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更新日:2025/05/01
テーマ: 03.海外ビジネス
ベトナムが国を挙げて取り組むキャッシュレス決済と決済代行サービス(IPS)
はじめに
ベトナムでは、スマートフォンの普及やEコマースの成長に加え、コロナの流行をきっかけにキャッシュレス決済が急速に普及し、現在人々の生活では欠かせない支払い手段となっています。キャッシュレス決済の定義では、従来の金融機関しか展開できないサービスと、決済代行サービス(Intermediary Payment Service、以下、「IPS」という)といった銀行以外の企業でも展開できるサービスが規定されています。金融は政府に厳しく規制されている業界であり、IPSを展開する企業は2024年時点で僅か50社となっています。
本レポートでは、ベトナムにおけるキャッシュレス決済について述べた後、IPSの現状及び今後の展開について説明します。
目次
キャッシュレス決済の普及
キャッシュレス決済の定義
ベトナムではコロナの流行をきっかけにキャッシュレス決済が急増した。スマートフォンやEコマースの成長に合わせて、キャッシュレス決済は人々の生活に浸透し、幅広い世代と地域で導入されている。
2024年に公布されたDecree No. 52では、キャッシュレス決済活動は以下の通り定義されている。本レポートでは、キャッシュレス決済方法のうち、決済代行サービス(Intermediary Payment Service、以下、「IPS」という)に焦点を当てる。

ベトナムにおけるキャッシュレス決済の状況
ベトナムの2022年の銀行口座保有者数は約5,100万人と言われており、銀行口座保有率は対成人人口で68%である。銀行口座を持つことで現金の利用を減らし、キャッシュレス化の後押しとなっている。
2020年以前は電子決済等がまだ普及しておらず、現金の利用が圧倒的多数であったが、2020年よりモバイルウォレットやカード決済等が充実し、現金離れが始まっている。 2027年にはモバイルウォレットが主流の支払い手段となっていると予測され、キャッシュレス決済がより普及する見込み。

支払い方法の進化
ベトナムでは、2000年代から2020年代にかけて、技術の進歩とキャッシュレス決済を推進する政府の取り組みにより、デジタル決済方法が大きく進化し、主に現金ベースの経済から、オンラインバンキング、モバイルウォレット、QRコード決済、非接触型決済を取り入れた経済へと移行した

IPSの現状
IPSの定義
IPSはベトナム中央銀行によって6つの関連サービスに定義されており、通常IPS提供者は同時に複数のサービスを提供している。

IPS事業ライセンス発行状況
2024年12月9日時点では、計50のプレイヤーにIPS事業ライセンスが発行されている。
ノンバンクがIPSを提供するための事業ライセンスは、ベトナム中央銀行によって発行され、厳しく管理されている。
金融活動が違法行為に利用されることを回避するため、IPSを提供する既存のノンバンクは自社のシステムを強化することが要求されるほか、当局は新規ライセンスの発行に慎重になっている。

IPSの提供者 プレイヤーポジショニングマップ
2015年から2016年にかけて多くのプレイヤーが市場に参入。2023年売上高Top10の企業のうち7社がこの間に設立されていた。
業界の平均的な売上高は6,189Bil VND(365億円相当)であり、特にVNPay、Momo、ShopeePayが市場の約75%を占めている。

主要プレイヤーのサービス展開

以降のページでは、下記目次の内容を掲載しております。
ご覧になりたい方は本稿下段にあるフォームからダウンロードください。
IPSキープレイヤー NAPAS
IPSキープレイヤー M SERVICE
今後のキャッシュレス決済の展開
ベトナムのキャッシュレス決済推進計画
IPS業界の市場動向
【M&A事例】 双日×Finviet
レポートの続きをご覧になりたい方は、下記よりダウンロードください。
執筆:YAMADA Consulting & Spire Vietnam Co., Ltd.
(山田コンサルティンググループ株式会社 ベトナム現地法人)
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