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2021/01/14

テーマ: 03.海外

中国の健康食品業界の見通し/後編

本編は前編の続きです。

中国の健康食品業界の見通し/前編

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目次

健康食品の市場動向

保健食品の販売チャネル

リアル市場後退、EC市場は急成長

・保健食品の販売チャネルとして直接販売※は中間の流通プロセスが減り、ランニングコストが節約できるというメリットがあることから、全体の半分近くのシェアを占める。

・薬局(ドラッグストア含む)経由の販売は2011年の43%から2019年の16%へ急速に縮小している一方、 EC経由での販売が2011年の4%から32%へ急拡大している。

・近年の「淘宝」、「京東」などインターネットモールの急速な発達、Alibabaや京東系のECドラック直販店の発達により、今後も継続的にEC経由の販路が拡大することが予想される。

健康食品のチャネル特徴

・中国の健康食品チャネルの特徴は下記のようになっている。設定したターゲット顧客との親和性、取引規模、経済合理性などからチャネルの選定が重要。

ECでの販売動向

・中国EC市場では上位5社で約20.3%の市場シェアを占めており、市場が分散している。

・中国直販EC大手京東の発表によると、 2020年のW11イベントで健康食品類の売上高は前年同期より大幅に増加した。特に、機能性保健食品とビタミン・ミネラル類商品はそれぞれ前年より15倍と10倍で増加した。そのうち、骨の健康、美容、スポーツ栄養、肝臓保護、睡眠改善などのカテゴリーの前年比は150%以上となっている。

コンビニ/スーパーでの販売動向

・下図のリポビタン(中国名:力保健)とウコンの力(中国名:姜黄之力)は日系のコンビニで最も人気の保健食品である。(左下の写真はローソン、右下はファミリーマートで撮影)

・コンビニで販売している保健食品の大半は疲労回復がメインの効能で、次いで美容関連となっている。

消費者の中心は1990年代生まれの若年層へ

・調査結果によると、高齢層の消費者は意外にも自分の健康状況をより高く評価している。それに対して、90後(1990年代生まれ)の自己健康評価は6.6点で最も低い。

・90後のうち、69.8%の消費者が健康食品を食べたことがある。うち、継続的に健康食品を食べている消費者が21.9%を占める。

M&A事例一覧

・中国の外資企業に対する規制により外資による単独出資はハードルが高く、国内市場が飽和しているため、多くの企業は中国本土ブランドに注目し、積極的にM&Aと合弁会社を設立し事業を行っている。

・中国系企業にとって、積極的にM&Aを行う理由は製品ラインナップの拡充、ブランドイメージの向上などが挙げられる。

消費者意識調査

消費者の国内外の健康食品に対するイメージ

・2019年の中国消費者調査によると、消費者が健康食品を購入する際に、最も重視するポイントは健康食品の機能であり、許認可(青帽子マーク)の有無はその次となる。

・健康食品ブランドの知名度のTOP10のうち、外資ブランドが3割を占めている。

消費者の購買行動

・BCGの2013年「洞察から行動へ:中国保健食品業界」に関する消費者意識調査によると、85%の消費者が保健食品を購入する際に既に目当ての商品があったということがわかった。

・一方、目当ての商品があっても、結局45%の消費者が目当ての商品を買わなかったことから、リアル店舗の場合では薬剤師や専門販売員の重要性が窺える。

競合・他社事例

H&Hグループの概要

・1999年粉ミルクブランドである合生元を創立し、2010年に香港証券取引所に上場。

・国内市場の厳しい競争環境を乗り越えるため、2015年から積極的に海外ブランドの買収を開始。

H&Hグループの沿革

・2015年にオーストラリアの保健食品ブランドSwisse Wellnessを買収することを通じて保健食品業界に進出。

Swisseの市場動向

・2019年までに、計3つの商品を中国保健食品に登録済み。それぞれカルシウム+ビタミンD、ビタミンCバブル錠剤、乳幼児※注向けビタミンD3ドロップである。

・Swisseは中国健康食品市場における大きな消費力を持つ90年代生まれの女性消費者をターゲット層に、オムニチャネルで販売展開、特にオンラインチャネルでの存在感が強く、中国オンライン健康食品市場シェア1位を獲得している。

まとめ

日本企業のビジネスチャンス

・中国国内の保健食品市場ではブランドが分散している状態にあり、中国消費者は海外ブランドを選好することもあり、外資系ブランドにとって参入の好機であると見ている。

・中国市場に参入する場合、既にブランドを確立しているプレーヤーへ、既存の素材よりも機能性の高い日本の素材を提案し、新製品開発を促す流れが一つのモデルである。

・輸出で中国市場に参入する場合、中国で実力のある代理店を選択することが成功の鍵となる。

・販売チャネルの面においては、ECチャネルによる参入が有望で、この場合、EC利用者は20歳から45歳が多いため、若年・中年層に訴求できる製品に注力する必要がある。

執筆:上海現地法人 山田商務諮詢(上海)有限公司
(山田コンサルティンググループ株式会社 中国現地法人)

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