入した理由をカテゴリ別に挙げた。

消費者が特に考慮するのが、IoT 製品を使用することで、どの程度生活が「快適」になり日々の「生産性が向上」するのかという点だ。 ただし、具体的な購入理由は4つのカテゴリ間でバラつきが見られる。

全般的に熟年層には実用性を重視した購買行動が見られる。具体的には、エネルギー消費量の節約、コストの節約、生産性の向上、快適さや安全性の向上などである。一方若年層が最も意識するのは生産性の向上(娯楽&ライフスタイル関連製品の使用により)で、加えて人と繋がる、生活が楽しく豊かになることも多きな魅力となっている。

インドネシア

本調査では、消費者が購入を決めるプロセスで影響を及ぼす3つの要素を明らかにした。

消費者自身がテクノロジー製品に触れた経験があるかどうか:
過去にテクノロジー製品に触れる(所有)機会が少なかった消費者ほど、製品が持つ特徴や機能より搭載されているテクノロジーそのものに興味を示す傾向がある。

テクノロジー製品の特長や性質:
カテゴリを問わず共通しているのは、消費者は「快適さ」や「生産性(効率性)の向上」を重要視するという点だ。カテゴリ別購入理由ランキングを本ページ下部と P13-P41に記載しているので参照されたい。

消費者の年齢:
本レポートでは各セクションで消費者の世代別傾向に焦点をあてている。

消費者が重視する製品特性

※5つの重視特性
使い易さ: 設定/トラブルシュート/使用などの方法が簡単
相対的メリット: 生産性、高性能
可観測性: 口コミの評価、知っている/信頼のブランド
互換性: 所有製品に適合/互換性がある
トライアラビリティ: 購入前に試用できる、問い合わせサービスがある

質問
IoT 製品の選択時に重視する項目を3つ挙げて下線を引いてください。
回答リスト
使い易さ – 設定が簡単;トラブルシュートが簡単 – 作業効率化 – 高性能 – 馴染みがある(製品を見たことがある、所有している)- 口コミの評価 – お試しができる – 問い合わせサービスがある – 所有製品に適合/互換性がある – 知っている/信頼するブランド

タイ

テクノロジー製品を選択するにあたり、消費者が最も重視するのは以下の要素である。
1) 使い易さ 例: 製品の操作性や使い易さを確認したい
2) 既存技術との製品互換性例: 所有している製品との互換性・適合性を考慮
3) お試しができる: タイの消費者はネットショッピングよりも、製品を手に取って試すことができる実店舗でのショッピングを好む傾向がある。

アンケートの中には、回答者自身の年齢が要素として反映される設問もある。例えば、熟年層の消費者にとっては、製品の使い勝手の良し悪しが、若年層より重要な要素となるのは当然のことである。これはどちらの世代においても、IoT製品に求める製品特性が明確であり、各カテゴリーで1位に選ばれた選択肢が、2位以下を大きく引き離していることから見て取れる。

シンガポール

Iot 製品を購入するにあたり消費者が最も重視する特性は、4つのカテゴリ全体を通して「使い易さ」「設定が簡単」「作業効率化」であることが分かった。 中でも熟年層にとって「使い易さ」が大変重要で、簡単で直観的な操作性であることが、その他のどんな機能よりも重要視されている。(予測および実際の両方)

一方、若年層の回答では口コミの評価が上位に上がっているのが目立つ。これには、いわゆる「インフルエンサー」が Youtube, Instrgaram でシェアするコメントやフィードバックを主な情報源とする現代の若者達が、製品購入の意思決定を、SNS 上で発信される情報に大いに委ねている近年の傾向に起因する。(若者にとってテクノロジー製品に関する友だちからの情報は、親の意見よりも重要)

マレーシア

マレーシアの消費者がIoT 製品を選択する際に重要視するのは、「使い易さ」「設定が簡単」「口コミの評価」であることが分かった。

製品カテゴリを問わず、熟年層にとっては最新テクノロジーを導入するにあたり、まずは操作性が「使い易い」ことや「設定が簡単」であることが大きな比重を占める。総じてハイテク製品を使えるようになるために熟年層に共通する点としては、使い始めの時点で明確な手順が示されていることが大変重要であることが分かった。

一方、若年層が重視するのは「信頼するブランド」であることで、この傾向は熟年層と比べて際立っている。要因として考えられるのが、近年増加しているインフルエンサーマーケティングプラットフォームにより、インフルエンサーがSNSを介してブランド(企業)と消費者を繋げる架け橋となっていることが挙げられる。加えて、若年層グループにはデジタルネイティブ世代が含まれていることも若年層の消費動向に影響を与える要因となっている。

インドネシア

消費者がIoT 製品を選択する際には、使い易さと作業効率化(相対的メリット)への期待が大きく、次に口コミの評価(可観測性)で、その他はそれほど重要視していないことが分かった。

製品カテゴリを問わず、熟年層は「使い易さ」を上位に挙げている。これに対して若年層に目立ったのが「口コミの評価」だ。

(後編へ続く)

消費者向けIoT製品に関する意識調査2020/後編

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