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2021/09/09

テーマ: 03.海外

タイのデータセンター市場

東南アジアにおける新興データセンター市場の1つであるタイは、2016年から2022年にかけて年平均成長率16%で拡大した。デジタルトランスフォーメーション(DX)、急速に拡大しているEコマース、ビッグデータ、AI、政府の強力な支援が市場の主な原動力となっており、新型コロナウイルスのパンデミックがさらに成長を加速させている。こうした状況によってタイ市場は近年、SuperNap(米国)、STT GDC(シンガポール)、NTT(日本)、KT Corporation(韓国)などデータセンター事業を手掛ける大手グローバル企業の投資を惹きつけている。

目次

ASEANデータセンター市場の概要

アジア太平洋地域で最も競争力が高いデータセンター市場は依然としてシンガポールである。しかし利用可能な土地や電力に限りがあり、電力産業の二酸化炭素排出量に対する懸念もあることから、シンガポール政府はデータセンターの新設を一時的に禁止している。これが今後数年間市場の成長を鈍化させると思われる。

一方、他のASEAN諸国はデータセンターの新興市場として知られ、データ需要の急拡大がハイパースケール(超大型)のクラウドサービスのプロバイダーやデータセンター事業者を惹きつけ、二桁成長を記録している。

ASEAN諸国の中で、今後の5年間に最も高い成長が予測されるデータセンター市場はインドネシアである。

タイは、アジア太平洋地域のデータセンター競争力指数の順位が7位と、ASEAN諸国の中ではシンガポールとマレーシアに次いで高い。要因としては政府の強力な支援があることやデジタルインフラが整っていることがあげられる。

タイのデータセンターの供給状況

テクノロジー関連の調査会社である451 Researchはレポートの中で、タイのデータセンター市場が2016年から2022年にかけて二桁成長(年平均成長率16%)すると予測しており、その主な要因として、銀行や通信など法人顧客の大規模なデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組み、OTTプラットフォーム(通信事業者以外のコンテンツプロバイダー)・ビッグデータ・AIに対する投資の拡大、および市場に追い風となる政府の政策をあげている。

新型コロナウイルスによるロックダウンが、オンラインショッピングやEコマースおよびリモートワーク拡大の流れに拍車をかけたため、データセンターサービス需要が高まり、同市場の成長をさらに加速させている。

近年のタイデータセンターへの投資状況

政府がデジタル経済政策を発表して以来、タイのデータセンターへの投資は年々増加している。

これまでに中国の華為技術(ファーウェイ)、シンガポールのSTT GDC、韓国のKT Corp.などの大手グローバル企業がタイ市場に参入している。また、既存事業者もタイへの投資を拡大している。

大手データセンター機器・サービスプロバイダーのVertivは、今後もデータセンター事業を手掛ける大手グローバル企業が国内企業との提携という形でタイ市場に参入してくるだろうと予想している。

タイのデータセンター市場の成長要因

タイ政府の政策

政府によるタイランド4.0やデジタル経済を目指す政策やその施策が、タイのデータセンター市場への追い風となっている。

デジタルトランスフォーメーション(DX)

タイランド4.0やデジタル経済推進の施策により、データセンターの需要はここ数年拡大している。

新型コロナウイルスは、企業部門によるDXの取り組みや消費者によるデジタルトランザクション(Eコマースや電子決済の利用など)の拡大を加速させており、これがデータセンター市場に予想を上回るペースでの成長をもたらしている。

タイのデータセンター市場の主な課題

高スキル人材の不足や海底ケーブルの整備が不十分であることが、タイのデータセンター市場の成長にとっての主な懸念材料となっている。

 

データセンターのスペシャリストが不足
Manpower Groupによれば、世界のIT業界で不足する人材は2023年までには200万人を超え、ASEANの企業の46%はIT人材の採用難に直面するとみられる。

タイでは量と質の両面でIT人材不足が問題となっている。コンピュータ関連分野を学んで卒業した約60万人のうち、ICT業界に就職しているのはわずか15%にすぎない。スペシャリストが不足している分野はデータセンター、インフラセキュリティ、ネットワーク、電気系統、クラウドなど多岐にわたる。

 

海底ケーブルの整備が不十分
現在タイには8つの国際海底ケーブルが敷設されているが、他のアジア太平洋諸国と比べてはるかに遅れている。ただし、2021年と2022年には建設中の2つのケーブルが完成する見込みであり、これによってタイのASEAN地域におけるデータセンターハブとしての地位が向上する見込みである。

タイのデータセンター市場の特徴

大手コロケーションデータセンター事業者

外国企業

国内企業

国内のコロケーションデータセンター事業者のほとんどは電気通信事業も行っている。また、不動産開発会社の子会社など一部は、大手事業者との提携による市場シェアの拡大を図っている。

<お問合せ先>
山田コンサルティンググループ(株) タイ現地法人
global-support@yamada-cg.co.jp

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