海外ビジネス情報
公開日:2024/12/19
テーマ: 03.海外ビジネス
タイ農業の未来を担う精密農業の現状と今後に向けて
山田コンサルティンググループの海外ビジネスに特化した総合サイトです。
最新のセミナー・レポート情報がいち早く知れ、弊社の海外ビジネスをまとめてお伝えします。是非ご覧ください!
概要
精密農業とは、データを収集・分析し、その結果に基づいてソフトウェアとハードウェアを活用して、農業活動の効率性や持続可能性を向上させる農業管理手法である。アジア太平洋地域の一部の国ではすでに導入されており、市場は今後10年間で急成長すると予想されている。
タイの農業セクターは現在、生産性の低下に直面している。 精密農業は、この状況を改善するために不可欠であり、農業生産性の向上や効率的な資源分配といった目標達成のための有効なツールとなり得る。
しかし、タイでの導入は限定的で、主に大規模農場経営者に限られており、市場参入者は少ない。政府は、精密農業の導入を加速させるために、各種優遇措置を提供している。一方、関連する民間セクターはタイの農業条件に適した精密農業戦略開発のための研究プロジェクトなどで協力している。
こうした状況を踏まえると、タイの精密農業市場には十分な参入余地がある。
目次
タイの農業セクターの概要
タイにおける農業セクターの重要性
農業セクターはタイの経済発展の屋台骨であり、タイの経済成長を牽引する重要なセクターのひとつだと考えられている。
経済面:農業GDPは6,930億バーツで、2023年のGDP全体の6.37%を占める。
雇用面:農業セクターは多くの雇用機会を提供しており、2023年は、タイの総労働力人口4,040万人のうち約30%を農業セクターが占めた。

タイの主要農産物
タイの主要農産物は、米、ゴム、ドリアン、サトウキビ、アブラヤシである (生産額の高い順) 。
新型コロナウイルスの感染拡大で生産が一時中断されたものの、これらの農産物の生産額は過去5年間で増加した。

タイの主要農産物の生産性

農業はタイの経済にとって重要なセクターだが、主要農産物の生産性は過去5年間あまり向上していない。
作物別に生産性をみると、農業セクターの成長に最も影響が大きい米は、1.7%とわずかながら改善しているものの、ドリアンとアブラヤシはほとんど改善していない。ゴムとサトウキビにいたっては、低下している。
これら農産物の生産性向上を阻む要因は様々だが、最大の問題は、農業活動における計画や管理の欠如である。

タイにおける農産物の生産性向上を阻む主な要因
サプライチェーンにおける農産物の生産性向上に対する主な阻害要因は以下の通りで、最も重大な問題は、農業活動における計画と管理の欠如である。

精密農業市場
生産性向上のためのソリューション、精密農業の導入
タイの農業生産性低下の問題は、テクノロジーとデータの活用によるリソースの最適化や農作物の生産性向上が可能な精密農業を導入することで解決できる。

精密農業のコンセプト
精密農業は、データを収集しその分析に基づいて、システムや自動化技術などを活用し、農業活動を最適化する農業管理手法。
精密農業を成功に導く重要な要素はデータである。内部データ(土壌や作物の状態など)と外部データ(天候や市場の状況)の両方を分析することで、生産性最適化のための様々な戦略を実行することができる。

アジア太平洋地域の精密農業市場
アジア太平洋地域の精密農業市場(1)は、2023年に5,050万米ドルになり、2023年から2033年にかけて年平均成長率17%で急成長する見込みである。
精密農業市場の用途別セグメントは主に6つに分類される。そのうち精密灌漑が市場全体の約25%と最も割合が高い。

以降のページでは、下記目次の内容を掲載しております。
ご覧になりたい方は本稿下段にあるフォームからダウンロードください。
精密農業バリューチェーン
タイにおける精密農業の導入と競合の状況
プレーヤーとユーザーのケーススタディ
ケーススタディ(1):プレーヤー:通信事業者(TRUE、DTAC、AIS)
ケーススタディ(2):プレーヤー:農機製造・販売(クボタ)
ケーススタディ(3):ユーザー:タイの大手砂糖メーカー(Mitr Phol グループ)
タイの精密農業産業関連投資優遇措置
BOIの投資優遇措置
DEPAの投資優遇措置
今後の動向、機会、課題と提言
レポートの続きをご覧になりたい方は、下記よりダウンロードください。
執筆:YAMADA Consulting & Spire(Thailand) Co., Ltd.
(山田コンサルティンググループ株式会社 タイ現地法人)
本レポートに関するご感想、ご質問は下記問合せフォーム、またはメールにてお寄せ下さい。
https://www.yamada-cg.co.jp/contact/
メールの方はこちら
[email protected]
関連記事
03.海外ビジネス