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更新日:2021/10/04
テーマ: 03.海外ビジネス
プレミアム志向が高まるタイのコーヒー市場
概要
・タイのコーヒー市場はここ数年、急成長している。新型コロナウイルス感染拡大によって接客業が一時閉店を余儀なくされ飲食業界が大きな痛手を受けている一方、消費者が小売チャネルを通じた消費にシフトしたことにより、コーヒーの小売売上高は大幅に増加している。
・消費者のプレミアム志向が高まる中、高品質のコーヒー製品(レギュラーコーヒーを含む)の人気が高まっている。
・多くの飲食事業者は、自社の販売ネットワーク拡充を図っており、特に最近ガソリンスタンド併設のコーヒーショップが増加している。
・今後のタイのコーヒー市場は、消費者の嗜好やライフスタイルの変化により、レギュラーコーヒー市場が牽引していくと思われる。
目次
タイのコーヒー市場の概要
タイではコーヒーは多くの家庭やオフィスで親しまれており、最も人気のある飲料のひとつとなっている。国内で展開するコーヒーショップの店舗数は増加している。

コーヒー市場セグメント
飲食vs小売

タイのコーヒー市場の近年のトレンド
飲食市場
タイのコーヒー市場は、近年の消費者行動の変化やコーヒーショップ事業者の増加により、飲食・小売ともに市場規模が拡大している。
しかし、2020年は新型コロナウイルスの影響を受け、小売市場の規模が拡大した一方、飲食市場は大きく低下した。


飲食市場(チェーン)
パンデミック前、コーヒーショップチェーンは自宅以外でのコーヒー需要、特にテイクアウト需要の高まりを受けて事業を大幅に拡大した。人口の多い地域や都心部のオフィス、マンション、コミュニティモール、ガソリンスタンドなどに展開している。

飲食市場(独立系)
独立系コーヒーショップは、様々な種類のコーヒー (スペシャルティコーヒー、コールドブリュー、ドリップコーヒー、ラテアート) に加えて、リラックスできる環境やインスタ映えするインテリアなど幅広い顧客体験を提供することで人気を集め、社会的な流行を生み、それによって事業の成長をけん引している。

コーヒーチェーンの主なプレーヤー
カフェアマゾンとスターバックスは、タイのコーヒーチェーン市場における主要プレーヤーで、特にカフェアマゾンはマーケットリーダーである。これら大手2社のシェア合計は、コーヒーチェーン市場の売上高全体の75%以上を占めている。
その他、ブラック・キャニオン、インタニン、トゥルー・コーヒーなどのシェアは比較的小さい。



小売市場
コーヒー小売市場は過去5年間、年平均成長率4.8%と右肩上がりの成長を遂げている。
2020年は新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウンで在宅勤務が増えたことがコーヒー小売市場の主な成長要因となった。

パンデミック前は、自宅以外でのコーヒーの消費が増加傾向にあり、小売市場の成長は緩やかなものになっていたが、パンデミックの影響でコーヒーの消費は飲食市場から小売市場へと移行し、2020年は2015年以降で最大の前年比成長率7.7%を記録した。


2020年のレギュラーコーヒーとインスタントコーヒーの小売売上高は、前年比各々8.5%と7.6%の伸びを示した。
インスタントコーヒーは、2015年~2020年の小売市場全体の90%を占めている。
レギュラーコーヒーは、インスタントコーヒーよりも成長ペースが速く、2015年~2020年の年平均成長率は6.5%だった。

2020年のコーヒーの小売市場全体に占める割合が最も高い販売チャネルは、独立系の小規模食料品店(34.6%)である。パンデミック以降は、多くの消費者が長距離の移動を避け、自宅近くの店で必需品を購入するようになっている。
一方、 2020年に前年比で最も高い伸び率(12.5%)を示したチャネルは、オンラインショッピングなどを含むEコマースである。要因は、Eコマースへの消費者行動のシフトがパンデミックでさらに加速したことにある。

主な小売コーヒーブランド

新型コロナウイルスの影響:コーヒー消費行動の変化
新型コロナウイルスの感染拡大は消費者の行動を変え、そのことが購買力、健康意識、製品、購入場所・販売チャネルなどに影響を与えている。

今後のトレンドと機会

タイのコーヒー市場は継続的に成長しているものの、1人当たりの年間コーヒー消費量は、フィンランド(1,000杯)、ヨーロッパ(600杯)、日本 (400杯)など他の高消費地と比較すると、タイでは平均約300杯とまだ低い。
これはタイのコーヒー市場の潜在成長力を表すものであり、特にレギュラーコーヒーセグメントが今後の成長要因となることが予想される。

執筆:山田コンサルティンググループ株式会社 タイ現地法人
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